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EA(Expert Advisor)の開発において広く知られる実力者、Trader Kaibe氏は、FXの実力を競うロビンスカップで準優勝の経歴を持つ実力派トレーダーです。今回は、そんなEA業界の第一人者であるKaibe氏に、EAの魅力や運用時の要点について詳しく伺いました。EAの運用スタイルは多種多様ですが、とくにFX初心者にとっては、Kaibe氏の堅実なスタンスが大いに参考になるはずです。
Trader Kaibe氏プロフィール
EAの優秀さを証明したいとFX大会ロビンスカップ(2017年)に出場し、EAのみで準優勝。その後、EA界を牽引するトッププレイヤーとして精力的に情報発信を行う。某大手企業から独立し、現在はフィンテック業界で起業。 【書籍】IQ162のMENSA会員が教える FX自動売買の基礎と実践(パンローリング)
強制ロスカットを経て25万円を1,600万円に
―KaibeさんといえばEA(Expert Advisor)のスペシャリストです。まずはどんなFX投資の経験を辿ってきたか教えてください。
FXを始めたのは2006年末からでした。そのころはスワップトレードが全盛で、高金利通貨買いで保有してスワップポイントを受け取る戦略が主流でした。豪ドルやNZドルの金利が6~8%という時代でしたから。
ドル円は120円以上の水準で、世の中的には123円、124円とどんどん上がっていくという論調でした。その影響を受けて、相場はどんどん上昇していくんだと楽観視していたんです。ところが、2007年夏のサブプライム・ショックで、強制ロスカットに追い込まれました。資金300万円とコツコツと積み上げた利益のほとんどを、あっという間に失ってしまったんです。
―サブプライムショックで手痛い失敗を経験しているんですね。そこからどのようにして成功していったのでしょうか?
いったんFXから距離を置いたのですが、それでも再起のためにお金を貯めながら、情報収集と勉強を続けました。転機は2008年にあるシステムトレードを知ったことです。初期資金25万円でFXを再スタートして、9か月後には1,600万円にまで増やせました。
―シストレで6,400%増!
ただ、そのシステムトレードは、1年後にはボラティリティが低下してしまって、利益が出なくなりました。それから別の手法を探すことになって、MT4のEAに出会います。独学で勉強を始めて半年後には、EAのプログラムを組めるようになりました。
それからEAで稼げるようになったんですが、そこに立ちはだかったのがFX会社による注文拒否や約定拒否でした。結局、EAを使い続けることが難しくなって、裁量トレードへ転向するものの結果が出なくて。そのため2015年ごろに、FXから撤退しました。
自作EAでロビンスカップ準優勝
―稼げるようになったのにFXから撤退したのはどうしてですか?
そうですね。その後は日経平均先物に移行して、シストレをしていました。2015年、2016年には、年利150%の成績が出せたんですが、2017年からボラティリティが低下してしまい、こちらも勝てなくなりました。また撤退を余儀なくされてしまったのです。
―FXもダメ、先物もダメ。八方塞がりの状況をどのように打破したんですか?
結局は、またFXに戻りました。いろいろなトレードを経験する中で、FXで試したい手法のアイデアも生まれていたんです。そして、2017年9月にそのトレード手法のEA化に成功しました。それこそが、ロビンスカップで準優勝したEAです。
―ロビンスカップではどんな戦い方をされましたか?
裁量トレーダーが多く参加する中、私はその自作EAで挑戦しました。結果としては、利益率45.18%の成績で準優勝となりました。大会のスタートから比較的好調をキープして、最後の週までトップを走っていました。言い換えると、最後の週に逆転されたんです。
ちなみに、私は最後の週にEAの稼働を止めていて、成績が伸びることはありませんでした。その間に、優勝した方が追い抜いていったんですね。
―止めていなければ優勝したかもしれませんね?
最後にEAを止める決断は私が下したので、これも自分の実力だと思っています。ただ、当時は一般的に「EAは稼げない」といわれていました。そんな世間の風潮を変えられたことに、意義があったと思います。
EAなら三つの「M」を克服できる
―Kaibeさんが思うEAのメリットは何ですか?
FX以外にもいえることですが、トレードの訓練をしていない人間は、利確は早く、損切りは遅くなってしまう傾向があります。結果的に大きな損失を被ってしまうようになっているんです。これは人間の本質的な心理がそうなっているからです。
ところが、EAだとそれを克服できます。有名な『投資苑』という本では、投資で勝つための条件として三つの「M」があると説いています。メソッド、マインド、マネーマネジメントのMなんですが、EAならこれらを揃えることができます。
メソッドについては、EAのロジックですね。マインドについては、トレードが自動的に行われるため、人間の不安定なメンタルは関係なくなります。マネーマネジメントについては、EAはテストによって最大ドローダウンや利益をシミュレートできますから、ロットのコントロールをしやすくなります。
―EA初心者が気になるのは、どんなEAを選べば良いかの一点です。詳しく教えてもらえますでしょうか。
まず「EAのロジックに優位性があるか」ですね。ロジックがある程度分かり、それが優位性ありと判断できるものがおすすめです。逆に言えば、ロジックが分からないものは不安要素にしかならないですね。
次に、「自分の好みに合っているか」です。どんなに優秀なEAでも、自分の考え方や相性と合わなければ、長期的に運用するのは難しいです。それと「パフォーマンス内容」です。バックテストやフォワードテストをチェックし、特に後者では過剰最適化かどうかを確認したいところです。
EA選びのポイント
- EAのロジックに優位性があるか
- 自分の好みに合っているか
- パフォーマンス内容
EA運用の王道、一歩目はデモトレードから
―続いて実際にEAを運用する上での注意点はありますか?
EA運用の王道パターンは、デモトレードで試してから小ロットでの実運用に移行し、それからロットを上げて行くステップを踏むことです。さらに、運用方法を定期的に見直していくことも大切です。運用の見直しについては、EAのタイプによって異なります。スキャルピングEAは2~3か月、デイトレードEAは4~6か月、スイングトレードEAは半年~1年ほど運用し、評価に値するデータを集めてからパラメーターなどの見直しやEAの入れ替えを考えます。
―動かしっぱなしではなく、定期的な見直しが大切なんですね。
そうですね。EA運用で特に注意したいのは、最初の1~2週間で思うような成績が出なかったケース。せっかちな人だとロットを変えたり、EAを停止したりしてしまいがちですが、これは判断が早すぎます。バックテストの内容によりますが、資産が減り続ける期間として半年くらいは覚悟しなければなりません。私はスキャルEAなら3か月連続でマイナスになった場合に、見直す必要があると考えます。
―EA運用者は、ポートフォリオを組んでいる人が多いようです。ポートフォリオを組むコツは何でしょうか?
EA同士に相関性がないもの、同じようなタイミングでトレードしないものを組み合わせたいところです。そのためには、押し目買いやブレイクアウトといったストラテジーを分散すること、異なる通貨ペアを選ぶこと、異なる時間軸を選ぶことが大切です。EAを増やしすぎると、かえってパフォーマンスが悪くなることもあるので注意してください。
―EA初心者からアドバイスを求められることもあると思います。そんなとき、Kaibeさんはどんなことを伝えていますか?
ナンピンマーチンのロジックを選ばないことですね。「いつかは破綻する」性質を兼ね備えているので、初心者が扱うには難しく、高確率で破綻する最悪のロジックだといえます。ナンピンマーチンにも関連するんですが、初心者は高勝率という宣伝文句に惑わされがちです。
勝率が高くても、損大利小になる設計だと、安定して稼ぐことは難しいでしょう。勝率ではなく、平均利益と平均損失のバランスを確認して、どんな勝ち方、負け方をするのか知っておく必要があります。EAが優秀かどうかを簡易的に判断する方法があって、「勝率×平均利益」と「敗率×平均損失」を比較してください。前者が後者を大きく上回っていれば、優秀だといえます。
―FX会社選びについてはどうですか?
FX会社のトレード環境も重要ですね。スリッページ、サーバー、レイテンシーなど、さまざまな要素を含めて、総合的に評価する必要があります。見た目上のスプレッドが狭くても、全ての取引がその数値で約定するわけではありませんから、実際の約定力を加味したスプレッドを重視する必要があります。
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EAは動かし続けるか、適時止めるべきか
―EA運用者の中で「EAは動かし続けるか、適時止めるべきか」という議論がしばしば話題になります。Kaibeさんはどうお考えですか?
ロジックによります。荒れ相場に弱いEAなどは適時止める方が良いと考えます。EAを止めるのには、二つのメリットがあります。一つは、ドローダウンを減らせる可能性があること。トレンドフォロー型のロジックの場合、相場が反転したり、大荒れしたりしたときに弱いです。そのような相場になる可能性が高いときは、EAの稼働を停止することで、大きな負けを減らせます。
もう一つは、EAの動作確認が習慣づけられることです。私はかつてEAが動いていないことに気づかず大損をしたことがあります。それを防ぐ意味もあります。EAは完全放置するのではなく、ある程度目にかけて世話をする(編注:適時オンオフする、動作確認する)ことで、パフォーマンスが向上するものだと考えています。
―EAを止めるとして、そのタイミングはどう判断すれば良いでしょうか?
VIX指数を確認します。恐怖指数とも呼ばれるこの数値が20以上になっている場合は、相場が荒れる可能性が高いといわれているので、EAを止めて良いでしょう。また、重要な経済指標発表や、要人発言を避けるというのも考えられます。それらのスケジュールは、Yahoo!ファイナンスで確認できます。星五つのイベントは相場に与える影響が大きいので、EA稼働を控える必要があると思います。
―EA運用のいろはについて教えていただきありがとうございました。最後にFX取引に取り組んでいる読者にメッセージをお願いします。
FXでお金を稼ぐのは、基本的に泥臭いものです。優位性のあるトレードを、淡々と積み上げていくだけ。一回ごとの勝ち負けに一喜一憂したり、短期的なドローダウンにメンタルを揺さぶられたりすることなく、試行回数を増やすことで、収益曲線が期待値へと収束していきます。SNSでよく見かける爆益などに憧れる必要はありません。自分のロジックの勝ち方・負け方を知って、適度に勝って、適度に負けるのが、相場で長生きするコツだと思います。(『外国為替』vol.1より)
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