■要約
unerry<5034>は、「心地よい未来を、データとつくる。」というミッションの下、実社会のデータをAIで分析し、リアル空間を見える化することによって生活のUX※向上に貢献している。生活者行動データプラットフォーム「Beacon Bank(R)」(以下、「Beacon Bank」)を通じて特定の個人を識別しない人流データを蓄積し、「分析・可視化」「行動変容」「One to One」という3つのサービスを顧客に提供している。
※ UX(ユーザーエクスペリエンス):ユーザーがプロダクトやサービスを通して得られた体験。
1. 2026年6月期の業績概要
同社は2026年5月に(株)ブログウォッチャーを子会社化したことに伴い、2026年6月期より連結決算に移行しているが、2026年6月期は2026年6月末をみなし取得日として貸借対照表のみを連結しており、ブログウォッチャーの損益が反映されるのは2027年6月期の第2四半期からである。2026年6月期の連結業績は、売上高4,879百万円、営業利益424百万円、経常利益432百万円、親会社株主に帰属する当期純利益330百万円となった。同社単体での業績は、売上高4,879百万円(前期比31.0%増)、営業利益431百万円(同38.3%増)、経常利益439百万円(同39.5%増)、当期純利益336百万円(同1.5%増)となり、売上高及び最終利益を除く利益面で2ケタ成長と好調だった。重要指標であるリカーリング顧客数※1は176社(同36社増)と過去最大の増加となった。2025年6月期に獲得した新規顧客や取引中顧客との取引を深耕し、着実にリカーリング顧客に成長させた。リカーリング年間顧客単価も25百万円(前期は23百万円)と増加しNRR※2は120%(同4ポイント上昇)に成長、リカーリング売上高比率は同4ポイント上昇の91%となった。
※1 4四半期以上連続で取引のある顧客企業、及び直近3ヶ月以上連続で取引のある新規顧客企業。2024年6月期より、代理店経由のサービスユーザーがリカーリング顧客条件に該当する場合も含む。
※2 前年度以前に獲得したリカーリング顧客の当期売上高÷当該顧客の前期売上高。
2. 2027年6月期の業績見通し
2027年6月期の連結業績予想は、売上高8,000百万円(前期比63.9%増)、営業利益556百万円(同31.1%増)、経常利益554百万円(同28.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益381百万円(同15.6%増)を見込む。2027年6月期はブログウォッチャーの業績のうち9ヶ月(第2四半期以降)分が寄与することになるが、同社単体では売上高6,500百万円(同33%増)、営業利益650百万円(同53%増)を見込み、ブログウォッチャーについては売上高1,500百万円、営業損失46百万円を見込む。ブログウォッチャーに係るのれん償却額46百万円等が見込まれ、調整後EBITDAは669百万円(同48%増)を予想している。また、ブログウォッチャーとの合併効果(シナジー)については業績予想には織り込まれていない。ブログウォッチャーの連結による業績寄与はあるものの、同社としては2027年6月期についてはブログウォッチャーとの合併検討も重点テーマとして進め、2027年1月目途の合併是非を判断する方針だ。また、2027年6月期の重点テーマの1つとして、顧客ポートフォリオに応じた顧客基盤の強化を掲げている。企業側のビッグデータ活用による分析・可視化に対する需要は引き続き強く、同社の安定的な収益の源泉である顧客基盤を、新規顧客の獲得により拡大しつつ、既存顧客の深耕・クロスセルによって積み上げ、顧客特性に応じた最適なアプローチを行うことで顧客の多様性に対応したサービス提供を行う。売上高は、リテールDX事業及びスマートシティ事業における分析・可視化サービスの成長を見込むほか、リテールメディア事業においても市場の急拡大を背景に案件が積み上がっており成長が期待できそうだ。各事業で大型案件が増加していることを背景に、同社は案件の計画的な受注と稼働に向けた提供体制の整備を図るとしており、それらの対応が業績予想達成のカギであると弊社では見ている。
3. 中期成長戦略の進捗状況
2023年9月、中期成長戦略として、2028年6月期の売上高100億円、2023年6月期から2028年6月期までの年平均成長率36%の目標を掲げた。進捗状況は、2024年6月期は前期比36.5%増の2,834百万円、2025年6月期は同31.4%増の3,726百万円、2026年6月期は同31.0%増の4,879百万円と堅調に推移している。なお、直近5年間における年平均成長率は44%を記録しており持続的な成長を維持している。2027年6月期は同社単体で同33%増を見込み、さらに成長を加速させる方針だ。利益面においても、営業利益は直近4年間の年平均成長率55%を達成し、直近2年間は営業利益率として8%台を維持するなど(2025年6月期8.4%、2026年6月期8.8%、いずれも単体)、売上高の成長と収益性改善を両立している。同社は現在ブログウォッチャーとの合併検討を進めているが、当初目標である同社単体での売上高100億円(2028年6月期)は維持している。なおグループとしての中長期的な成長の方向性は、合併の検討結果を踏まえて2027年6月期下期を目途に開示する予定である。
■Key Points
・2026年6月期は売上高及び最終利益を除く利益面で2ケタ成長と好調
・2027年6月期は売上高・利益ともに引き続き高成長を見込む
・子会社化したブログウォッチャーとの合併を検討。両社の強みを統合し、さらなる成長を目指す
・ブログウォッチャーの合併検討に伴い、新たな中長期成長戦略を策定予定
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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