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理論株価に追いつき追い越した日経平均、今後の行方は?(10/25)=日暮昭

当マガジンは日経平均の妥当な水準として統計的処理で求めた理論株価をもとに、足元の相場の位置づけを評価する材料を提供するものです。原則として日経平均と理論株価の位置関係を示すグラフと表に若干のコメントを合せて毎週1回配信いたします。皆様のより良い投資成果のための一助にして頂ければ幸いです。
※「理論株価」についてはこちらをご覧ください。(『投資の視点』日暮昭)

プロフィール:日暮昭(ひぐらしあきら)
日本経済新聞社でデータベースに基づく証券分析サービスの開発に従事。ポートフォリオ分析システム、各種の日経株価指数、年金評価サービスの開発を担当。インテリジェント・インフォメーション・サービス代表。統計を用いた客観的な投資判断のための市場・銘柄分析を得意とする。

日経平均株価、10/24大引け時点の理論株価は1万7157円に

理論株価に追いついた日経平均、今後のシナリオは

日経平均は10月20日に理論株価に追いつきました。理論株価と水準がそろったことで、日経平均はいわばニュートラルの位置に戻ったわけで、今後の環境変化によって日経平均の位置取りがどうなるのか、理論株価を基に占ってみましょう。

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下図は実質的に理論株価が新年度入りした6月1日から直近の10月21日までの日経平均、理論株価と通常変動の上側と下側、および変動の下限を示したグラフです。それぞれの指標にある数値は10月21日の値です。

日経平均、理論株価と変動の変異
2016.6.1~2016.10.21

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日経平均はBREXITショックによる6月24日の急落の後、反発して通常変動の範囲内に戻し、直近の10月21日には1万7184円と理論株価の1万7160円とほぼ同水準となりました。スタート台が同じになったことで、今後の相場環境の変化に対応する日経平均の位置取りを理論株価で押さえてみましょう

ここで、相場環境としては理論株価の決定要因である米ドルレートと予想EPSに絞り、これらの要因の変化に対応する理論株価を求めます。足元の各指標は、米ドルが104円12銭、予想EPSが137円38銭です。

ここでは、環境の変化として以下の2つの場合を考えます。

(1)相場が上昇するケース:業績が5%程度上振れして144円、米ドルが約5円上昇して109円となる。
=>理論株価は1万8154円(※)

(2)相場が下落するケース:業績が5%程度下振れして130円、米ドルが約5円円高になり再び100円を切り99円となる。
=>理論株価は1万6085円(※)

※理論株価は以下の式に予想EPSと米ドルレートを当てはめて求めます。 詳しくはこちらをご覧ください。

日経平均の理論値=-3756+74.1*【予想EPS】+103.1*【米ドルレート】

これは、上図からそれぞれ通常変動の上側(1万7940円)と下側(1万6145円)に近い値となります。逆に言うと、業績、為替の水準が上の各ケースの範囲に収まるのであれば日経平均は通常変動の範囲に収まることになり静観が一つの戦略となることを示唆しています。

Next: 詳細グラフ:理論株価の推移/変動範囲の上限・下限/直近5日かい離率

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