4月18日付けレポートで紹介したHEROZ(4382)が先週末に新規上場となったが、金曜日そして本日と2日間買い気配が続き、いまだに初値が形成されていない。
AI関連企業ということである程度人気が集中することは予想されたが、新規に発行された株式数が少なすぎたこと、また経営陣を含めた既存の株主からの売り出しが全くなかったことにより、このような状況になってしまったと考えることが出来る。
公募価格が4,500円であったHEROZの本日の最終気配値は23,810円と、既に公募価格の約5.9倍。しかし、そこまで気配値を切り上げても売りものが出てこない。それもそのはずで、新規に発行された株式総数はわずか172,200株のみ。IPO株を手にした投資家が全員売りにまわったとしても、初値形成まではそれだけの株しか市場に出てこない。
個人投資家を中心とした、値動きの良さ目当ての買いが控えられることが望ましいが、現在の市場環境からこのようになることはある程度想定出来たはずである。
繰り返しになるが、公募時点での時価総額が約150億円規模だったにも関わらず、調達金額が約8億円弱と、極めて少なかったことに尽きる。経営陣にとっては価格が上昇した段階で売却し、また増資を行った方がメリットの大きいことは明白ではあるものの、ある程度の妥協点は探るべきであったのではないか。その舵取りを出来なかった主幹事証券にも責任はあると考える。
4月18日の時点では「注目」として取り上げたが、明日以降の初値形成後は下値リスクの方が大きくなったと考えている。
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