誰もが気になる老後の生活費用ですが、介護が必要になった場合についてまで考慮している人はあまりいません。話題になった2,000万円では足りず、3,000万円は必要になると考えておくべきでしょう。(『教育貧困にならないために』川畑明美)
ファイナンシャルプランナー。2人の子どもと夫婦の4人暮らし。子育てをしながらフルタイムで働く傍ら、投資信託の積立投資で2,000万円の資産を構築。2013年にファイナンシャルプランナー資格を取得。雑誌を中心に執筆活動を行う一方、積立投資の選び方と積立設定までをマンツーマンで教える家計のコーチング・サービスを展開している。
「介護費用を準備していない」が約7割
老後の生活費について心配している方は多いのですが、「介護費用」について考えている方はとても少ないです。
相談を受けていても感じますが、メットライフ生命が調査した結果でも明らかになっています。
「老後を変える全国47都道府県大調査」によると、約7割の人が「自らの介護費用の準備をしてない」と回答しているのです。
一方、自分自身や配偶者の介護に不安を感じている人が7割を超えています。不安に感じているが、準備ができていない状態なのです。
※参考:老後を変える全国47都道府県大調査|#老後を変える – メットライフ生命
介護費用は1人あたり500万円
では、実際に「介護費用」はどのくらい必要なのでしょうか?
生命保険文化センターの調査によると、介護期間は平均4年7カ月となっています。
同調査では、費用も調べていて、住宅改造や介護用ベッドの購入などの一時費用の合計が平均69万円、月々の費用が平均7.8万円となっています。
※参考:介護にはどれくらいの年数・費用がかかる?|リスクに備えるための生活設計|ひと目でわかる生活設計情報 – 公益財団法人 生命保険文化センター
この調査の結果だと498万円必要となります。夫婦2人分と考えると1,000万円ほどかかります。
老後2,000万円問題で、浮き彫りになったのは生活費の不足分です。さらに別途、「介護費用」が1,000万円必要となるのです。
もちろん、介護状態にならずに亡くなる人もいますが、不安に感じているのでしたら、現役時代に準備をしないと間に合わない金額です。
ただし、この金額は、あくまで平均です。
Next: 「高額介護サービス費」制度で払い戻しが受けられる。注意事項は?