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徴用工「日本への求償権放棄」は4年後に撤回?韓国左派の救いなき“反日路線”は袋小路へ=勝又壽良

韓国ユン大統領が3月16~17日に訪日。日韓関係のトゲであった旧徴用工賠償問題について、韓国政府の責任で判決を履行し、日本への求償権を放棄すると決定した。しかし韓国左派は、今回のユン政権による旧徴用工賠償問題解決策をあくまでも否定する。4年後の大統領選で左派が政権を取れば、旧日韓慰安婦合意の「破棄」同様の事態になるだろうか。(『 勝又壽良の経済時評 勝又壽良の経済時評 』勝又壽良)

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プロフィール:勝又壽良(かつまた ひさよし)
元『週刊東洋経済』編集長。静岡県出身。横浜市立大学商学部卒。経済学博士。1961年4月、東洋経済新報社編集局入社。週刊東洋経済編集長、取締役編集局長、主幹を経て退社。東海大学教養学部教授、教養学部長を歴任して独立。

韓国ユン大統領「訪日」で関係改善へ

韓国ユン大統領は、3月16~17日に訪日した。韓国大統領が、単独訪日したのは12年ぶりである。隣国でありながら、このように日韓首脳の交流がなかったのは、異常な状態であった。ユン氏は、この日韓の閉塞状況を打破すべく来日した。

日韓関係のトゲであった旧徴用工賠償問題は、韓国政府の責任で判決を履行し、日本への求償権を放棄すると決定した。こうして、日韓の難題が解決したことで、日韓首脳の相互訪問を頻繁に行う予定である。韓国国内では、旧徴用工賠償問題解決に対して、国論を二分する反対論が繰り広げられている。

左派は、最大野党「共に民主党」代表の李在明氏が、在宅起訴される事態に危機感を強め、これをカムフラージュすべく「日韓合意」へ煽動的な反発を行なっている。日本が謝罪しないことで「反日」を煽り、自らの疑惑隠しに利用しているのだ。韓国国民が、この個人的な戦略にどこまで乗せられるかである。

仮に、日韓慰安婦合意が文政権によって破棄されたように、4年後の大統領選で左派が政権へ復帰すれば、再び同じことをするのか関心が集まる。この問題は、最後に考えることにしたい。

なぜ韓国左派は執拗なまでに日本に謝罪を求める?

韓国左派が、執拗なまでに日本へ謝罪を求めるのは、底流に日本への恐怖があることは間違いない。

韓国左派は、イデオロギー的に言えばリベラリズムでない。民族主義である。中朝へ限りない親和性を持つ集団である。それゆえ、資本主義的な自由と競争の概念に馴染まないのだ。この延長で、日本に対しても限りない敵意と恐怖を持っている。

このことから何が起こるか。日本へは絶えず謝罪を求め、安心感を得ようとしているのであろう。

「幽霊の正体見たり枯れ尾花」という言葉がある。怖い怖いと思っていると、枯れ尾花が幽霊に見えるという喩えだ。韓国左派は、日本が怖い怖いと思っている。だから、二言目には「謝罪せよ」と言って安心感を得たいのだろう。日本が、こうした韓国の幼児的心理状況にまともに付合うと期待するのは間違いである。

日本は、これまでにどれだけ謝罪してきたかだ。旧植民地で、韓国ほど旧宗主国へ謝罪を要求する国はない。韓国が、自主的に過去を清算しない限り、「幽霊の正体見たり枯れ尾花」は続く。

ユン政権は今回、旧徴用工賠償問題を国内問題として処理することに決めた、それは、自主的に日本との過去を清算する意思を内外に鮮明にしたことだ。韓国は、日本と対等の意識で未来を語れる足場を築けるのだ。これによって、韓国は安全保障や企業間の協力で、日本と安定した関係を築ければ、大きな利益が得られるであろう。

Next: 「過去よりも未来」へと視点を移す日韓。若者を中心に関係改善へ

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