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IIF Research Memo(6):セントワークスの取得により大幅増収。好調な事業環境を背景に業績が順調に伸長

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■インターネットインフィニティー<6545>の業績動向

1. 2026年3月期中間期の業績概要
2026年3月期中間期の連結業績は、売上高が前年同期比12.5%増の2,946百万円、営業利益が同9.2%減の203百万円、経常利益が同1.5%増の231百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同5.4%減の135百万円となった。セントワークスのグループイン効果により売上が増加した一方、第1四半期に発生した一時費用が利益を圧迫し、営業利益は前年同期比では減益となった。ただし、四半期別に見れば、第2四半期の営業利益は前四半期比で大幅に改善しており、利益水準は回復基調にあると判断できる。レコードブック事業では、直営・FCとも稼働率が高水準で推移し、安定的な成長を続けている。アクティブライフ事業では、フルケア及びカンケイ舎の既存事業が堅調である一方、正光技建では構造改革の影響で売上・費用が縮小しつつも、費用削減効果の浸透により赤字幅が改善している。DXソリューション事業では、セントワークスの事業を取り込んだことで新領域として再定義され、特に仕事と介護の両立支援が法改正の追い風を受けて利用企業数を伸ばしている。通期見通しに対してはおおむね計画どおりの進捗であり、通期業績予想達成の蓋然性は高いと弊社では見ている。

セグメント別の業績は以下のとおりである。

(1) ヘルスケアソリューション事業
ヘルスケアソリューション事業の売上高は前年同期比18.1%増の2,122百万円、営業利益は同15.7%増の304百万円となった。

a) レコードブック事業
レコードブック事業の売上高は前年同期比3.0%増の951百万円、営業利益は同14.6%増の220百万円となった。直営店では各店舗の稼働率向上が進み、売上・営業利益ともに増加した。FCも既存店の稼働率改善に加えて店舗数増加が寄与し、ロイヤルティ収入が前年同期比で増加した。利用者数は継続して増勢を維持し、2025年7月には月間利用者数が22,000人を超えるなど、需要の着実な拡大が確認できる。上期の新規出店数は5店舗にとどまったが、下期には一定の回復が見込まれ、通期では前期並みの出店数に達する見通しである。構造的に物件需要が高まるなかで、物件選定の長期化が課題となっており、物価や家賃相場が上昇するなかで、候補物件が見つかっても契約条件が折り合わないケースが増えている。このため、物件選定基準については一部条件緩和を進めていく方針であり、新規出店ペースの回復が期待される。

b) アクティブライフ事業
アクティブライフ事業の売上高は前年同期比10.1%減の640百万円、営業利益は同24.3%減の28百万円となった。フルケアでは各営業所が順調に推移し、前年同期比で売上・利益とも増加した。カンケイ舎も同様に基盤収益が安定しており、既存事業の底堅さが確認できる。一方、正光技建では構造改革が進行中であり、売上・費用がともに減少している。費用削減効果が第2四半期から顕在化しつつあるものの、引き続き収益改善に注力する方針である。足元ではフルケアの顧客基盤に対して営業活動を展開しており、徐々に案件が形になり始めている。構造改革を経た来期以降の収益寄与が期待される。

c) DXソリューション事業
DXソリューション事業の売上高は前年同期比228.6%増の529百万円、営業利益は同66.7%増の55百万円となった。仕事と介護の両立支援サービスは、2025年4月の育児・介護休業法改正を受けて需要が拡大し、上期には18社に対してサービス提供を開始した。7月には「わかるかいごBiz」の掲示板機能が拡充され、24時間相談対応が可能になった。日立グループ5社、東京ガス不動産グループ3社、伊藤忠グループ2社など大手企業を含む幅広い顧客への導入が進んでいる。同サービスは短期的に需要が増減する性質ではないことから、社会的ニーズの高まりを背景に継続的な成長が続く見通しであり、来期以降も今期並みか、それ以上の積み上げが期待できる。システムソリューションではセントワークスの事業が新たに加わり、売上が大幅に増加した。セントワークスは2025年4月にM&Aによって取得して間もないが、中間期終了時点ではPMIを計画どおり進めている状況であり、業績もおおむね計画線上で推移している。セントワークス単体の事業のみならず、プロダクトや顧客基盤を活用した新規事業立ち上げのスピード加速が次の成長のカギになると弊社では見ている。

(2) 在宅サービス事業
在宅サービス事業の売上高は前年同期比0.3%増の824百万円、営業利益は同5.6%減の186百万円となった。施設介護は2施設のうち1施設で空室が続き、売上・利益ともに前年同期比で減少した。訪問介護ではサービス提供責任者の人員が回復し、提供体制が強化された結果、売上・利益ともに増加した。通所介護では処遇改善加算Iの要件を満たしたことで加算率が上昇し、売上増加につながった。採用状況は足元で改善傾向が続いており、社会全体で賃上げが進むなか、同社においても人事制度改革、インセンティブ導入、賃上げ、評価制度改革等を推進してきたことが奏功し、主要ポジションが徐々に充足してきている。

2. 財務状況と経営指標
2026年3月期中間期末の総資産は前期末比92百万円増の4,421百万円となった。このうち流動資産は同489百万円減の2,817百万円となった。これは主に、受取手形及び売掛金が92百万円増加した一方で、セントワークス株式取得の影響により現金及び預金が657百万円減少したことによる。固定資産は、有形固定資産が50百万円、無形固定資産が475百万円、投資その他の資産が55百万円それぞれ増加したことにより、同581百万円増の1,604百万円となった。負債合計は同112百万円増の2,794百万円となった。このうち流動負債は、預り金が67百万円、未払法人税等が27百万円、買掛金が16百万円それぞれ増加したことにより、同107百万円増の2,073百万円となった。固定負債は、連結子会社の増加に伴い、新たに退職給付に係る負債を60百万円計上した一方で、長期借入金が55百万円減少したことなどにより、同4百万円増の720百万円となった。純資産は、自己株式が90百万円増加した一方で、親会社株主に帰属する中間純利益の計上等により利益剰余金が70百万円増加したことなどにより、同19百万円減の1,627百万円となった。これらの結果、自己資本比率は同1.2ポイント下落の36.8%となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)
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