今回は、激動の2025年相場を振り返り、それを踏まえた2026年の投資方針について詳しく解説します。新年の投資計画を立てる際の参考にしてください。(『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』栫井駿介)
プロフィール:栫井駿介(かこいしゅんすけ)
株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県立鶴丸高校、東京大学経済学部卒業。大手証券会社にて投資銀行業務に従事した後、2016年に独立しつばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト第2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラムにてMBA取得。
2025年の振り返り:日経平均5万円突破とAI・半導体ブーム
2025年の株式市場は、全体として大きく上昇した1年でした。
- 日経平均株価の快進撃:
- 市場を牽引したセクター:
- 中小型株の苦戦:
10月末には52,411円という史上最高値を記録しました。
大型株やAI・半導体関連銘柄が相場を押し上げました。また、金利上昇を背景に銀行株などの金融セクターも大きく上昇しました。
一方で、中小型株にとっては厳しい状況が続きました。業績が悪くない企業であっても、金利上昇への懸念や大型株に資金が集中したことで、見過ごされる傾向にありました。
2025年の重大ニュース:トランプ関税と「暴落での買い」
2025年のマーケットで最大の衝撃だったのは、4月に発表されたトランプ大統領による相互関税のニュースです。
<暴落を呼び水とした上昇>
4月7日、トランプ氏の関税発表を受けて日経平均はわずか3営業日で4,500円以上も下落しました。しかし、この下落は結果としてその後の上昇の「呼び水」となりました。
投資家の間では、下落したタイミングで購入する「バイ・ザ・ディップ(Buy the Dip:下落を買う)」戦略が浸透しており、売りが一巡した後は買い手が優勢となる展開が続きました。これには、ジョージ・ソロス氏が提唱した「再帰性理論」、つまり「上がり続ける株がさらなる買いを呼び込む」という正のフィードバック効果も働いていたと考えられます。
AI・データセンター投資の拡大と「電力不足」という新たな課題
2025年は、まさに「AIの年」でした。ソフトバンクグループや米オラクルなどが、78兆円規模の「スターゲート計画」(大規模データセンター建設)を発表するなど、巨額の投資が相次ぎました。
<広がる裾野(インフラ・電力関連)>
AIへの投資は、単なる半導体(NVIDIAなど)に留まらず、広大な裾野を持っています。
- 建設・部材:
- 電力・重電:
データセンター建設に必要なセメントや、藤倉コンポジットのような光ファイバー関連製品が好調でした。
データセンターを動かすための膨大な電力需要から、日立製作所や三菱重工業(ガスタービン発電設備など)の株価が急上昇しました。
<AIの勝ち組・負け組>
AI開発の最前線では、当初リードしていたOpenAIに対し、自社で潤沢な資金を持ちTPU(自社製半導体)やクラウド基盤を保有するGoogle(Alphabet)の強さが際立つ1年でもありました。
Next: 2026年はどうなる?長期投資家が備えるべきこと