2026年2月16日に発表された、株式会社ガイアックス2025年12月期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。
当社事業概要
上田祐司氏(以下、上田):株式会社ガイアックス代表執行役社長の上田です。よろしくお願いします。
当社の事業概要についてです。ソーシャルメディアサービス事業は、基本的にBtoBビジネスであり、SNSを中心とした運用、コンサルティング、開発などを行う事業です。
インキュベーション事業は、新規事業として連結内で展開するビジネスや、最近では「スタートアップスタジオ」の運営といった分野が含まれます。また、連結外では投資先企業への投資を行い、収益としては株式売却益を取り込む形で展開している2つの事業があります。
ソーシャルメディアサービス事業

ソーシャルメディアサービス事業のハイライトについてご説明します。統合型マーケティングの取り組みが現在加速しており、当初はSNS運用代行のみでしたが、さまざまな分野のマーケティングや、異なるSNSプラットフォームの活用を行っています。当社は、これらの分野で長い経験を有しています。
また、プラットフォーム上で多彩な機能を提供しており、ナショナルクライアントを中心に、引き続き安定した受注を積み重ねています。
2025年12月期 第4四半期:ソーシャルメディアサービス事業

当社の連結子会社にCREAVEがあります。こちらはもともと買収した会社と統合し、現在の社名であるCREAVEとなっており、多くのクリエイターを抱えています。
当社が行っていた戦略設計の部分と、CREAVEのクリエイティブ制作力を組み合わせて活用しながら、サービスラインナップを拡充し売上を計上しています。
2025年12月期 第4四半期:ソーシャルメディアサービス事業 ショートドラマ事業への取り組み

CREAVEには多くのクリエイターが所属しているため、昨今伸びているショートドラマの分野に対しても、当社として資本を投入し、事業の拡大に取り組んでいます。
具体的には、オリジナルのショートドラマを制作し、「Instagram」や「TikTok」などで配信することでフォロワーを増やし、独自IP(知的財産)の育成・拡大に着手しています。
2025年12月期 第4四半期:ソーシャルメディアサービス事業 ショートドラマ事業の進捗

現在、提供している自社IPのバーチャルショートドラマ『本気出すのは明日から。“マジ明日”』です。こちらのチャンネルは、開始5ヶ月でSNSのフォロワー数が20万人、累計再生回数3億回を突破する規模まで順調に成長しています。
これまでは主にお客さまへノウハウを提供してきましたが、このように自社のIPで活動を展開しています。
このショートドラマは無料で配信しているため課金は行っていませんが、再生数が増えるほど企業からタイアップや「プロモーションの媒体として使いたい」といったお声をいただき、それにより収益を上げています。こちらのプロモーションプランの提供も開始しています。
2025年12月期 第4四半期:ソーシャルメディアサービス事業 テレビ東京と共同でショートドラマを制作・運営

こちらのスライドに示しているのは、テレビ東京と共同で新しいショートドラマを制作するプロジェクトを開始した事例です。
当社は、ソーシャルメディアの現代的な特性を捉えながら、ゼロからチャンネルを構築していく力があると自負しており、企業からも評価をいただいています。
2025年12月期 第4四半期:ソーシャルメディアサービス事業 HR領域でのM&Aによるサービス拡大

また、人材紹介やその周辺のサービスも提供しています。この分野における新しい動きについてご紹介します。
当社は、人材紹介会社向けコンサルティング事業を展開する株式会社Matkaの株式を取得し、子会社化しました。これまで取り組んできた事業に加え、この会社のノウハウを活用して事業を拡大していきたいと考えています。
インキュベーション事業

インキュベーション事業のハイライトについてご説明します。事業内容は先ほど簡単に触れましたが、スライドでお示ししたように、連結内で当社が行う事業と、連結外の投資先事業の2つに分かれています。
2025年12月期 第4四半期:インキュベーション事業(起業支援)

インキュベーション事業では、自治体からの起業支援を多数行っています。自社でもさまざまな起業家支援を行っていますが、各自治体から「そこまでノウハウがあるなら、うちの自治体でも実施してほしい」などのお声をいただき、多くの自治体で支援を実施しています。
加えて、スライドに記載のとおり、アントレプレナーシップ教育にも取り組んでいます。
具体的には、小学生、中学生、高校生、大学生、高専生といった学校に対して、授業を提供するビジネスを展開しています。この分野でも年々多くのお客さまが増加しています。
2025年12月期 第4四半期:インキュベーション事業(web3/DAO)

インキュベーション事業の一環として展開している別事業ですが、web3/DAO関連のビジネスにも現在力を入れています。「ぐんま山育DAO」の事例に続き、香川県三豊市で日本初の商店街DAOの立ち上げに協力しているところです。政府の地方創生・関係人口創出、ふるさと住民登録制度の取り組みを追い風にしていきたいと考えています。
2025年12月期 第4四半期:出資先動向

インキュベーション事業における、連結外の出資先の動向についてです。数多くの会社に出資していますが、その中からいくつかをハイライトしてピックアップしています。
株式会社TRUSTDOCKが展開するeKYCや、株式会社Planet LabsのDAOによる小口投資プロジェクトなどに取り組んでいます。
2025年12月期 第4四半期:出資先動向

他にも多くの会社に出資していますが、着実に成果を上げている会社も多くあります。
以上で、インキュベーション事業のハイライトについてのご説明を終わります。
2025年12月期 振り返り

流拓巳氏(以下、流):管理本部長の流です。ここからは決算内容についてご説明します。
2025年12月期の振り返りです。まず、連結業績については、売上高は34億9,800万円で、前年同期比3.7パーセント増加しました。また、営業損益は2億5,400万円で、前年同期比31.3パーセント減となっています。
続いて、セグメント別で見た業績です。ソーシャルメディアサービス事業の売上高は23億8,000万円、営業損益は2億2,600万円です。インキュベーション事業の売上高は11億2,500万円、営業損益は4億600万円となっています。
連結売上高の推移

連結売上高の推移はスライドのグラフにお示ししたとおりです。SNSマーケティングおよび企業支援業務の受注は堅調に推移しています。
一方で営業投資有価証券の売却額は前年と比較すると減少しています。連結売上高は4期連続で年間ベースで増加しており、このまま中期経営計画の達成に向けて、さらなる売上高の増加を目指していきます。
連結営業損益の推移

連結営業損益の推移についてはスライドのグラフのとおりです。今後の収益基盤強化に向けて先行投資を継続しています。
一方でポジティブな材料としては、ソーシャルメディアサービス事業の利益率向上や、一部営業投資有価証券の売却により利益額が増加しています。
2025年12月期 連結PL(前年同期 累計比較)

2025年12月期の連結損益計算書(PL)についてです。スライドの表の左側が2024年12月期、右側が2025年12月期を示しています。
売上高は堅調に増加する一方で、前年と比較して営業投資有価証券の売却額は減少しています。収益基盤の強化に向けた先行投資を継続した結果と併せて、減益の着地となりました。
2025年12月期 第4四半期 連結PL(四半期会計期間比較)

2025年12月期第4四半期の連結損益計算書(PL)です。スライドの表の左側半分が2024年12月期第4四半期(前年)との比較、右側が2025年12月期第3四半期(前期)との比較となっています。
2025年12月期第4四半期の売上高は、前年比・前期比ともに増加しています。
2025年12月期 第4四半期 連結B/S

2025年12月期第4四半期連結のB/Sです。細かい項目はスライド右側の表に記載のとおりです。変動が大きかった部分では、売却および一部減損損失の計上により、営業投資有価証券の残高が減少しました。
ソーシャルメディア サービス事業 連結売上高の推移

ここからは事業グループ別業績について説明します。
ソーシャルメディアサービス事業の連結売上高の推移についてはスライドのグラフに記載のとおりです。SNSマーケティングの受注が引き続き堅調で、売上は増加傾向で推移しています。
ソーシャルメディア サービス事業 連結営業損益の推移

ソーシャルメディアサービス事業における連結営業損益の推移についてご説明します。
売上が増加する一方で、収益基盤の強化に向けた投資を積極的に行っており、特にショートドラマ事業や、HR領域における複数のサービスで先行投資を行っています。
インキュベーション領域での投資活動や新規事業活動だけでなく、ソーシャルメディアサービス事業部においても、着実に業績を向上させるための新たな事業やチャレンジを積極的に行っており、これらの先行投資を継続することにより利益を押し下げる要因となっていますが、四半期ごとの数字を見ると、2025年第1四半期の5,300万円から第4四半期8,500万円へと着実に増加しており、利益率も改善傾向にあります。
インキュベーション事業 連結売上高の推移

インキュベーション事業の連結売上高の推移です。スタートアップ支援関連の自治体への売上を堅調に積み上げるとともに、一部の営業投資有価証券の売却も寄与した結果となっています。
インキュベーション事業 連結営業損益の推移

インキュベーション事業における連結営業損益の推移です。新規事業への先行投資を継続する一方で、営業投資有価証券の売却により利益額が増加した結果となっています。
2026年12月期 業績見通し

2026年12月期の業績見通しについては、スライドの表に記載のとおりです。左側が2025年12月期の実績、右側が2026年12月期の予想となっています。
ソーシャルメディアサービス事業に関しては、SNSやインフルエンサーマーケティング市場の成長を背景に、引き続きSNS統合支援やショート動画をはじめとしたクリエイティブ領域を強化し、売上の拡大を目指します。
新たに挑戦しているHR領域では、高付加価値なソリューションの創出に取り組み、新たなガイアックスの収益の柱とすることを目指しています。こちらにおいても、収益性向上と事業基盤の強化を図っていきます。
また、インキュベーション事業に関しては、政府のスタートアップ支援策を追い風に、引き続き自治体からの起業支援プログラムを受託しています。蓄積されたノウハウを活用して運営を標準化・効率化することで安定成長を目指しており、この数年間で支援件数も大幅に増加しています。そのため、利益率の向上やさらなる業績改善を図ります。
web3/DAO領域では、地方創生に資するDAO活用の先行事例開発に注力するため、短期的にはコストの先行が見込まれるものの、中長期的な成長基盤を構築していきます。
中期経営方針の進捗状況

中期経営方針の進捗状況についてご説明します。現在、中期経営方針に基づき、その業績目標の達成に向けた経営を行っています。
スライドの左側のグラフは売上高、右側は営業利益の進捗状況をお示ししています。それぞれ一番右側にある2027年が今回の中期経営方針における最終的目標です。2025年12月期の実績は、業績予想に対して売上高が6.0パーセント、営業利益が27.0パーセント上振れしている状態です。
中期経営方針における最終年度の2027年においても、このまま数字を達成できるように、今期も引き続き投資が必要な部分には投資を行い、利益率の改善も目指しています。
私からの説明は以上です。
注力している3領域

上田:ガイアックスの事業方針および中期経営方針についてご説明します。
現在、当社が注力している領域は、次の3つの分野です。1つ目は本業であるSNSを軸としたマーケティング支援の分野です。2つ目は、当社が多くのスタートアップを輩出しているノウハウを活かしたかたちでの「スタートアップスタジオ」です。3つ目がweb3/DAOです。
DAOの分野においては、地方創生や関係人口、最近ではふるさと住民登録制度、2拠点居住・多拠点居住などの文脈が非常に多く出てきています。こうした分野でDAOを有効活用することに注力しています。
ソーシャルメディアの運用・マーケティング支援

ソーシャルメディア運用・マーケティング支援についてです。当社は、統合的に比較・運用が可能なしっかりとした運営体制に加え、縦型動画や最新のクリエイティブ制作が可能な新しさを兼ね備えている会社として、多くの企業から支持をいただいています。このポジションを活かし、さらなる売上および利益の拡大を目指していきます。
ソーシャルメディアの運用・マーケティング支援

これまでのノウハウをさらに大量生産するべく、今後一層力を入れていきたいと考えています。
起業支援(スタートアップスタジオ)

「スタートアップスタジオ」については、自治体や民間企業からの案件受託やアントレプレナーシップ教育の授業の運営を実施しています。両分野ともに、これから引き続き伸びていくと見込んでいます。
DAOの立ち上げ支援・ツール提供

DAOについてです。当社は、この分野で業界をリードしている会社だと自負していますが、特に地方を盛り上げる分野により力を入れていきたいと考えています。
GAIAX BUSINESS MODEL

当社のビジネスモデルは、自社で事業を展開する「事業会社」としての側面と、投資を行いキャピタルゲインを得る「投資会社」としての側面の両方を持ち合わせています。
GAIAX BUSINESS MODEL

事業としては事業収益であるインカムゲインを目指し、投資会社としてはキャピタルゲインを得ることを目標としています。また、場合によっては社内事業がカーブアウトして投資先の会社となり、それが上場することによってキャピタルゲインを得るケースもあります。
このように、両方をハイブリッドで展開することで、それぞれの事業運営の有利な部分を活用していく方針です。
カーブアウト機能を活用した事業の成長加速

カーブアウト機能の具体的な活用方法についてです。当社では、他の提携企業からの出資を受けることで事業のさらなる成長が見込める場合や、一時的に当社の持分は減少することになりますが、ガイアックスが直接投資するよりも、外部から多額の資金を調達するほうが事業の成長によって当社の持分価値が向上すると見込まれる場合には、カーブアウトを実施する方針です。
カーブアウトオプション制度活用事例

こちらのスライドは、実際にカーブアウトを実施した企業の活用事例です。
事業会社と投資会社の「ハイブリッドモデル」

事業会社と投資会社の「ハイブリッドモデル」を引き続き追求し、独自の事業運営方式を提供することで、さらなるパフォーマンス向上を目指したいと考えています。
中期経営方針

中期経営方針についてご説明します。本業であるソーシャルメディアサービス事業では、営業利益率が大幅な向上を見込むものではありませんが、安定した成長率を維持しながら、一定の営業利益率を維持することを目指しています。
インキュベーション事業については、一時期は投資先行型の方針をとってきましたが、すでに一定数の投資を実行してきたことから、今後は投資の手を緩めるわけではないものの、コストコントロールをしながら安定的に収益を確保していく方向へシフトしています。
その結果として、連結売上・利益・配当については、安定成長と黒字を維持しつつ、継続的な配当が可能になるような中期経営方針を掲げています。
2023-2027年度 中期経営方針 業績目標

中期経営方針の5年目の目標としては、連結売上高40億円、営業利益6億円を掲げており、その達成に向けて取り組んでいる状況です。
株主還元方針

株主還元の方針については、現在5円の期末配当額を予定しています。説明は以上です。ありがとうございました。
質疑応答:ソーシャルメディアサービス事業の利益が2025年第4四半期に増加した背景について

司会者:「ソーシャルメディアサービス事業の利益が2025年第4四半期に増加した背景について教えてください」というご質問です。
流:事業紹介や業績発表の際にも触れましたが、現在ソーシャルメディアサービス事業において、もともと提供してきたSNS関連のマーケティングやコンサルティング事業に加え、ショートドラマ事業やHR領域の事業など、新たな収益基盤を構築しようと取り組んでいるところです。
このような取り組みの中で、サービス立ち上げ初期には、競争に勝つための専門人材の獲得や、案件獲得のための営業・マーケティング費用、さらに安定的なサービス運用を実現するためのセキュリティガバナンス体制の構築など、多くの先行投資が必要となります。
そのため、当初は利益が抑えられる状況となりますが、売上の拡大に伴い、これらの先行投資も回収され、利益も徐々に増加していくことを想定しています。現在はその想定どおり、利益も改善している段階にあります。
質疑応答:2026年通期の業績予想と2027年通期目標との差について

司会者:「2026年通期の業績予想と中期経営方針の最終年である2027年通期の目標に差があります。このあたりについてショートドラマ事業やHR領域も含めてご説明ください。」というご質問です。
上田:現在、2026年の営業利益予想は2億5,000万円、2027年の営業利益目標は6億円としています。
この背景としては、この中期経営方針を打ち出した際、直近のショートドラマ事業のようなマーケットの到来を予測していました。その後、さまざまな検討を重ねた結果、どのような投資を行えばどのようなリターンが得られるのかについて、かなり明確に把握できるようになりました。
そのため、2027年の営業利益6億円の達成に向けて、特にショートドラマ部門およびHR領域を中心に、2025年から2026年にかけて積極的に投資を行い、2027年には回収期に入る計画としています。なお、投資については2027年以降も手を緩めることなく進めていく考えです。
ショートドラマ事業に関しては、いくつかのビジネスモデルを試行してきました。具体的には、動画販売プラットフォームを活用し、当社が制作した動画1本の視聴代金として3,000円を支払う形式のサービスや、海外のプラットフォーマーへの販売を試みました。しかし、最もパフォーマンスが良かったのは、IPを構築していく取り組みであると考えています。
IPを開発した後、最初の1年間程度では投資額を回収しきることは困難です。しかし、フォロワー数が徐々に増加することで、1年経過するかしないかのタイミングで順調にいけば投資を回収し、その後は継続して利益を出し続けるチャンネルになると考えています。
現在、まだ1つのみですが、成功しているIP事例があります。この成功例をいかに拡大させるか、さらに第2、第3、第4のIPをどのように作り出すかが、まさに2026年から2027年にかけての重要なテーマであると考えています。
また、HR領域に関しては、当社はもともと複数のHR関連事業を展開しており、人材紹介などのビジネスを手掛けてきました。これまでこの分野でのノウハウを蓄積してきたこともあり、今回Matka社を買収しました。
このような買収によってラインナップを強化し、現在は事業体制の構築を進めている段階です。現状では費用が先行する状況ですが、来年から再来年にかけて収益化モードに移行すると見込んでいます。
中期経営方針に関わる利益の推移と、2つの事業に関する質問をいただきましたが、まさに2つの項目は密接に関わっており、今お伝えしたような営業利益の方針となっています。
