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グロービング Research Memo(4):JI型コンサルティングと、AIエージェントの開発を展開(2)

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■グロービング<277A>の事業概要

3. AI事業
同社は、コンサルティング事業を通じて蓄積してきた戦略立案、業務改革、DX推進などの高度なノウハウを「型化」し、クラウド型のプロダクト及びAIエージェントとして提供している。一般的なコンサルティングでは、ノウハウが支援側に蓄積されやすく、顧客側の自走が難しいという課題があるが、同社はこれをプロダクト化・AI化することで解決を図っている。AI活用については特定の独自AIに固執せず、進化の速い外部AI技術を柔軟に取り入れ価値向上につなげており、最先端のAI基盤や生成AIモデルの進化が同社プロダクトの能力向上に直結する仕組みを構築している。外部AIが高度化し、AIによる業務遂行の自律性が高まるにつれて、同社のプロダクトに組み込まれたノウハウや支援価値も併せて高まり、顧客の生産性が向上すると見られる。なお、同事業は2026年5月期第1四半期より、従来の「クラウドプロダクト事業」から「AI事業」へと名称変更した。コンサルティングノウハウを活用したクラウド型プロダクトの提供にとどまらず、事業の中核がコンサルタントの主要業務そのものを代替・高度化するAIエージェントの開発・提供へ進化した実態を、適切に外部に示すことを目的としている。

事業展開として、まずは経営インパクトの大きい領域を対象に、2023年に商用利用を開始した「セールススイート」、現在開発を進めている「スペンドインテリジェンススイート」を中核に据えている。「セールススイート」は、企業の営業生産性向上を目的としており、売上明細データを取り込むことで営業実績を可視化するほか、注力すべき顧客や適切なアプローチタイミングを提示し、導入後の事業ポテンシャルの予測を行う。「スペンドインテリジェンススイート」は、外部支出の最適化を目的としており、同社がこれまでに培ってきた分析手法やコスト削減ノウハウを実装し、サプライヤーの自動選定や金額交渉シナリオの生成、サプライヤー情報の自動収集・評価、不正検知などを通じて、調達・間接業務の高度化と効率化を実現する。

さらに、企画支援AIエージェント「グロービングくん」、会議・プロジェクト運営を支援する「AI議事コン」の開発も進めている。「グロービングくん」は、戦略・企画立案、戦術設計、資料作成、市場調査・分析など企画人材の役割を機能別のAIエージェントとして実装したインターフェースである。人が意思決定を担い、AIが分析・検討・アウトプット生成を担う協働型の仕組みである。「AI議事コン」は、プロジェクトマネジメント、タスク管理、会議準備・運営、関連データの収集までを一体的に支援するAIエージェントであり、会議の生産性を高める。これらを組み合わせることで、企画立案から実行管理までを一気通貫で支援し、ホワイトカラー業務の質とスピード向上が実現可能となる。

現在は大手クライアントと共同で、「スペンドインテリジェンススイート」「グロービングくん」「AI議事コン」のPoC及び要件定義を進めており、実運用を見据えた具体化に取り組んでいる。業務効率化にとどまらず、企業のコア業務をAIエージェント化する点に特徴があり、同社はホワイトカラー人材不足という社会課題の解決により、中長期的な付加価値創出を目指している。

AI活用とJI型コンサルティングにより低価格と高稼働率を両立

4. 競合
同社の主な競合は、McKinsey & Company, Inc.(マッキンゼー・アンド・カンパニー)、ボストン・コンサルティング・グループ、KEARNEY(カーニー。旧 A.T. Kearney)などの戦略コンサルティングファームである。

同社は高付加価値なシニアクラスのコンサルタントの構成比が高いものの、AIツールの活用などにより若手層のコンサルタントの工数を削減することで、競合他社と比べて安価な価格を実現している。また、競合他社が提供するコンサルティングサービスは、プロジェクトの更新のタイミングで次の契約開始までに数週間から1ヶ月程度の待機日数が発生することがあり、稼働率にロスが生じてしまうリスクがあるが、同社が提供しているJI型コンサルティングは顧客の内部まで関与するため、相対的に稼働率低下リスクが低く、コンサルタントを効率的に配置できる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林 拓馬)
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