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株式会社ヘッドウォータース:2025年12月期通期決算説明会文字起こし(8)

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ヘッドウォータース<4011>

ここからは、BBDイニシアティブ株式会社との合併についてお話しいたします。

まず、今回の経営統合にあたり、存続会社となるヘッドウォータース側の現状について、いくつかの論点や強み、弱みを整理しました。
強みとしましては、エンタープライズ領域における高度なAIソリューションの開発力が挙げられます。大企業側が要求するセキュリティレベルやAIの精度は非常に高いものです。例えば、中小企業向けのサービスであれば「精度90%で問題ない」とされるケースも多いのですが、我々が主戦場とする世界では「100%でなければならない」という厳しい要求に応えていかなければなりません。この「残りの10%」を埋めるためには相応の追加的な労力が必要となります。当社はこの困難な課題に取り組み、エンタープライズ向けの高精度なAIソリューションやAIエージェントを開発できる点に、大きな強みを持っています。 また、マイクロソフト社を中心とした強固なパートナーネットワークを有していることも、当社の重要なアドバンテージです。
一方で、弱みとしましては、中小企業領域への接点を持つための営業機能を有していないことが挙げられます。 もう一点は、BBD社が持っているようなプロダクト展開のノウハウです。SaaSをはじめとするプロダクトを構築し、それをスケールさせて収益化していく力、あるいは運用を通じてサービスをさらに洗練させていくといった知見については、我々は現時点では限定的であると認識しております。
一方、BBD社側の状況に目を向けますと、昨今、世界的に「SaaS is dead(SaaSの時代は終わる)」という言説が飛び交っています。「SaaSに代わってAIがすべてを代替する」といった発信をされる方も増えており、長期的な視点ではその通りかもしれません。 しかし、私はSaaSが死滅するわけではないと考えています。これからの形は「SaaS × AIエージェント」へと進化していくはずです。これまで人間が行っていた入力を、AIが自らデータベースから情報を取得して実行する。あるいは「データを出してほしい」と指示すれば、AIが自律的にクローリングして回答を提示する。このようにUI(ユーザーインターフェース)が簡略化され、AIがより自律的に動くことで、SaaSはより便利で高機能な「自律型エージェント」へと変わっていくというイメージです。
BBD社は、これまでのSaaSのあり方をあえて見直し、この「AIエージェント × SaaS」という新たなモデルに取り組もうとする姿勢を、元々の経営計画や戦略の中に掲げていました。 現在、SaaS自体の成長性に陰りが見え始めていることに対し、彼らは強い問題意識を持っていました。自らの成功モデルを否定して変革を断行することは非常に困難なことですが、彼らはまさにそこに取り組もうとしていたのです。
BBD社にはSaaSモデルにおける強みがある一方で、そこにAIエージェントを組み合わせようとした際、AI専門会社ではないため、高度なAI開発能力を十分には有していないという課題がありました。 しかし、彼らには膨大な中小企業領域へリーチできる営業ラインがあります。両社の資産やケイパビリティ(組織能力)を照らし合わせたとき、これらは「完全に補完関係にある」というのが私の第一印象でした。
これをどのように組み合わせれば、我々が完成を目指している「X-Tech FDE」の実現に近づけるのか。協議の中で議論を尽くした結果、この合併によって十分な成長余地が見込めると確信し、経営判断を下すに至りました。

今後のスケジュールですが、発表日が1月26日、BBD社の上場廃止予定日が4月28日、そして合併効力発生予定日が5月1日となっております。 当然ながら、当社の定時株主総会を3月後半に予定しており、そこで否決されれば本件は中止となります。株主の皆様の賛同が得られて初めて、計画通り進むこととなります。

合併比率は「1(当社)対 0.5(BBD社)」とし、ヘッドウォータースを存続会社とする形で統合となります。

この合併比率については、投資家の皆様から多くのご質問や疑問をいただく点かと思います。私自身、上場企業同士の合併は初めての経験であり、多角的な研究を重ねてまいりました。
手続きにあたっては、第三者機関であるファイナンシャル・アドバイザー(FA)を起用し、過去の膨大な合併事例やデータを精査いたしました。その上で、東京証券取引所からも適切であると判断されるよう、株主価値を毀損させないための厳格なプロセスを遵守しています。 この比率は、私やBBD社の経営陣が恣意的に決定できるものではありません。独自性を確保するため、第三者による特別委員会を立ち上げ、FAを交えて価格設定等の妥当性を慎重に検証いたしました。
今回の合併に際しましては、法務、税務、財務、そして事業の各領域において、両社に問題がないか、また当初の想定通りの形であるかを確認するため、入念なデューデリジェンスを実施いたしました。
これらは我々自身で行うのではなく、外部の専門家を起用し、第三者的な立場から客観的な情報を提示してもらっています。我々経営陣が直接関与すると、「合併を成立させたい」「新しい事業を推進したい」といった経営者としての主観が混入する恐れがあるためです。そうした主観を一切排除し、客観的なデータを確実なエビデンスとして残すことを最優先いたしました。第三者委員会が、過去の様々な事例を詳細に検証し、今回の合併に適した比率などの算出を行っています。
最終的な合併比率については、複数の算定方式が存在します。ここで重要なのは、私自身が当社の株式を保有している当事者であるため、客観性を担保する観点から、比率の決定に対して一切口出しをすることができないという点です。
算定の実務においては、DCF法(ディスカウント・キャッシュ・フロー法)や市場株価平均法などが用いられますが、上場企業同士の合併においては、一般的に市場株価法が主たる判断基準となるようです。
その算定プロセスとしては、市場株価法に基づいた一定の幅の中で合併比率が示されます。その範囲内のどこに最終的な数値を着地させるかを判断する際に、DCF法などによる評価が補完的に効力を発揮するという段取りを踏んで決定しております。

株式会社ヘッドウォータース:2025年12月期通期決算説明会文字起こし(9)に続く
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