中央倉庫<9319>は5月13日、2026年3月期連結決算を発表した。営業収益が前期比0.7%増の280.29億円、営業利益が同6.3%減の20.51億円、経常利益が同1.6%減の23.95億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同30.2%増の20.68億円となった。物流業界全体で貨物の荷動きが伸び悩み、人件費や事業コストが上昇する厳しい環境の中、積極的な新規顧客開拓により既存顧客の物量減少をカバーし、営業収益は増収を確保した。利益面では、人件費やシステム投資等に係る業務委託費の増加により営業利益・経常利益は減少したものの、前期に計上した投資有価証券評価損や関係会社株式売却損がなくなったこと、さらに政策保有株式の縮減に伴う投資有価証券売却益を計上したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は大幅な増益を記録した。
国内物流事業においては、営業収益が前期比0.1%増の225.16億円、セグメント利益が同1.1%減の25.33億円となった。コロナ禍以降、荷主側でも物流コスト上昇への理解が醸成されつつある中、同社は顧客数が多く多品種を扱う営業倉庫の特性を活かし、個別交渉を積み重ねて段階的な適正料金化を推進している。運送業ではトラックドライバー不足の影響が顕在化しているが、子会社の中倉陸運において樹脂専用のダンプアップトラクターやチルトアップトレーラーなど特殊車両の配備を積極的に進めている。これにより、従来の車両に比べて積載効率が大幅に向上し、工場のサイロへの直接搬入が可能となるなど、樹脂取扱シェアの高い同社において顧客から高い評価を得ており、順次導入を拡大している。
国際貨物事業においては、営業収益が前期比3.0%増の53.50億円、セグメント利益が同2.6%減の4.85億円となった。当期は国内リサイクルPET樹脂の価格高騰を背景に、メーカー側が海外バージン樹脂の輸入を選好する動きが見られたが、同社はその輸入手配および通関取扱数量を大幅に拡大させることで業績に貢献させた。その後、地政学リスクの顕在化に伴い海外からの流入が減少した局面でも、同社は輸入樹脂と国内リサイクル樹脂の双方を扱える強みを活かし、需要シフトへ柔軟に対応できる体制を維持している。梱包業では米国の通商政策の影響等から輸出向け梱包需要が一時的に減少したものの、顧客の事業戦略に寄り添った能動的な営業活動を継続し、新規案件の獲得に注力している。
不動産賃貸事業においては、営業収益が前期比1.1%増の3.60億円、セグメント利益が同0.1%増の1.53億円と堅調に推移した。共立メンテナンスが運営する宿泊施設「京都 梅小路 花伝抄」の賃貸収入が主体のセグメントであり、高い稼働率を維持している。また、2025年11月に開始した近隣のにぎわい施設「COJICCO」の賃貸も地域活性化に寄与しており、既存資産の有効活用による収益基盤の拡充が着実に進展している。
資本効率と株主還元の両立に向けた経営も加速している。直近のPBRは0.75倍へと大きく改善しており、継続的なIR活動を通じた認知向上が一定の成果を上げている。中期経営計画ではROE5%の目標を掲げており、適正料金化による利益向上や各種営業施策を組み合わせて達成を目指す方針である。また、愛知県あま市で建設が進む「名古屋営業所」は2027年1月末の完成に向けて順調に推移しており、稼働後は中京地区を基盤とする産業である自動車関連貨物や輸入化学品などを成長分野貨物と位置付け、多様な案件獲得を狙う。株主還元においては「累進配当」を基本方針とし、2026年3月期は年間38円、2027年3月期は42円への増配を予定しているほか、上限10億円の自己株式取得も並行して実施しており、市場の潮流に合わせた積極的な株主還元を継続していく姿勢を鮮明にしている。
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