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冨士ダイス Research Memo(5):中期経営計画の目標を修正したものの、重点施策は着実に進捗(1)

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■冨士ダイス<6167>の中期経営計画

1. 中期経営計画の概要
同社の「中期経営計画2026」(2025年3月期~2027年3月期)は、前中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)の成果と課題を踏まえ、同社が次の成長段階へ移行するための「企業体質の転換」と「成長領域の強化」を両輪に据えている。また、重点施策としては、「経営基盤の強化」「生産性向上・業務効率化」「海外事業の飛躍」「脱炭素・循環型社会への貢献」「新規事業の確立」の5つが中核となる。これらは単なる施策の羅列ではなく、企業全体の持続的成長を実現するための有機的な体系として設計されている。

なお、2027年3月期の連結数値目標として、売上高200億円、営業利益20億円、経常利益21億円、経常利益率10.5%、親会社株主に帰属する当期純利益15億円、ROE7.0%を掲げていたが、事業環境の変化を受けて、中期経営計画の売上高目標を26,000百万円とした一方、利益目標は営業利益は700百万円、経常利益は780百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は520百万円とする2027年3月期の会社計画値に修正した。

2. 重点施策の概要と進捗状況
中期経営計画に関して、利益目標が下方修正を余儀なくされる一方、5つの重点施策については、着実に進捗している。

(1) 経営基盤の強化
「経営基盤の強化」は本計画全体を支える基礎であり、サステナビリティ、品質保証、ブランド戦略、人材育成、コーポレート・ガバナンスといった企業の根幹機能を再構築する取り組みである。規模拡大や海外展開の進展に伴い企業経営の複雑性が増すなか、経営判断の迅速化と精度向上をねらいとしている。

進捗としては、2025年7月にグループ企業理念を改訂し、「超硬耐摩耗工具メーカー」から「世の中に感動体験を増やす企業」へと、自社の存在意義をより広く再定義した。これは単なるスローガン変更ではなく、海外展開、新技術領域への進出、人材ポートフォリオの再構築など、今後の事業ポートフォリオを方向付けるコンパスとして機能しつつある。

ガバナンスにおいては、監査等委員会設置会社への移行、品質保証本部の設置など、体制整備が着実に進展している。

さらに、2026年3月に新たなワークフローシステムの導入・運用を開始して、業務効率化を推進しているほか、2026年6月24日から会長・社長の代表取締役2名体制へ移行し、両名で役割分担を行いつつ、経営判断の質とスピード向上を図る。

(2) 生産性向上・業務効率化
「生産性向上・業務効率化」は、同社が長年蓄積してきた粉末冶金や超精密加工といったコア技術を、最新の生産技術と融合させ、装置産業的な生産体制へと高度化する施策である。各工場での自動化投資、加工ラインの最適化、CAD・CAM活用の高度化などを通じて、高精度加工と低コスト化の両立を図り、収益力の底上げを目指す。

自動化投資(1.6億円規模)は全案件の投資を完了しており、生産性向上・業務効率化の施策はほぼ予定どおり進捗している。省人化の具体的な取り組みとして、熊本製造所では、研磨加工作業に自動化ロボットを導入して2025年11月より本格稼働したほか、冶金工程の成形加工機に産業用ロボットを追加導入して2026年1月より本格稼働した。秦野工場では、研削加工に自動化ロボットを導入して2026年2月より本格稼働、岡山製造所では2025年5月より導入した自動床洗浄ロボットを2026年2月より他拠点に横展開している。このほか、秦野工場で2026年1月より本格稼働したプラグ製作工程の自動ろう付装置は、生産性向上だけでなく品質安定化も期待できる。また、自動化以外では、生産工程や焼結条件の見直し、治工具の改良等により、需要が高まっているバインダーレス合金の生産量を短期間で倍増するなど、工程全体の効率化も進展している。2027年3月期の取り組みとして、郡山製造所において100t自動プレスロボットを2026年8月に導入する予定であり、材料粉末の充填⇒圧粉成形⇒取出し整列を自動化する計画である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 古川 聖治)
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