「日高屋」を展開するハイデイ日高<7611>の2027年2月期第1四半期決算は、売上高・各利益がそろって四半期ベースで過去最高を更新した。注目すべきは、3月に実施した価格改定後も客数が増加し、「値上げしても客が離れない」という理想的な成長サイクルを維持している点だ。通期業績予想は据え置かれたものの、利益進捗は高水準で推移しており、中間決算での上方修正期待も高まりつつある。決算のポイントと今後の注目点を詳しく見ていく。(『 元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」 元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」 』澤田聖陽)
※本記事は有料メルマガ『元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」』2026年7月7日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:澤田聖陽(さわだ きよはる)
政治経済アナリスト。国際証券(現:三菱UFJモルガン・スタンレー証券)、松井証券を経て、ジャフコ、極東証券にて投資業務、投資銀行業務に従事。2013年にSAMURAI証券(旧AIP証券)の代表に就任。投資型クラウドファンディング事業を立ち上げ拡大させる。現在は、澤田コンサルティング事務所の代表として、コンサルティング事業を展開中。YouTubeチャンネルにて時事ニュース解説と株価見通しを発信している。
決算の総括:四半期ベースで過去最高益、価格改定後も客数が伸びた「勝ちパターン」の再確認
「日高屋」を全国展開するハイデイ日高は、2026年7月3日に2027年2月期第1四半期(2026年3~5月、1Q決算)の決算短信を開示した。
結論としては、売上高・営業利益・経常利益・当期純利益のすべてが四半期ベースで過去最高となる強い決算であり、しかも今年3月27日に実施した「定食類を中心とした価格改定(値上げ)」の後も客数が減らずに伸びているという、外食企業として理想的な進捗となった。
一方で、通期業績予想と配当予想は据え置きとなっており、原材料コストや人件費の上振れ余地を意識した保守的な運営姿勢がにじむ内容でもある。

ハイデイ日高<7611> 週足(SBI証券提供)
数字で見る第1四半期実績
第1四半期(3~5月)の非連結業績は次のとおりである。
項目:金額(前年同期比)
売上高:169億94百万円(+11.4%)
営業利益:21億14百万円(+13.0%)
経常利益:21億20百万円(+13.4%)
四半期純利益:14億36百万円(+13.4%)
売上・各段階利益ともに二桁増収増益で、いずれも「四半期ベースの過去最高額」を更新している。
上期(3~8月)計画の経常利益38億円に対する進捗率は55.8%で、5年平均の進捗ペースを上回っている。
増収の中身:新店・既存店・価格改定の3本柱
売上高11.4%増を分解すると、要因は大きく3つに整理できる。
- 新店効果
- 既存店の強さ
- 価格改定と季節販促
第1四半期中に新規出店2店舗(茨城県1店舗=ファッションクルーズひたちなか店、栃木県1店舗=鹿沼栄町店)と、閉店2店舗(南与野店、久我山駅前店)を実施した。純増はゼロだが、既存の新店群(前期出店分含む)の稼働がフル寄与しており、5月末時点の直営店舗数は日高屋440店舗・焼鳥日高28店舗・その他4店舗の計472店舗となっている。
既存店売上高は前年比105.2%と好調で、内訳は客数102.7%、客単価102.4%である。客数と客単価が同時に伸びるのは外食では珍しい理想的な形だ。会社側の月次公表ベースでは、売上高が39カ月連続、客数が32カ月連続で前年同月を上回っており、コロナ後の「日高屋回帰」トレンドが崩れていないことが確認できた。
3月27日に定食類を中心とした価格改定(実質値上げ)を実施したが、改定後も客数はむしろ増加した。加えて、3月27日~5月14日のアルコール値引きフェア、「黒酢しょうゆ冷し麺」などの季節メニュー、営業時間の延長、デリバリーキャンペーンといった販促・オペレーション施策が積み重なり、客数と客単価の同時上昇につながっている。
「中華そば390円据え置き+一部メニュー値上げ」というハイブリッド価格戦略は、値上げ疲れが指摘される外食業界の中で、日高屋の“庶民派ポジション”を維持しつつ客単価を積み上げる有効な打ち手として機能していると評価できる。
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