2026年8月10日に発表された、大崎電気工業株式会社2027年3月期第1四半期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。
2026年度 1Q決算ハイライト

上野隆一氏:大崎電気工業の上野です。本日は、当社決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。2026年度第1四半期の決算概要についてご説明します。
2026年度第1四半期決算のハイライトです。
ご覧のとおり、2026年度の第1四半期は、前年同期比で増収増益となり、かつ、売上高、営業利益とも第1四半期としては過去最高となりました。
増収増益につながった主な要因はご覧のとおりです。
四半期単位の売上高・営業利益期初予想は開示していませんが、売上高は概ね期初予想並み、営業利益は期初予想を若干上回る結果となりました。
なお、このタイミングでは、通期の業績予想は修正していません。
のちほどご説明しますが、国内ソリューション事業の回復時期の見極めや海外、特にオセアニアでこの第2四半期から市場投入している次世代スマートメーター「NEOS」の今後の拡大状況の見極めなどが必要との判断にもとづくものです。
2026年度 1Q業績(連結)

セグメント、サブセグメントに分解した連結業績です。主な増減要因については、次ページ以降でご説明します。
サブセグメント別実績 国内(製品・サービス別)

国内の状況です。
前年同期比、増収増益となっていますが、ソリューション事業における、電力会社さま以外のお客さま向けメーター、いわゆる市販メーターの販売低調が影響し、ソリューション事業の売上高が前年同期比でマイナスとなっています。
これは、主に盤メーカーさまからの需要が低調なことによるものですが、担当役員による主要なお客さま訪問の結果、多くのお客さまより、需要の回復は今期第3四半期後半ごろからとの見通しをいただいています。今後も需要動向を注視していきます。
また、配電盤事業については、前年度同様、電力会社向け、データセンターを中心とする産業向けともに堅調な需要が続いています。
サブセグメント別実績 海外(地域別)

海外事業です。
英国の前年同期比での減収が目立ちますが、これは政府主導の「スマートメータープロジェクト」のピークアウトによるもので、期初予想にはすでに反映しています。
一方、オセアニアは、昨年度発生したお客さまの在庫調整はほぼ解消したものの、2026年度より5ヶ年計画でスタートしたオーストラリア政府による「レガシーメーター更新計画」が、初年度スロースタートとなったことにより前年同期比で減収となっています。
このスロースタートの要因は、メーター設置会社により事情が異なりますが、本資料の13ページに記載しているメーター設置会社を例にとると、①設置作業員の習熟を高めながら段階的なメーター設置拡大を図る、②設置工事にかかるリソース、特に人材確保の制約から設置対象を限定することなどをスロースタートの理由として挙げています。
中東・アフリカは、昨年度末をもって同地域から事業撤退しましたが、撤退前の残契約にもとづく売上計上があり、ご覧のように前年同期比で増収となっています。
連結営業利益 増減要因

連結営業利益の前年同期比の増減要因分析です。
成長投資の増加や原材料・部材価格の上昇といった減益要因があったものの、増収効果や収益性向上による増益要因がそれを飲み込み、前年同期比で増益となっています。
国内 営業利益 増減要因

国内事業の営業利益増減要因です。
第2世代スマートメーターへの切り替えによる増収効果、収益性の向上や配電盤事業による増収効果などにより前年同期比増益となっています。
海外 営業利益 増減要因

海外事業の営業利益増減要因です。
オセアニア、英国での減収をアジア、中東・アフリカがカバーし、売上減による影響を最小化する一方、英国でのコスト削減の強化や中東・アフリカ案件が高利益率であったことなどが増益に寄与する構図となっています。
英国のコスト削減は、人件費などの販売管理費の削減を強化した結果であり、前年度との対比では通期でその効果が得られる一方、中東・アフリカ案件は一過性であり、増益効果は第2四半期までとなります。
成長投資は、米国での事業化検討費用が発生する一方、開発拠点の統廃合等による研究開発費の効率化などを反映し、ご覧の水準となっています。
原材料・部材価格上昇については、前年度調達済み部材の活用などによりこの第1四半期業績への影響は限定的となっています。
原材料・部材価格高騰の主な影響

原材料・部材価格高騰の影響です。
国内においては、営業利益ベースで約4.8億円の押し下げ影響が出ています。スマートメーターやVCTには多くの銅が使用されており、また、プラスチック、シンナー、塗料などの石油化学製品も生産には不可欠です。銅および石油化学製品の調達価格上昇は、損益影響が非常に大きいと認識しています。
銅、石油化学製品とも、今年5月の通期業績見通しの時点で一定の調達価格上昇は織り込んでいますが、ともに、前年同期を上回る高い水準で調達価格が推移しており、既存の調達先との交渉を重ねることで調達価格の適正化に努めています。
なお、現時点で、生産に影響が出るような調達困難は発生していません。
利益水準の維持・向上に向けては、原材料・部材価格上昇分の売価への転嫁が不可欠であると考えています。お客さまとのお取引条件を考慮しつつ、最大限の価格転嫁交渉または入札価格への反映を進めています。
サブセグメントの戦略と見通し①

サブセグメントごとに今期の事業戦略と見通しをまとめています。
国内スマートメーター事業は、安定した物量を期待できる収益基盤事業ですが、利益率の向上が課題であり、調達価格上昇分の価格転嫁や原価低減の取り組みを強化します。
右側の国内ソリューション事業は、拡販による売上拡大と価格転嫁が課題と認識しており、7月1日付で組織体制を見直し、担当執行役員による商材ごとの拡販・損益体制を強化しています。
サブセグメントの戦略と見通し②

国内配電盤事業は、データセンター需要の拡大やリプレイス案件の増などにより、高い水準の操業が続いています。好採算案件の選択受注などでさらなる利益率の向上を目指します。
右側は海外のオセアニア地域です。次世代のスマートメーター「NEOS」が今期第2四半期より市場投入されていますが、本格的な業績貢献は下期からを見込んでいます。
現行機種に比べ、高い収益性が期待できる一方、主戦場であるオーストラリア市場では、政府主導の「レガシーメーター更新計画」の初年度がスロースタートとなる見通しのため、今期および来期以降の受注確度と利益率改善を確かなものとするために、海外事業の責任者が、現在、オーストラリアのお客さまを順次訪問する取り組みを進めています。
サブセグメントの戦略と見通し③

英国はスマートメータープロジェクトがピークアウトする中、拡販によるシェア拡大に加え、利益率向上が課題であり、原価低減やコスト削減を強化しています。
アジアは、中国メーカーなどとの価格競争を回避し、利益率重視の受注戦略を継続しており、メーターとシステムのセット販売や産業用メーターの拡販に力を入れています。
米国市場への進出検討

米国市場への進出検討状況です。
地方電力会社が約3,000社存在する巨大な市場において、電力の計測・監視・制御に関するニーズは確実に高まっており、オセアニアでの高いシェアを支える開発力、営業力、品質を武器に米国市場への進出可能性を探っています。
昨年度には米国内に拠点も開設し、今期に入り、すでに複数の電力事業者と当社ソリューションを用いた実証実験に関する契約を締結しています。この下期からの実証実験開始に向け、準備を進めています。
今後の進展については、四半期決算のタイミングで進捗をご報告します。
海外の生産戦略(アセットライト型生産モデルへの移行)

7月28日に適時開示も行った海外の生産戦略です。
海外最大の市場であるオセアニア向けの製品は、海外事業を担うEDMI社のマレーシア生産子会社で生産していますが、今後の競争環境を見据え、EDMI社のリソースを競争優位を築く領域に集中させるため、生産機能を切り離し、世界的なEMSパートナーにその機能を委託することで、アセットライト型の生産モデルへの移行を進めます。
これにより、EDMI社がソリューション開発に経営資源を集中できるだけでなく、設備投資負担の軽減、資産圧縮、運転資本の最適化などに加え、現在分散している製造委託先をシコールグループに集約することによる原価低減など、PL、BS、CFのいずれにおいても改善を目指しています。
なお、本施策に伴う今期業績への影響は現在精査中です。
設備投資費・減価償却費・研究開発費

設備投資費、減価償却費、研究開発費です。
設備投資費は、第2世代スマートメーターの設備投資が2025年度にピークを迎えており、前年同期比で設備投資費が減少しています。
一方、減価償却費については第2世代スマートメーターに関する減価償却費が発生しています。主に1年償却の金型であるため、2026年度が減価償却費のピークとなる見通しです。
研究開発費については、国内事業における成長投資や米国進出に向けた実証実験費用を中心に計上したことで前年同期と概ね同水準となりました。
連結貸借対照表

連結の貸借対照表です。
国内外でキャッシュコンバージョンサイクルの改善に向けた取組みを進めていますが、海外における「棚卸資産削減プロジェクト」の成果がこの第1四半期においても引き続き表れています。
四半期ごとの売上高・営業利益推移

ご参考までに過去の四半期単位の売上高と営業利益の推移を掲載しています。
2026年度 通期業績見通し

この第1四半期の出足は順調でしたが、国内ソリューション事業の回復時期の見極めや海外、特にオセアニアで第2四半期から投入されている次世代スマートメーター「NEOS」の今後の拡大状況の見極めが必要との判断にもとづき、現時点では通期業績見通しの修正はしていません。
株主還元の強化(配当予想・自己株式取得)

配当方針ならびに配当予想に変更はありません。
2026年度の配当は、増配と特別配当を加味した2025年度の配当水準を維持する予想としています。併せて、現在、自己株式の取得も進めています。
株主還元の強化(株主優待制度の新設)

また、特に個人投資家のみなさまを念頭に、今期より株主優待制度を導入しています。概要を記載していますので、のちほどご覧ください。
なお、当社をより深くご理解いただくことを目的に25ページ以降に補足説明資料を付けていますので、あわせてご覧ください。
ご説明は以上です。ご清聴いただき誠にありがとうございました。
質疑応答(要旨)①
Q:2026年度第1四半期の営業利益が想定を若干上回った理由は何でしょうか? この状況は第2四半期以降も続く見込みですか?
A:国内のスマートメーター事業において、第2世代スマートメーターの出荷が拡大し、前年同期比で収益性が向上したことが寄与しており、この状況は通期で続くとみています。
一方、原材料・部材価格は依然として上昇基調にあり、銅価格は概ね期初想定の範囲内で推移しているものの、石油化学製品は期初想定を上回っています。これらを総合すると現時点では期初予想どおりの着地を見込んでいます。
質疑応答(要旨)②
Q:オセアニアの状況について、第2四半期から「NEOS」の販売割合が拡大するとの計画ですが、期初計画どおりでしょうか? 遅れはないですか?
A:次世代スマートメーター「NEOS」は、第2四半期からの販売拡大を見込んでいましたが、足元では計画に対して若干ずれ込んでおり、第3四半期から本格化する見通しです。
オーストラリア政府主導「レガシーメーター更新計画」のスロースタートが影響していますが、5年間の総物量に変更はないものの、2026年度の物量が若干後ろ倒しになる可能性もあるため、今期およびそれ以降の年間物量の確度を高め、収益性の向上を図るため、EDMI社のトップがオセアニアの主要顧客を訪問する取り組みを行っています。
質疑応答(要旨)③
Q:米国進出する際の競争優位性についてお聞かせください。
A:米国市場の大手電力事業者は、すでに大手スマートメーター企業がスマートメーターソリューションを提供していますが、当社がマーケティングを進める中で、地方の中小電力事業者を中心に、大手企業が提供するサービスや価格に必ずしも満足していない状況があることが明らかになりました。
当社はオセアニアで培った開発力・営業力・品質などを武器にこうした中小電力事業者のニーズを汲み取り、ソリューションを提供することで市場参入する考えです。
今下期から顧客との実証実験を段階的に開始し、当社ソリューションの活用可能性を具体的に検証します。
質疑応答(要旨)④
Q:中小規模の電力会社は、大手メーカーに対しどのような不満を持っているのでしょうか?
A:大手メーカーは大手電力事業者を念頭に、サービスをパッケージとして提供していますが、中小規模の事業者が抱えるさまざまな課題には十分対応しきれていません。個別のニーズに対応した柔軟なソリューション提供が求められています。
質疑応答(要旨)⑤
Q:ソリューション事業において盤メーカー向け需要が低調である理由は何でしょうか?
A:変圧器のトップランナー制度改定を受け、お客さまの生産がスローになっており、当社製品の納品が後ろ倒しとなっていることが主な要因です。
