2026年8月19日に発表された、株式会社シノプス2026年12月期第2四半期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。
目次
岡本数彦氏:みなさま、本日はお集まりいただき誠にありがとうございます。株式会社シノプス代表取締役社長の岡本数彦です。これより、2026年12月期第2四半期決算についてご報告します。
本日は、2026年12月期第2四半期の決算ハイライト、ビジネスハイライト、株主還元の3点についてご説明します。
経営指標の進捗状況

まずは、第2四半期の業績についてご報告します。主要な経営指標の進捗状況は、スライドに記載のとおりです。
食品スーパーのシェア率は前年比0.5ポイント増加し、契約社数も前年比で2社増加しており、着実に推移しています。第1四半期から第2四半期にかけて、大きな変動はありません。
既存ユーザーにおけるアップセルやクロスセルが順調に進んでおり、ARR、店舗数、アカウント数をご参照いただければおわかりになるように、クラウドサービスの売上高も順調に増加しています。また、NRRも100パーセント以上を維持しています。
2026年12月期 第2四半期実績

それでは、業績についてご説明します。
売上高は、既存のお客さまへのアップセルやクロスセルが進展し、クラウドを中心に、ストック売上高が18.2パーセント成長しました。一部の導入支援案件において、導入時期が下期以降にずれたため、導入支援売上は前年同期比で37.0パーセント減少しましたが、現時点では通期業績に大きな影響を及ぼすものではないと考えています。
営業利益は1億400万円となり、通期に対する進捗率は26.7パーセントです。これは、当初の想定どおりにおおむね推移しているとご理解いただければと思います。
AI活用により、業務の生産性が向上しています。今後もストック売上を中心に利益率を高めていけるよう、引き続き販管費のコントロールと製品改善に努めていきます。
ARR進捗

ARRは16億7,000万円の通期計画に対し、16億6,000万円まで積み上がっています。これは、第2四半期に既存顧客へのアップセルおよびクロスセルが大きく進展したためです。四半期ごとの伸びにはばらつきがあるものの、通期計画の達成に向けて着実に成長を維持しています。
売上高の状況

売上区分別の売上高について、スライド左側の第2四半期累計グラフをご覧ください。売上高合計は前年より0.4パーセント減少していますが、青色で示されているストック売上高は前年より1億3,000万円増加し、18.2パーセントの増加となっています。
新規事業である「DeCM-PF」もクラウド売上に含まれており、少しずつ計上を開始しています。売上全体に占めるストック売上比率は目標の70パーセントを上回る85.7パーセントとなり、今後の持続的な成長に向けた安定した基盤を築けています。
売上原価・販売費及び一般管理費の状況

費用についてご説明します。2026年はAI活用がさらに注目されており、当社でもAIを活用して全社的な効率化を進めています。特に、販管費を中心にコストコントロールを実現できています。
原価と販管費を合わせた営業費用は、右側のグラフに示すとおり、前年比8.6パーセント増の8億8,700万円にとどめました。当社の主要な費用である人件費は、2025年6月に112名だった人員が115名まで増えたものの、比較的増加ペースを抑えているため、横ばいとなっています。
通信費は、クラウドサービスの利用ユーザー増加や円安の影響によるAWS費用の増加が重なり、前年比28.5パーセントの増加となりました。製品改善によって円安の影響をある程度吸収できているものの、今後もクラウドサーバ利用料の抑制を徹底していきます。
また、事業拡大や業務改善のため、外注費が前年比37.9パーセント増加しましたが、これは一過性のものであると捉えていただければと思います。
原価抑制の重要な要素は、やはり人件費です。事業拡大を進める中で、社員一人ひとりが効率的に業務を遂行できるよう、アウトソーシングやAIを引き続き戦略的に活用していきます。
営業利益の状況

冒頭でお伝えしたとおり、営業利益は1億400万円、営業利益率は10.5パーセントとなりました。
通期目標である3億9,000万円に対する進捗率は26.7パーセントですが、こちらはおおむね当初計画どおりの進捗です。前年比では7,400万円減となっていますが、こちらは昨年のパッケージ売上高が一時的に大きかったことなどが影響しています。
営業利益については現時点で着実に進捗しており、今期中に特別な費用増を想定していません。引き続き売上をしっかりと確保し、通期目標である営業利益3億9,000万円の達成に向けて取り組んでいきます。
シェア率の状況

次に、シェア率と契約社数についてご説明します。食品スーパーのシェア率および契約社数については、第2四半期に大きな変動はありませんでした。
新規のお客さまへの提案を行いながら、既存のお客さまにはアップセル・クロスセルや、新規事業である「DeCM-PF」や「WLMS」を追加で提案できるよう、常にフォロー体制をブラッシュアップしています。
また、既存のお客さまへのアップセル・クロスセルが着実に進んでいることは、契約件数が前年比2,639件増加して2万件を突破したことからも、確認できるかと思います。
ARRの状況

ARRは前年比15.1パーセント増加し、16億6,600万円となりました。スライド右側にARR増減要因を示していますが、前年比ではクラウドの新規契約による1億3,000万円の増加に加え、既存顧客の製品追加やアップセルによる6,500万円の増加があり、クラウドサービスをメインに既存と新規の両輪で収益を拡大しています。
クラウド有償アカウント数の状況

クラウドのアカウント数は1万6,087アカウントと、大きく進展しました。こちらは、第2四半期における既存顧客のアップセルやクロスセルが主な要因です。
店舗当たりの平均アカウント数は、4.0アカウントの水準を維持しています。多いお客さまでは、1店舗当たり10アカウント、つまり10種類のクラウドサービスをご利用いただいているケースもあり、既存顧客にはまだ拡大余地が大きいと考えています。
引き続きお客さまへのフォローアップを継続し、サービスの追加導入を進めることで、1店舗当たりの価値の最大化を推進していきます。
NRRの状況

NRRも、100パーセント以上を維持しています。NRRの計算には新規導入を含めず、既存サービスの店舗展開と解約を比較しており、事業が安定的に成長していることがおわかりいただけるかと思います。
今後も既存のお客さまとの関係性を重視し、健全な成長を継続的に達成できるよう取り組んでいきます。
通期業績見通し

通期の業績予想は、売上高23億4,400万円、営業利益3億9,000万円となり、変更ありません。先ほどご説明したとおり、一部の導入支援案件に下期以降の期ずれがあったものの、通期計画の達成に向けておおむね当初予定どおり進捗しています。
ストック売上・ARR

ARRは16億7,000万円で、計画に変更はありません。これまでの成長率と比較するとやや保守的な数字となっていますが、これは既存ユーザーの企業統合やそれに伴う店舗数の変動、サービスの一部見直し等が発生する可能性を現時点で一定数織り込んでいるためです。
中期経営方針

次に、ビジネスハイライトについてご説明します。2026年から2028年の中期経営方針として、当社は「『既存事業の成長』に加え『DeCM』と『WLMS』に注力し、成長加速の核とする」ことを掲げています。
中期経営方針:売上成長イメージ

今期は、既存事業の深掘りと成長を着実に進めるとともに、「DeCM-PF」や「WLMS」などの新規事業の市場浸透を最優先で進める年となります。
また、2027年までは主力の「sinops-CLOUD」事業を中心に年15パーセントの売上成長を維持し、2028年を転換期と位置付け、新規事業を通じてARR成長率の再加速を目指します。
中期経営方針の実現に向けた3つの取り組み

中期経営方針の実現に向け、大きく3つの取り組みを掲げています。次のページから、それぞれのトピックを紹介します。
「DeCM-PF」を活用した取り組みが日本物流大賞受賞

新規事業「DeCM-PF」を活用した取り組みが、第1回日本物流大賞を受賞しました。
生活協同組合コープさっぽろにおいて、当社の需要予測AI「sinops-CLOUD」と「DeCM-PF」を連携させ、納品量を曜日ごとに平準化する取り組みを実施しました。
従来、曜日による需要変動や2便目の低い積載率が課題となっていました。そこで、自動発注による荷量のコントロールおよび配送体制の「1便化」に成功しました。その結果、トラックの積載率は93パーセントへと大幅に向上し、年間で約2万6,000時間の労働時間削減という高い成果を挙げました。
本取り組みは、物流の2024年問題や改正物流効率化法への有効な解決策として高く評価され、関連会社である北海道ロジサービス株式会社からも非常に高い評価をいただいています。
また、小売店の需要予測データを基盤とした荷量の平準化が物流現場の生産性を劇的に変えたことを、大賞受賞というかたちで認めていただけたことに感謝しています。
今後は、対象カテゴリを定番品だけでなく、特売品や卸向けの発注へと広げるとともに、伊藤忠商事さまとのパートナーシップのもと、「DeCM-PF」の展開を加速していきます。
1.ARRへの貢献:(2)新規事業の構築:「WLMS」

新規事業「WLMS」では、今年1月にWLMS推進部を新設し、2028年の本格展開に向けた土台構築に取り組んできました。
詳細な取り組み内容や成果については、プレスリリースなどでご紹介できるまでは言及を控えますが、ターゲットとなるお客さまへの導入事例や事業利用の実績が徐々に積み上がってきています。
一部先行導入いただいたお客さまにおいて、数社で効果検証を進めています。この成功事例の創出と収益化への取り組みを加速させていきます。
2.生産性の向上 – 3.顧客サクセス

クラウドの新サービスとして、AI自動納品についてご紹介します。今年4月に、クラフトビールの流通プラットフォームを運営するBrewtope株式会社と業務提携し、5月から「AIクラフトビール自動改廃・自動納品サービス」のテストマーケティングを開始しています。
このサービスは、小売店におけるクラフトビールの商品選定、発注、納品に加え、商品レビューやPOS実績に基づく商品改廃までを完全に自動化するものです。店舗側は、送られてきたビールを棚に陳列するだけで済む仕組みになっています。
ここまでは第1四半期の決算発表でもご紹介しましたが、このAI自動納品は非常に高い評価をいただいており、お客さまへの付加価値向上の可能性を強く感じています。
現場起点で顧客サクセスを追求し、新サービスとしてご提案できるよう、対象カテゴリや対象業界の拡大、サービスのブラッシュアップに引き続き取り組んでいきます。
株主還元の充足

最後に、株主還元についてご説明します。株主のみなさまへの還元方針に、変更はありません。配当性向40パーセントを目安に、継続して配当を行います。
中間配当は、当初計画どおり8円を実施しました。期末配当は、9円を予定しています。これに伴い、前年から1円増配となる年間17円の配当となり、4期連続の増配を実現する見込みです。
今後も株主のみなさまのご期待に応えられるよう、安定的な株主還元を目指していきます。
質疑応答:第2四半期におけるクラウド有償アカウント増加について

「第2四半期では有償アカウント数、有償店舗数が第1四半期から大きく増加していますが、この急増はどのような要因によるものでしょうか? 新規顧客の獲得、既存顧客における導入店舗の拡大、パッケージ版からクラウド版への移行など、それぞれがどの程度寄与したのか、可能な範囲で教えてください。
また、今回の増加は一時的な大型案件によるものでしょうか? それとも、今後も同様のペースで拡大する余地があるのかについても教えてください」というご質問です。
第2四半期のクラウドの有償アカウントの増加については、昨年から計画していた既存顧客の店舗拡大や横展開が大きな影響を与えています。
もちろん、新規顧客も大きな影響を与えていますが、新規顧客の場合、まずは数店舗の一部のサービスからご利用いただくかたちが標準パターンとなっているため、新規顧客のARRの貢献は、どうしても限定的になっています。
パッケージ版からクラウド版への移行については、一部のユーザーで計画的に進められたこともあり、一定の寄与が見られました。しかし、最も大きかった要因は、既存顧客による導入店舗の拡大や利用サービスの拡大でした。
「今回の増加が一時的なものですか?」というご質問については、確かに大型ユーザーが複数のサービスを一気に展開すると、一時的に増加する傾向はあります。
ただ、全体として拡大傾向にあるため、今回のケースが一時的なものかどうかを一概に判断することは難しいものの、基本的には今後もどんどん拡大していく傾向にあると認識しています。
質疑応答:計画予測の精度について
「過去の計画未達と今回の違いについて質問です。2024年、2025年と、大型案件の展開時期や新規顧客獲得の遅れによって、期初計画を下回る状況が続きました。今回も一部案件で導入時期の後ろ出しが発生していますが、過去2年間のケースと今回では何が違うのでしょうか?
現在、通期計画について、以前より予測精度が高まっていると判断できるポイントがあれば教えてください」というご質問です。
過去の計画未達についてはさまざまな要因がありますが、今回精度が上がっていると感じるのは、クラウドサービスの利用が計画を上回って増加している点です。将来的な売上の精度向上に非常に大きく寄与していると考えています。
もちろん導入支援部門もお客さまから受注し、その稼働前支援が売上につながりますが、この部分については精度を高めているつもりではあるものの、お客さまのさまざまな事情など、当社のコントロール外の要因によってずれが生じることが一部あります。
しかしながらクラウド売上は、一度ご利用いただき、効果が継続的に発揮されていれば、大きく数字が変動することはありません。そのため、計画の精度も徐々に高まっていると考えています。
質疑応答:既存パッケージユーザーのライセンス売上計画について
「第2四半期の3ヶ月のパッケージ売上が2,900万円ありますが、この中身と背景は何ですか?」というご質問です。
こちらは、既存のパッケージユーザーの方がある企業を買収され、その企業でもシノプスのパッケージを使いたいとのことで、すでにそのライセンス売上が計画されている、ということです。顧客名は申し上げられませんが、そのような内訳および背景となっています。
質疑応答:クラウド展開と導入支援部門の相関について
「2月の通期決算説明会では、『通期決算見通しにおいてパッケージ売上高はほとんど見込んでおらず、主にクラウドサービスの売上増とそれに伴う導入支援部門の加速が中心である』と述べられています。
そこで、導入支援部門の伸びが高い理由について質問しました。それに対する回答は、『今期はクロスセルの強化に加え、営業人員の拡充も行い、案件数を前期よりも増やす計画です。受注計画を立てていることで案件数が増え、その結果として導入支援売上の伸びも高くなると計画しています。
今期の導入支援計画が高い理由は、1つの大型案件によるものではなく、成約案件数を増やす計画に基づき、その結果、導入支援売上が伸長する見込みであるためです』というものでした。
それに対して今回、上期のクラウドは予想以上に大きく伸びて22.2パーセント増だったのに対し、導入支援部門は37.6パーセント減でした。導入支援部門が伸びず、なぜクラウドが大きく伸びたのでしょうか?
通期計画から上期分を差し引いて下期の伸びを計算すると、クラウドは2.1パーセント増、導入本数は2.3倍になります。導入支援部門は、どこまで伸びるものなのでしょうか? 仮に導入支援部門が伸びるならばクラウドはさらに伸びると思うのですが、その関係性はどのように見通せるのでしょうか?」というご質問です。
クラウドの展開の伸びについては、主に導入支援をいったん完了した後、お客さまの横展開計画を一部待ちながら進行しており、この予定どおりの展開がクラウドの売上および有償アカウントの伸びの要因となっています。
そのため、導入支援が完了してから横展開までのタイムラグにより、導入支援部門は伸びていないものの、クラウド売上が大きく伸びたと考えられます。以上が、1つ目の回答です。
2つ目の「導入支援部門が減少している」というご指摘については、おっしゃるとおりです。こちらにはいくつかの要因がありますが、大きな要因として、導入支援の検収が期ずれし、検収が延びてしまったことが挙げられます。
もちろん、我々の責任によるものもありますが、お客さまのさまざまな事情によるものもあり、一部検収が延びていることが導入支援部門の計画未達の主な要因となっています。こちらは下期にある程度挽回できる予定であり、上期に予定していた部分も下期には計画どおりに反映される予定です。
クラウド売上がさらに増加するかどうかについて、基本的には増加します。上期には一部保守的に見ていた部分があり、そこがうまく伸びにつながった結果、22.2パーセントの増加となりました。そのため、下期も我々が保守的に見ていた部分が杞憂に終われば、売上はさらに伸びる見通しです。
ただし、導入支援が完了して横展開が一気に進むかどうかには一部タイムラグが生じるため、現時点では大幅に増加するかどうか、まだ慎重に見極める必要がある状況です。
個別の案件を見ていくと、「これはタイムラグが短そうだ」「このお客さまは、最初はちょっと、導入支援の完了後の半年程度はいったん自分たちで回した上で、OKであれば横展開が大きく進むぞ」など、さまざまなお客さまがいらっしゃいます。それぞれの関係性については、これらの要因に基づいて見通すことができます。
質疑応答:ARRに関する通期計画の達成見通しについて
「第2四半期末、ARRが16億6,600万円となり、通期計画の16億7,000万円にすでにほぼ達しています。今回の増加は、既存顧客のクロスセルやクラウド展開が中心とのことですが、期初に想定した案件のうち、どの程度が第2四半期までに実現したのでしょうか?
また、下期に予定している横展開、クロスセルを考えると、期末16億7,000万円という計画をどのように考えればよいでしょうか?」というご質問です。
期末については、もうあと少しで達成に至る状況であるため、達成できるだろうと考えています。
最初に想定していた各案件では、それぞれに一定のリスクを見込んでいました。「うまく計画どおりにいけば、3月は横展開だよね」というものも、過去の経験を踏まえ、案件ごとに「もしかすると展開が半分になるかもしれない」などのリスクを慎重に評価しています。
しかし、今期の上期は想定していたリスクが現実化せず、お客さまとのお話どおりに予定が進む、あるいはやや早く展開するかたちとなりました。その結果、ほとんど計画どおりと言える実績となり、通期計画を達成できる程度の進捗状況になったというのが実情です。
下期に予定しているものについても、ある程度リスクはあり、具体的な数字は申し上げられませんが、順調に進めば計画を上回る増加が十分に考えられる状況です。
質疑応答:「DeCM-PF」の収益化スケジュールについて
「『DeCM-PF』の収益化スケジュールと2027年以降の売上インパクトについて、どのように見込んでいますか?」というご質問です。
収益化については、2028年には1つの事業として十分な売上を確保できるスケジュールを立てています。2027年は具体的な数字を公開できる状況ではありませんが、今年と比較して1.5倍から2倍程度の売上増加を見込んでいます。
質疑応答:既存ユーザーのシステム解約リスクについて
「2月の説明会では、ARR成長率を5.3パーセントと保守的に置いた理由として『既存ユーザー1ケースについて、企業統合、再編に伴いサービスの見直しが起きる可能性を見込んでいる』と説明がありました。その影響は、第2四半期までにすでに発生しているのでしょうか? それとも、下期に発生する前提でしょうか?」に関するご質問です。
既存ユーザー1件について、ユーザー名は申し上げられませんが、企業の統合や再編があったユーザーとなります。このユーザーについては、昨年末時点では当社のシステムを解約する可能性があると見込んでいましたが、現時点ではその可能性は非常に低いとご連絡をいただいているため、このリスクはほぼ発生しないと考えています。
質疑応答:導入支援部門の通期計画の達成見込みについて
「導入支援部門の売上高は通期計画6億5,400万円に対して上期は1億800万円と、下期に5億4,600万円必要になります。2月には『1つの大型案件ではなく、成約案件数を増やす』ということで、導入支援部門を伸ばすといった計画のご説明でした。
現在も案件数、受注状況は計画どおりで、単純に計画、検収が下期にずれていると理解してよいのでしょうか? それとも、案件獲得自体にも遅れがありますか?」というご質問です。
当初の計画よりも、案件獲得がやや遅れている部分があることは事実です。検収が下期にずれている状況ですが、下期中にほとんどカバーできると見込んでいます。
年を越すようなずれはないと考えていますが、油断は禁物です。我々が100パーセントの努力をしても、大型案件では複数のベンダーが関与するため、プロジェクト全体の計画に影響を受ける可能性があります。
上期で一部ずれが発生している現状を踏まえつつ、下期中には予定どおり検収を完了させるべくしっかりと活動を進めていますが、リスクはあると認識しており、気を引き締めて対応していきます。
質疑応答:クラウド通信費の増加要因と今後の見通しについて
「以前、処理方法の改善によってCPU使用量を抑え、サーバー通信コストを削減してクラウドの粗利率を改善していくというご説明がありました。
一方、クラウド売上が22.2パーセントであるのに対して、通信費が28.5パーセントとなっています。これは一時的な要因でしょうか? クラウド単体の粗利率は、前年同期比で実際に改善していますか? また、今後ARRが増えた場合の限界利益率をどのように考えればいいでしょうか?」というご質問です。
増加したクラウドの通信費のうち、一時的な要因が約7割を占めます。我々はお客さまの導入に際して、まずは倍以上のスペックでデータを回し、安全性を確認した後に調整を行うという手法を取っています。
このプロセスが上期に発生したため、一時的に通信費が大幅に増加しました。こちらは一時的なものであるため、今後はそのような状況は基本的になくなっていくと考えています。
また、為替の影響があり、円安の影響を一部受けたことが要因となり、クラウド売上の伸びに対して通信費の伸びが上回っています。
一方、単体の粗利率については、一時的な要因や為替の影響を除外すると、クラウドの原価部分をおおむね10パーセント削減できており、その点は確実に改善が進んでいます。今後、ARRが増加した場合の限界利益率に関しては、現時点での回答を差し控えます。
質疑応答:「DeCM-PF」の収益拡大について
「『DeCM-PF』は参加企業100社を超え、収益化が始まり、ハローズや生活協同組合コープさっぽろなどの具体的な案件も進んでいます。現時点の『DeCM-PF』のARRまたは売上規模はどの程度でしょうか?
また、『収益を大きくする上では、メーカー数より小売企業数のほうが重要だ』という以前のご説明に対して、現在、小売企業数はどの程度まで増えていますか?」というご質問です。
まず、現時点の「DeCM-PF」のARRや売上規模についてはまだ公開できないため、回答を差し控えます。
収益を拡大する上では、メーカー数よりも小売企業数が重要であるという説明は正しいです。利用料は基本的にメーカーからいただいていますが、1つの小売企業と契約すると、おおよそ50社から100社程度のメーカーを獲得することが可能です。
1つの小売企業あたりのメーカー数が100社から200社に増加するわけではないため、小売企業数を増やすことが重要です。
現在、収益化済みの企業は2社ですが、提案中またはトライアル中の企業数は倍以上に増加しています。具体的な数字はまだ公開できませんが、2社の倍である4社というわけではなく、4社以上の企業がトライアルに参加しています。
質疑応答:伊藤忠商事による案件紹介について
「『DeCM-PF』の小売開拓について、伊藤忠商事がかなり積極的に動いているとのお話がありました。その後、実際に伊藤忠経由で商談数や導入小売企業数が増えているのでしょうか?
今後の『DeCM-PF』拡大において、伊藤忠からの案件紹介はどの程度重要なチャネルになっていますか?」というご質問です。
商談数は、かなり増加しています。導入小売数の具体的な数字について、現時点で詳細はお話しできませんが、当社の新規ユーザーの中で無視できないほどの数が伊藤忠商事から紹介された小売企業であり、導入企業の増加に貢献しています。
伊藤忠商事からの案件紹介は、全国的な営業チャネルを持つ同社により、当社が直接訪問することが難しい大手企業も含めてご紹介いただけるため、非常に重要なチャネルであると認識しています。
質疑応答:コンビニでの実証実験の状況とARR増加への寄与について
「以前、『2,000店舗規模のコンビニについて実証実験を経て受注したものの、フランチャイズ店舗もあることから、当初の想定より店舗展開に時間がかかっている』というお話がありました。
その後、その案件の店舗展開はどの程度まで進んでいますか? また、今回の第2四半期のARR増加にも、この案件は寄与していますか? 今後さらに展開する余地はどの程度残っていますか?」というご質問です。
コンビニの直営店はすべて契約し、利用が開始したため、その部分がARR増加の一因になっています。フランチャイズ店については、ようやく「下期に一部のフランチャイズ店で実施してみよう」とおっしゃっていただけました。現在はそれに向けて、段取りや準備等を進めています。
どのくらいのインパクトがあるかと言うと、フランチャイズ店の規模は直営店の数倍、具体的には5倍以上あるため、そこまで拡大できる可能性があると考えています。
ただし、すべてのフランチャイズ店舗が一斉に参加することは、契約上あまり想定されていません。現在、コンビニ業界は人手不足の状況にあるため、「やりたい」と手を挙げていただいたフランチャイズ店舗から徐々に拡大していくのではないかとお話をうかがっています。
質疑応答:大手コンビニへのアプローチについて
「大手コンビニについては、既存SIerとの関係から通常システムの導入は難しいため、まずは実績を作ることが重要、あるいは別のアプローチも検討するというお話もありました。中堅コンビニ案件で実績ができたのであれば、大手コンビニとの商談や実証について、何か進展はありますか?」というご質問です。
ようやく中堅コンビニで実績がしっかり出たため、この成果を基に大手コンビニへのアプローチも開始したところです。
まだ各社がなんらかのシステムを導入している状況のため、一気に当社に任せることは難しいようですが、一部でスモールスタートのようなかたちで進められる可能性があります。そのため、地道に実績と優位性をアピールしながら、しっかりと商談を進めることが重要と考えています。
