■今後の見通し
2. 第6次中期経営計画の進捗状況
E・Jホールディングス<2153>は長期ビジョン「E・J-Vision2030」において、環境負荷軽減やレジリエントな社会づくり、地域課題解決と活性化に貢献する「未来型社会インフラ創造グループ」を目指す姿として掲げており、その実現に向けて2021年度より3つのステップで中期経営計画を推進している。
第2ステップとなる第6次中期経営計画「E・J-Plan2027」(2026年5月期~2028年5月期)では、「拡大・進化」する期間と位置付け、基本方針として「基幹事業の拡充と新領域の開拓」「海外ビジネス本格化への挑戦」「バリューチェーンの強化」「サステナビリティ経営の推進」に取り組んでいる。また、2028年5月期の業績目標として売上高500億円、営業利益59億円、親会社株主に帰属する当期純利益39億円、ROE10%以上を設定した。初年度である2026年5月期の業績については既述のとおりで、売上高・営業利益ともに若干未達となったが、2027年5月期以降はTSRや気象工学研究所とのシナジー創出やDX通信との協業による受注拡大に加え、新基幹システムの本格稼働に伴う経営DXの推進によるコスト低減・生産性向上が見込まれる。利益率の上昇とともに業績の拡大基調が強まり、2028年5月期の業績目標達成は可能であると弊社では見ている。
4つの基本方針の取り組み状況について、同社は初年度の自己評価を公表している。「基幹事業の拡充と新領域の開拓」では、重点6分野の受注構成比が63.1%に上昇し最高評価となった一方、新市場の開拓は民間の新規顧客開拓にとどまった。「バリューチェーンの強化」では、点検支援技術ロボットによる試行点検や自治体との包括的技術連携協定の締結が進んだが、AI活用やDX推進によるプロセス改革は取り組み途上にある。「サステナビリティ経営の推進」では、CDP気候変動プログラムでの「B」スコア取得や情報セキュリティマネジメントシステム認証の取得など、E・S・Gの3項目すべてで順調な進捗を示した。一方で「海外ビジネス本格化への挑戦」は3つの基本戦略すべてが最低評価となり、実績創出や体制構築の遅れから受注高が想定を下回るなど今後の課題となっている。同社では海外売上高について、2026年5月期の5.9億円から2028年5月期には15億円への拡大を目指している。また「資本コストや株価を意識した経営の実践」についても、PBRが0.7〜0.9倍で推移しROEが低下傾向にあることから課題が残るとしており、その対応方針は後述する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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