内外で弱い経済指標の発表が相次いでおり、今週公表される日米の経済データも、弱いものが見込まれている。日米の、足元の景気一服と株価上振れの乖離は大きく、短期的には早晩株価が反落する形で乖離が解消されるものと見込んでいる。(『馬渕治好の週次メモ「時の花」』)
※本記事は有料メルマガ『馬渕治好の週次メモ「時の花」』2021年1月4日号の一部抜粋です。毎週いち早く馬渕氏の解説をご覧いただくには、今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。市場急変時には号外の配信もあります。
今週(2021/1/4~1/7)の日経平均予想: 2万6,300~2万7,600 円
(先週の予想:2万6万000~2万6万900円、実績値:2万6,664.60~2万7,602.52円)
先週の日本株は、特に12/29(火)の大幅上昇を含め、想定外の上振れとなり、見通しをまったく誤った。しかしそうした株価上昇の裏付けとなる材料は特になく、売り方の買い戻しや、「上がるから買う」といった短期追随的な買い物を誘発しただけだと考えている。
このところ、内外で弱い経済指標の発表が相次いでおり、今週公表される日米の経済データも、弱いものが見込まれている(後述の「今週の一枚」参照)。中長期的に世界経済がコロナ禍を徐々に脱却し、回復基調をたどる、という見解を維持しているが、足元の景気一服と株価上振れの乖離は、一段と膨らんでおり、いったん主要国の株価は反落するものと懸念する。
今週(2021/1/4~1/7)の米ドル円相場予想: 102.30~103.50 円
(先週の予想:102.90~103.80円、実績値:102.96~103.90円)
このところ、何度か米ドル円相場が103円を割れ、102円台の尻尾をのぞいている。主要国の株価が筆者の予想通り短期反落を示すとすると、安全通貨とみなされている米ドルは、対ユーロなどで強含むと想定されるが、日本円が全面高となり、米ドル以上に上昇する(米ドル安・円高に振れる)展開が懸念される。
米ドルが対ユーロなどで上昇すると見込むため、米ドルの対円での下落幅は限定的だと予想する。加えて、シカゴ先物市場では既に日本円が対米ドルで買い越しになってしまっていることも踏まえると、米ドル安・円高のペースはそれほど急速ではなく、最終的に100円ちょうどに迫る程度で一巡すると予想している。
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