Googleの親会社Alphabetの2021年度第1四半期決算が発表され、売上は前年同月比34%増という驚異的な数字を叩き出しました。依然としてコロナ禍で経済活動が制限される中、業績を急上昇させた要因は何なのでしょうか?また、コロナ終息後のGoogleの動向についても予測します。『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)
※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2021年5月15日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
AppGrooves / SearchMan共同創業者。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了(工学博士)。元・楽天株式会社執行役員(当時最年少)、元・東京大学工学系研究科助教、元・スタンフォード大学客員研究員。
IRページの「10-Q」「10-K」とは何か?
私のYouTubeチャンネルでは、決算読み解き実況中継をしています。おかげさまでYouTubeの方も多くの方にご覧いただいているのですが、特に忙しいビジネスパーソンの方たちから「YouTube動画の内容を知りたいが、動画を見る時間が無い」というお声を多数いただいています。
この記事では、以下の動画の内容をスクリーンショット付きで文字起こししてあります。動画を見る時間はないけれど、内容を短時間でおさらいしたいという方に最適です。
――(Risa)皆さん、こんにちは。Risaです。今回はAlphabetの2021年第1四半期の決算をシバタさんに解説いただきます。よろしくお願いします。
――Alphabetについて、Googleの親会社という認識はありましたが、ほかにどういう企業がぶら下がっているのか、なかなか見たことがないので、上図でAlphabetを簡単に紹介します。GoogleのIRページ(下図)にはいつも我々が見ているプレスリリースのほかに10-Q、10-Kという書類があります。こちらはどういったものですか。
(シバタナオキ)10-Qは日本で言う四半期報告書で、10-Kは有価証券報告書にあたります。これはSECや証券取引所に提出する公式な決算資料になります。それ以外のプレスリリースや決算説明会資料のスライドは会社がオプションで出しているもので、正式に出しているのはこの10-Qや10-Kになります。
――では、10-Kは1年に1回、期末に出す書類でしょうか。
そうですね。10-Kは有価証券報告書に相当するものなので1年に1回で、10-Qは四半期ごとの報告書になります。Googleの場合は12月決算ですので、第4四半期の終わりに10-Kが出ますし、それ以外の四半期は10-Qが出ます。ただ、9月決算の会社、例えばAppleの場合は9月に10-Kが出ますし、それ以外の四半期が10-Qになるというかたちです。10-Kは会計年度の設定の仕方によります。
コロナで経済活動が制限される中で驚異的な伸び率
――去年の同時期もAlphabetの決算をこちらの番組でも取り上げました。そのときはコロナの影響が強くなり始めたところで、Googleの決算にも陰りがありました。1年経って純利益は162%増の約$17.9B(約1.79兆円)という結果になりました。これは一言で「すごい!」という感想でしたが、今回の決算全体の印象を教えてください。
実はGoogleだけではなくて今回GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)全部そうでしたが、とにかくトップラインの伸びが4社ともこれぐらいかもっと高いぐらいの水準で伸びています。
利益もそうですが、売上の伸びが前年同期比34%増という数字で、これはコロナの前の水準よりもはるかに高い成長率になっています。
まだ厳密にコロナが終わっていないので、色々な経済活動が制限されていますが、その中でもコロナ前よりも高い水準で伸びています。まだコロナが終わっていないにも関わらず強烈な決算だったというのが今回の印象です。
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