■業績動向
2. 事業セグメント別動向
(1) 日本金融事業
Jトラスト<8508>の営業収益は10,777百万円(前年同期比19.7%増)、営業利益は5,157百万円(同45.5%増)となった。債権回収業務における簿価修正益の増加や、クレジット・信販業務における割賦立替手数料の増加、証券業務における金融業務受取手数料の増加等により、増収増益となった。営業利益は計画の44億円を7億円上回って着地し、下期に向けて積み上げる計画である。セグメント別利益において最大の構成比を占める同事業は、グループ全体の利益水準を下支えする主力事業と言える。
(株)日本保証の債務保証残高は、2026年6月末には3,227億円となった。アパートローン・海外不動産担保ローン・有価証券担保ローンの保証が好調で、保証残高は順調に増加している。2026年12月には3,256億円の達成を計画する。不動産関連保証業務における同社グループの強みは、市場ニーズに合わせたオーダーメイド型商品の開発力と独自の不動産担保ローン審査力である。同社グループが不動産の評価・審査と信用保証を担い、銀行が融資を行う協業モデルを構築している。地域金融機関と提携することで賃貸住宅ローン(アパートローン)保証を中心に保証残高は右肩上がりで増加を続けている。アパートローンの期間は20~30年超と長期にわたるため、その間は保証料収入が安定的に入ってくる。日本保証が保証する物件は東名阪の都市部、徒歩10分以内の駅近物件に集中しており、債務保証を行っている対象物件の入居率は約95%を維持している。保証料が高い個人事業主への融資保証等は近年競争が激化していることから取り扱いを抑え、保証料が低いものの貸倒リスクが小さいアパートローンへの有担保保証を増やし、ボリュームでカバーすることにより利益を確保している。
同社グループでは保証残高の大幅な拡大を目指し、様々な取り組みを行っている。従来からのアパートローン保証だけでなく、中古アパートローン、不動産担保ローン、クラウドファンディング(融資型/不動産投資型)の保証、不動産買取保証といった保証商品の多角化を推進しており、その成果は徐々に表れている。特にJグランド(株)(旧 日本ファンディング(株))が注力する富裕層向け投資用高級一棟マンションの販売事業は、保証残高の積み上げにつながると期待される。また、Jトラストグローバル証券、提携銀行、日本保証の協業による富裕層向けの有価証券担保ローンも好調で、保証残高の増加に貢献している。さらに、Nexus Cardでは男性脱毛業界最大手など提携先を通じた割賦取扱高が増加しており、これによる割賦売掛金残高の増大も日本保証の保証残高を押し上げている。日本保証が2025年7月に開始した「前払金保証」サービスは、日本保証と提携した男性脱毛業界最大手が保証料を支払うことで、万が一施術を提供できない場合に日本保証が未施術分を顧客に返金する保証であり、割賦取扱の拡大につながると期待される。
サービサー(債権回収)業務では、パルティール債権回収(株)の業績が好調に推移しており、日本保証の簿外債権を含むグループの請求債権残高は2026年6月末に1兆932億円となった。引き続き、債権購入を進めるとともに、回収業務の強化により、営業利益の拡大を図る。債権回収業務においては、多様なサービサー出身者が持つノウハウを集約することで、国内トップクラスの回収力を実現しており、現在は保証業務と並んで日本金融事業の利益の柱となっている。回収力の強さは金融機関やカード会社などから債権を買い取る際の入札競争においても優位に働くため、今後もこの強みを生かして事業を拡大していく。
Nexus Cardでは割賦事業の好調により、2026年6月末の割賦売掛金残高が254億円となり、2026年12月末には276億円を目指している。割賦売掛金残高は脱毛サロンを中心としたエステ系の加盟店の拡大により、順調に積み上がっている。既存加盟店の堅調な割賦取扱と新規加盟店の割賦取扱の拡大により、債権残高が増加しており、今後も継続的な成長を目指す。
Jトラストグローバル証券では、富裕層向けビジネスを推進しており、好調な株式市場の影響もあって、2026年6月末時点の預り資産残高は5,690億円と順調に拡大している。今後は、株式売買収益への依存度を低減し、安定的なストック収益の拡大を図るとともに、差別化された金融商品の拡充に取り組む。
(2) 韓国金融事業
営業収益は21,859百万円(前年同期比1.1%増)、営業利益は1,524百万円(同204.8%増)となった。営業利益は、貸倒関連費用の減少や調達金利の低下に伴う預金利息費用の減少等により、大幅な増益になった。2023年には一過性の要因で営業損失を計上したものの、審査基準の強化などの成果から、2024年12月期以降は通期で利益を計上している。2026年12月期中間期の営業利益は計画の14億円を1億円上回っており、通期計画の達成に向けて順調に進捗している。
2026年6月末のJT親愛貯蓄銀行(株)の貸出残高は2,367億円、不良債権比率(貸倒引当金を控除したネット)は2.85%である。一方、JT貯蓄銀行(株)の貸出残高は2,112億円、不良債権比率(ネット)は3.97%である。不良債権比率は、JT親愛貯蓄銀行では引当金控除後で低水準を維持している。一方、JT貯蓄銀行ではやや高い水準にあるものの、不動産担保等により保全が図られている。両行とも、BIS規制(銀行の健全性を維持するための自己資本比率の国際ルール)を遵守しながら、今後も安定的な貸出残高増加と利益の増加を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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