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クオルテック Research Memo(8):パワー半導体の信頼性評価の需要増大が見込まれ、事業環境は良好(2)

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■クオルテック<9165>の今後の見通し

(2) 半導体市場の動向
パワー半導体は現在、電動車のほか、太陽光発電のような再生可能エネルギー分野や産業機械、鉄道・電車、情報通信機器等に使用されているが、電子機器の小型化や高性能化が進む中で、さらなる半導体の高性能化や小型化が求められている。現在主流のSi(シリコン)パワー半導体では、素材自体の限界から大幅な性能改善は難しいとされており、対策としてSiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)といった素材を用いた次世代パワー半導体が注目されている。経済産業省の「半導体・デジタル産業戦略」(2023年6月)においてもこれらの素材を用いた次世代パワー半導体の市場規模拡大を予想しており、SiCパワー半導体については2021年の約1,400億円から2030年には約3.4兆円と、約24倍に拡大するとしている。市場拡大に比例して信頼性試験需要の増加も十分期待される。また文部科学省は令和8年度予算(11億円)として、現行のパワー半導体の9割を占めるSiパワー半導体をこれらの次世代パワー半導体(SiC、GaN)に置き換えることによる社会全体の省エネ化を目指す事業を立ち上げた。この事業ではGaNパワーデバイス作り込み技術の確立と、GaNパワエレ機器トータルとしての実証に向けた取り組みを推進する。また経済産業省は令和6年度予算枠として、富士電機<6504>とデンソー<6902>の2社に対しSiCパワー半導体の安定供給に向けた最大705億円の助成金を計上しており、次世代パワー半導体の安定供給を支援している。このような政府による次世代パワー半導体の普及支援策もあって、次世代パワー半導体を搭載したデバイス等に関する試験需要は今後大きく進展するものと考えられる。

次世代パワー半導体とともに同社が注目しているのが、先端半導体パッケージである。先端半導体パッケージとは、1つのパッケージに異なる機能を持つ複数の半導体を高密度に集積することにより、高性能や小型化、低消費電力を実現する技術である。前掲の「半導体・デジタル産業戦略」では、先端パッケージ戦略を3段階に分けて策定しており、ステップ1として、素材・装置メーカーが集約する先端パッケージ開発拠点を設立し、国内に点在するコンソーシアム(共同事業体)を束ねて、先端集積・実装技術を創出するとともに、次世代の装置や素材を開発し、半導体に係るデバイスメーカーやファウンドリ等に提案する。ステップ2において2020年代後半以降に求められている2.5D/3Dパッケージング技術やシリコンブリッジ、ハイブリッドボンディングなどを開発し、2nm世代以降で必須となるチップレット技術を確立し、ステップ3では光チップレット、デジタルチップとアナログチップを混載するアナデジ混載SoC技術を確立する。パッケージング技術としては、現状は2.5D実装が一般的であるが、今後はシリコンブリッジや3D実装が進むことが予想され、同社はステップ2の段階で、同社の強みとする半導体基板への環境試験や分析・故障試験、素材の切断や断面研磨加工の知見が生かせる、先端半導体パッケージの信頼性試験の需要が拡大すると見ており、設備導入や人材増強等の体制作りを進めている。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)
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