どれだけキレイごとをいっていても、他国を圧倒する武力を持ちたいと願うのが、独立する主権国家の生物的本能です。
もちろん、規制を用意したからと、すべてが防げるものではなく、天才ならば小学生でも、悪意なく開発できるのがプログラミングの魅力であり怖さですが、大半の国で「殺人」が違法とされるような規制を求める声が、まったく挙がらないことに首をひねるのです。
現実的にウィルス開発を阻止することができるとはいいませんし、できません。しかし、「悪いこと」との通念を定着させる裏付けとしての規制、つまりは「理念法」ですが、そんな議論を耳にしません。
「サイバー犯罪関する条約」は締結されていますが、それぞれの国内法に依りますし、そもそも国境をいとも簡単に越えるサイバー犯罪に、国際法というのがそもそも論で筋違いながら、議論が深まるどころか生まれる気配もありません。
敵国を瞬時に機能不全に陥らせることができる、「ネットウィルス」は喉から手が出るほど欲しく、その開発競争の結論が出るまでは、規制によるブレーキをかけられたくないと見るべきでしょう。
つまりはサイバー戦争も、行き着くところまで行く。人類は、歴史から何も学んでいないということです。核兵器に代表されるように「どうにもならない」という結論に達するまで、開発を続けようとしているのですから。