東日本は気温が低めでぐずついた日が続く今年の梅雨。この季節の湿気は「カラダを冷たい水にさらしているようなもの」と注意を促すのは、メルマガ『鍼灸師・のぶ先生の「カラダ暦♪」』の著者、のぶ先生です。梅雨の時季の気づきにくい「冷え」が食あたりや夏バテの原因になると、改めてお風呂の効用を説いています。
「寒い」と「冷える」は、そもそも別物
【「寒い」はカラダの防衛する準備】
カラダが寒気を感じることがあります。体温が十分でなく、抵抗力や免疫力に不安を感じるときに、カラダを防衛する働きを一気に高めるために、「寒気」をきっかけに発熱しようとします。
外気が低くなくても、感染症や大きなけが、出血などをしたときに、「体温が十分でない」とカラダが自覚すると「寒気」をおこして、発熱をうながすきっかけを作ります。「寒い」という感覚は、カラダを守り体温を高めようとする役割を持っているわけですね。
【「冷える」は機能低下の自覚】
カラダが冷えているなぁと自覚する時、だるさやむくみ、痛みを伴うことがあります。これはカラダの様々な働きが、それぞれ充分に機能していないときに感じるものです。
- 冷えを伴うだるさは、血流が不十分であることを示します。
- 冷えを伴うむくみは、疲労回復機能が高まっていないことを示します。
- 冷えを伴う痛みは、筋肉や関節、消化管などの運動が妨げられていることを示します。
【やっかいなのは「冷え」の自覚のない「冷え」】
カラダが冷たいなぁ、痛いな、だるいなぁ、というとき、「冷え」を自覚することができます。梅雨時の慢性的に湿気にカラダをさらし続ける時期は、こうした「冷え」を自覚しにくくなります。
蒸し暑く息苦しい日など、とくに暑さばかり気になって、湿気にさらし続けている肌表面の「冷え」を忘れてしまっていることはしばしば。息苦しいのは湿気で呼吸が浅くなっているから。蒸し暑く感じるのは血流が妨げられむくみがちになることで、体温調整がうまくいかないから。
でも、全身の関節や足腰の筋肉、湿気にさらしている全身の肌は、湿気という「冷たい水」に無防備にさらしつづけているわけなので、慢性的に「冷え」ています。
梅雨時、再三「お風呂に入って、軽く汗ばむくらいまで温まりましょう」とアドバイスさせていただくことがありますが、足腰の関節や消化器、肩首をはじめとする肌表面の冷えとりを毎日行うことが必要だからです。
感覚できない「冷え」は、カラダが鈍くなっている証拠です。まずはお風呂にちゃんと入って、汗がちゃんと出るか確認してみましょう。汗が出にくいようなら、カラダの冷えは随分たまっている証拠です。
食あたりや夏バテの原因になりますから、運動習慣や入浴で汗をかくこと始めてみてください。くれぐれもご無理のないように。
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