「勉強だけしてればいい」と育てられた子が中学で陥ったある地獄

 

塾の先生に相談をし、塾の先生が子供と話をしてくれた時、息子さんは「お母さんの期待に応えられないと泣いていたそうです。先生も「君は○○中学に入れたんだからすごい事なんだよ。お母さんには先生から言っておくから安心しなさい」と言われ、塾の先生に「お母さん、これだけ頑張っている息子さんをもっと褒めてください。○○中学でこの位置で頑張ってるってすごい事なんですから」と言われたそうです。

ミーコさんは、やっと、ここまで追い詰めてしまったのは私のせいだ!と分かり、それからは、過度な勉強の強制をやめ「卒業できさえすればいい」「学校に行ってさえくれればいいと方向転換をしてくださいました。

中学では先生に勧められて(担任の先生が顧問だった)吹奏楽を始めるようになりました。ちなみに吹奏楽って、中学生で部活がある学校は珍しく、もちろんほとんどの子どもが0からのスタートなので、息子さんにとってもみんなに追い付くのはそれほど大変ではなかったみたいです。そしてミーコさんの息子さんは、卒業まで吹奏楽を続け、中学では不登校にも落ちこぼれになる事もなく、高校もそれなりの学校に入ることができました

後にミーコさんからはこのようにご報告頂きました。

パピーさま。どうも御無沙汰しています。ミーコです。中学に入って、息子が不登校になる寸前で、ご相談に乗って頂き、人生最大のピンチを救って頂きまして、本当にありがとうございました。

 

あの時は「苦手な事を無理するより、得意な事を頑張ればいいを妄信し、自分は被害者だ…ぐらいな気持ちでいましたが、私の偏った「勉強さえできれば」が子供を縛り上げ、子供を追い詰めていた事に気付けたおかげで、子供はなんとか中学を卒業し、志望する高校にも入ることができました。

 

パピーさまに「まだまだ中学生1年生。今から新しい事を学んだり、習得できる事はたくさんあります」と言われたように、吹奏楽という新しい世界を知って、中学でも仲間ができ、高校生になった今も吹奏楽部に入り、そこでも気の合う友達ができました。

 

幼稚園でも、小学校でも友達らしい友達ができなかった子なのに、今は少々熱があっても「友達と約束したから」と自転車をこいで通学しています。その顔は晴れやかでやる気に満ちています。小学校では思いもよらなかった姿に「本当に良かった」と心の中で手を合わせています。

 

私は何と視野が狭かったか、そして間違った子育てをしていたかをまざまざと感じさせられました。小学校時代は運動不足で太っていて、からかわれたりいじめられたりすることも多く、友達もいませんでした。いつも下を向いて歩いていた子が、今は無駄な贅肉が取れ、元気で颯爽とした青年になりました。

 

中学校でも吹奏楽の練習や大会に何度も足を運びましたが、一つの曲を何度も練習し、大会でも緊張の中で演奏をできたこと。それは何物にも代え難い体験なのだと知ることができました。練習はもちろん簡単ではありませんが、その簡単ではない事を仲間や友達と一緒に乗り越えることで、一緒に乗り越えた仲間や友達との絆が強くなり、3年生の大会で金賞を取った時には、みんなで泣きながら抱き合い、その姿を見て私も号泣でした。

 

勉強だけしていたとしたら、こんな感動も、一緒に歓び会える仲間も、涙を流して喜ぶことも経験できなかったんだな…と思うと、中学1年の秋、そこに気付く事ができて本当に良かったと、感謝の気持ちでいっぱいです。そして「あ、これが今まで経験してこなかった新しい学びなんだな」と再確認したのでした。

 

あの時は「残された取り得は勉強しかない。勉強でも自信を失ったらどうなってしまうんだろう」と目の前が真っ暗でしたが、私が勉強への執着をやめ、子供が吹奏楽という新しい世界を見つけたら、子供はどんどん変わって行きました。

 

諦めていた勉強面でも、友達と一緒に学習したり、ノートの取り方を教えてもらったりして、結果的に勉強だけをやっていた時よりも、成績が良くなっていたのは驚きでした。つくづく子供は親だけが育てているんじゃないんだな、いろんな経験が子供に影響を与え、つまづいたり乗り越えたりして成長していくんだな、と思い知らされました。パピーさまが「失敗させなさい」「沢山の経験をさせなさい」「親も一緒に乗り越えなさい」と言われていた意味が、やっと理解できてきた私です。

 

今は、あれこれ指示をするのではなく、子供が頑張っている吹奏楽の大会に夫婦で応援に行くのが楽しみになっています。きっと数年後は大学受験もすると思いますが、もう親が出る幕はなくこちらも応援に徹することになりそうです(^^)

ミーコさんには、中学2年生になる前に「なんとか不登校にならず学校に行けています」「担任の先生に吹奏楽部に誘ってもらって新しい楽しさを感じているようです」とご報告を頂いていましたが、高校受験もうまくいって、高校でも吹奏楽部で新しい友達と頑張ってる…と聞いて、「良かった~」と胸をなでおろしました。

子供は親だけが育てているんじゃない、いろんな経験が子供に影響を与え成長していく」はまさにその通りで、時には先生の言葉や友達。そして新たな興味がさらに自分を大きくしてくれます。息子さんも自分の進む道を自分で考えているようですし、これからが楽しみです♪ミーコさん、貴重なご報告、ありがとうございました。

image by: Shutterstock.com

石神明生この著者の記事一覧

子育て・育児の悩みを解決された生の声をお届けしています。あなたの子育ての悩みの解決になるようなヒントや、あなたの気もちを楽にしてくれるお話など、きっと参考になりますよ。まぐまぐ大賞、生活情報部門、第1位を頂いたメルマガです♪

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 幸せなお母さんになる為の子育て 』

【著者】 石神明生 【発行周期】 毎週日曜

print
いま読まれてます

  • 「勉強だけしてればいい」と育てられた子が中学で陥ったある地獄
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け