現役精神科医が伝授、ホームページで判る「行ってはいけない病院」

 

厚労省における昨今の病院の広告規制のお話

実は医師免許は全ての科ができるオールマイティにも程があるやろ!?な免許です。なので私が明日突然外科のクリニックを開業したいと思っても何の罪にも問われません。怖いですね。私なら自分の専門じゃない分野である日突然開業するのは怖すぎる(患者さんの治療に自信持てないですし……)ので出来ませんが、実際新規開業の精神科/心療内科の院長経歴など見ると一回も精神科で働いたことがない先生もガツガツ開業しておられたりするので割とドキドキします。人柄がよくて勉強しっかりされていたら良いのですが……。

なお私は精神科医専門医指導医という資格を持っていますが、内科についてはHPに表記できる資格を持っていません。しかし実際内科医としても働いています(できるから働かさせられている、とも言う)。資格標榜については厚労省がここ最近で医療広告ガイドラインというものを改めて作成し、厳密に指導するようになりました。

これは元々昭和23年に公布された「医療法」というのがあり、看板、チラシ、TVやCMで「広告可能事項(とても細かい26項目)」であれば広告に載せても良いぞ!という話にプラスして「ウェブでの広告」についての話が厳しくなったという内容です。元々「こうしないように期待してるね」程度が「罰則付き」になったので厚労省も本腰入れたな、と思います。ウェブで主に禁止されたのは美容系が多いですが(術前後の比較写真の掲載が禁止になったり、こんなにやったら綺麗になる!という直接的かつ個人差が出ることへの断定を禁止するなど)、その他の科でもよくよく見るとシラーっと違反している広告を出していることがあるので要注意です。少なくとも厚労省から「アカンで」と言われている内容を出している所は信用しない方が良いので(これは健康食品やマッサージ系にも言えますが)知識を蓄積して騙されないように自衛を是非してください。

絶対!安全!うちがナンバーワン!などの誤認を招く表現(虚偽広告の禁止)

この世に絶対も100%の安全もありませんし、ナンバーワンって何と比較して言い切れるねん嘘つくなや、という疑問の出る表現は禁止されています。また「厚労省認可!」も書かれているから認可してるんやな!とそのまま信用しないでください。普通に認可していなくても書いている場合が多いです。これは権威付けによる誤認を招く手法です(昔なら「消防署の方から来ました」って訪問販売詐欺があったそうですが……)。

今こういった権威付けによる販売促進で最も多いのは「芸能人/インフルエンサーのおすすめ」ではないでしょうか。あんなにフォロワーがいる、テレビに出てる芸能人が勧めているから間違いないんじゃないかと思っちゃいますよね。

全然信用できないです、それ。

私にすら「サプリの紹介案件」とか来ます。謎のサプリを無料で1週間分もらってTwitterでぶっちぎって褒めてリンクを貼ってくれ!そのリンク経由で商品が売れたら売上の◯割を差し上げます!……こんなの信用できないって思えなきゃダメです。人間はお金が絡んだら平気で嘘をつきますからね。私がTwitterでPR案件やり出したら中身が変わったかお金に困ったかを疑ってください(本当にいいなと思ったものは勝手にツイートしてます)。

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