現役精神科医が伝授、ホームページで判る「行ってはいけない病院」

 

他の病院/クリニックと比べてうちはここが凄い!という比較優良広告の禁止

似たような話で「芸能人も通院してます」も禁止事項です。最近芸能人が診断?されたと放送し、炎上したクリニックがありましたが実はクリニックが芸能人に一切謝礼を払っていない場合、何も問題にはなりません。患者が勝手に「この病院超良かった~」というのは広告には当たらないからです(なので口コミサイトはサクラを入れていない限り指導対象にはなりません)。ただ他の問題があったので炎上が加速したように思っています。

まず診断基準を満たしていないのに確定診断が可能であるように見えるHPだったこと。次に在籍医師の所有している資格の欄に厚労省が広告(病院HPは厚労省的に広告に当たります)記載を認めていない資格(単に医学学会に所属しているだけの場合は広告記載は禁止されています。これは意外に他の病院やクリニックでもよく見かけます)を列挙していたこと。他では診断できなかった病気も当院では診断可能!というように比較優良広告状態になっていたことなどなど……書いていて心配になってきたので改めて某クリニックの医師資格を見直してきましたがまだまだ違反だらけでした(普通に広告部門でのアドバイザーを雇ったらいいのではないかと心配になりますね……)。私としてはこういう病院/クリニックはまず避けた方が良いと思います。

勤務歴が本当かはわからない

立派な大学病院や大きな病院の勤務歴がズラッと並んでいた後に「令和2年当院開業」!と書いてあるとめっちゃ勉強してきた先生なんだなぁ、安心できそう!と思いますよね。私もそう思っていました……。私は過去の出版書籍の自己紹介の文に書いている通りいつかは開業したいと思っている身です(開業した方が自分の求める医療を患者さんに提供できます。でも勉強は外にしに行かないと独自性に満ち溢れたトンデモ医療になってしまう可能性もあるので開業したとて日々外部の情報は入れ続けなくてはなりません)。なので暇な時は色々なクリニックのHPを見て見やすいなとかこれは患者さん的に分かりにくいなとか妄想しているのですが……。

最近過去一緒に働いていたドクターが開業していて、経歴がめちゃくちゃだったりすることに気付いてしまうケースが何個かありました。普通に「R2~3年:●●病院勤務」って書いてあったら普通に常勤で頑張ってたんだと思いますよね。でも実はこの先生バイトで週1回午前中外来だけやってた(フィクション入ってます)だけでした。

内部事情を知ってないと絶対騙されます。むしろHPって面の皮が厚ければ厚いほど盛れる気がします。ですから良い病院の選び方の目安としてどの病院で勤務していたか、などの情報もあまり……いや、信用出来なさそうです。一人だけじゃなく複数人が書いているのを見つけてしまったので割と良くある「盛り技術」なのかもしれません。

この記事の著者・バク@精神科医さんのメルマガ

初月無料で読む

 

print
いま読まれてます

  • 現役精神科医が伝授、ホームページで判る「行ってはいけない病院」
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け