2.100年安心のネタとなった平成16年の年金大改正とは何を目指したのか
この100年安心という単なる年金批判の為に使われ続けて、年金の風評被害でしかない言葉が曲解された改正の中身とは何だったのか。
平成16年改正の経緯を述べますと、「ここから5年毎に財政の検証を行います。毎回その時点から100年先を見通して年金の財政の均衡を図ります」というわけです。
ちょっと歴史上の話をしますが、平成16年改正の時に年金の仕組みが180度転換しました。この時に年金のパラダイムシフトが起こりました。
何が変わったのかというと、平成16年改正前までの年金というのは年金受給者の年金水準(現役時代の約60%台)を維持するために、現役世代の保険料を上げていくという方式でした。
年金が約60%台を給付するという確定給付のようなものだったわけです。
このようにして年金水準を維持していくという事ですね。
従来の永久均衡方式といいますが、今後高齢化が進んでいくとそれだけ財源が必要になりますよね。更に少子化で若い人が減っていく。
でも、年金受給者の年金水準を下げたくないのであれば、現役世代からどんどん保険料を引き上げて徴収するしかない。
そのようにして現役世代の人に頑張ってもらって年金財政を均衡に保ち続ける。
まあ、「保険料支払う側からしたら大変かもしれないけど、年金受給者の年金額を維持するために我慢してね」という形でした。
年金給付水準が確定給付のようなものだから、それを確保するためには現役世代には保険料負担をどこまでも上げてでも頑張ってもらわないといけない。
それが平成16年改正前までのやり方。
これで永久に年金財政を均衡させていくつもりでした。
じゃあ、平成16年改正の時に何が変わったのか。
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