なぜロイヤルホストの業績はコロナ禍前を上回ったのか?炙り出された企業の強さ

 

自信のあるメニューを堂々と打ち出す

メニューブックでは3,000円前後のプラタッター(盛り合わせ)が盛んにアピールされている。

「ロイヤルホスト」が得意とするメニューを集めたプラッターが人気を集めるようになった

「ロイヤルホスト」が得意とするメニューを集めたプラッターが人気を集めるようになった

4月にオープンした「光が丘IMA店」では「タッチパネル・オーダー」を採用しているが、最初のメニュー画面にいきなりこれらのメニューが表示されている。このような高価格の路線はメニューにおける自信の現れと見ていいようだ。

4月にオープンした「ロイヤルホスト光が丘IMA店」は107坪で102席というゆったりとした構成

4月にオープンした「ロイヤルホスト光が丘IMA店」は107坪で102席というゆったりとした構成

「光が丘IMA店」で導入されているタッチパネルには、いきなり3,000円クラスのメニューを表示している

「光が丘IMA店」で導入されているタッチパネルには、いきなり3,000円クラスのメニューを表示している

「ロイヤルホスト」では7~8年前から「価値創造戦略」に力を入れている。象徴的な事例として、生田氏は「ステーキ」を紹介してくれた。高品質なアメリカのアンガスサーロインステーキを現地でパッキングしてチルドで入れて、それをキッチンで封を開けてある程度トリミングをして、チルド庫でちょっと寝かしている。素材の価値が上がると自ずと値段も上がる。生田氏は「当初は『2,000円超える商品はどうかな』と思っていたが、この一連の商品がお客様にご好評をいただいて、これを継続しているところ」と語る。

冒頭で述べた客単価アップは目的来店が増えた証である。「ロイヤルホスト」が取り組んでいる価値創造戦略が顧客に根付いてきているのであろう。そして、普段から同チェーンとのファンとの結びつきが強いことも実感する。

image by: Ned Snowman / Shutterstock.com , 千葉哲幸
協力:株式会社丸亀製麺

千葉哲幸

プロフィール:千葉哲幸(ちば・てつゆき)フードサービスジャーナリスト。『月刊食堂』(柴田書店)、『飲食店経営』(商業界、当時)両方の編集長を務めた後、2014年7月に独立。フードサービス業界記者歴三十数年。フードサービス業界の歴史に詳しい。「フードフォーラム」の屋号を掲げて、取材・執筆・書籍プロデュース、セミナー活動を行う。著書に『外食入門』(日本食糧新聞社発行、2017年)。

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