不都合な真実。日本における「幸せになるための“残酷な”条件」とは?

Happy,Family,On,Sofa,And,Puppy,In,Living,Room
 

「幸福の条件」というものは、実は常に新しくなっています。無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』の著者土井英司さんは、最新の幸福の条件について、経済学の視点から語った衝撃的な一冊を紹介しています。

【最新調査でわかる「幸福の条件」】⇒『残酷すぎる幸せとお金の経済学』

71eQm1yZBFL._SL1500_

残酷すぎる幸せとお金の経済学

佐藤一磨・著 プレジデント社

こんにちは、土井英司です。

一時期、幸福に関する議論が流行し、Xなどでは、古い理論のまま、幸福を語っている人がちらほら見られます。

本日ご紹介する一冊は、最新のエビデンスに基づき、幸福を論じた、興味深い一冊。

著者は、拓殖大学政経学部教授で、労働経済学、家族の経済学、幸福の経済学を専門とする、佐藤一磨さんです。

本書のなかで著者は、幸福に関する衝撃的なデータを披露しています。

いくつかご紹介しましょう。

  • 人生の「幸せのどん底」は48.3歳
  • 経済成長と幸福度は関連がない
  • 経済成長すると子どもの幸福度は低下する
  • 日本では管理職に昇進しても幸福度は上昇しないし、健康状態は悪化する
  • 妻が管理職だと夫の幸福度は低い
  • 弟がいる長女の年収は16%低い
  • 未婚の子との同居は幸福度を下げる

これだけでもきつい結果ですが、詳細を読むと、さらに衝撃的なことがいくつかわかってきます。

なお、幸福が年収7.5万ドルで頭打ちになるというカーネマンらの分析結果は、最新の研究によって否定されているらしいので、アップデートできていない方は、ぜひ読んでおきましょう。

最新の調査結果では、「年収が7.5万ドル以上になっても、幸福度は伸び続ける」ようです。これまたシビアな結果ですね。

タイトルには「お金」とありますが、実際には、パートナーシップや兄弟構成、働き方、親子の同居などが幸福に及ぼす影響が広く論じられています。

世間の論調とは異なり、現在の日本で幸福に生きるための真実が見えてくる、貴重な文献だと思います。

(この本、一部の論者にとっては極めて不都合な内容なので、おそらく口コミしてもらえないでしょうね…)

個人的には、とても読み応えのある本だと思いました。おすすめです。

print
いま読まれてます

  • 不都合な真実。日本における「幸せになるための“残酷な”条件」とは?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け