現役教師が能登半島地震で改めて気づく。現代に「忍耐」が必要な理由とは何か?

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すぐに返事が返ってくる、すぐに注文したものが届く…それが当たり前になってしまった時代だからこそ、育てなければいけない能力が存在します。メルマガ『「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術』の著者で現役小学校教師の松尾英明さんは今回、「ネガティブ・ケイパビリティ」と呼ばれるその能力について語っています。

「どうにも答えの出ない、どうにも対処しようのない事態に耐える能力」を発揮する

能登半島地震の影響で、ずっと不安定な情勢が続いている。こういう時、何をどうしていいかわからない。現地に行っても邪魔になるだけと報道されている以上、我々一般人にとっては義援金ぐらいしかできることがない。東日本大震災の時もそうだったが、記事を一つ書くにも、妙に気後れしたり余計なことを考えてしまったりする。

どうにもできない状況に対し、耐え忍ぶ力がある。「ネガティブ・ケイパビリティ」という。

以前から聞いたことはあったが、次の書籍に詳しく書いてあったので読んでみた。

ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力』帚木蓬生 著 朝日新聞出版

「ネガティブ・ケイパビリティ」という言葉は、イギリスの詩人ジョン・キーツの造語だという。(このキーツという詩人の人生自体、生涯を通してなかなか厳しいものだったようである。)日本語訳は確定していないが、この本には次のような言葉で説明がある。

「どうにも答えの出ない、どうにも対処しようのない事態に耐える能力」

あるいは

「性急に証明や理由を求めずに、不確実さや不思議さ、懐疑の中にいることができる能力」

この定義に沿って考えれば、非常事態に限らず、人生そのものに必要な能力である。

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