最強戦車が続々到着。プーチンの人海戦術を凌ぐウクライナ軍の大攻勢

Yerevan,,Armenia,-,1,October,2019:,Russian,President,Vladimir,Putin
 

2月末にウクライナとロシア双方に対して、独自の停戦案を提示した中国。3月20日からは習近平国家主席がモスクワを訪れプーチン氏と首脳会談を行ったものの、停戦に関しては何ら具体的な進展を見ることができませんでした。開戦から約400日、混乱はこの先も続くのでしょうか。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、ウクライナ各地の最新の戦況を詳しく解説。さらに中国による停戦案が受け入れられなかった場合、世界はどのような事態に襲われるのかを考察しています。

ロシア軍の勢いがなくなった今、ウクライナ軍「バフムトで反撃開始」の可能性

ロ軍は、バフムト包囲から部隊をアウディーイウカなどに移動させて、ワグナー軍だけでバフムトを攻撃しているようである。このため、兵力も装備も枯渇している。

ウ軍も増援部隊を出して、バフムトを死守するとしたが、ロ軍大規模攻勢も限界にきているようである。ロ軍とワグナー軍の攻撃頻度が落ちてきている。

ワグナー軍とロ正規軍が仲間割れで、ロ軍精鋭部隊をアウディーイウカに移動させたようであり、ロ軍精鋭部隊が、ワグナー軍をフォローしなくなっている。

このため、ワグナー軍は主力部隊を投入したが、その損耗が大きく、かつ補充ができないことで、前進が停滞している。ザリジネンスクを占領して、その先のミシキウカの攻撃を中止した。もう1つが、バフムト市内金属工場から前進できないでいる。ウ軍はザリジネンスクに機械化部隊が反撃して、半分を奪還したようだ。

バフムトフカ川の防衛線は、ワグナー軍は突破できずにいる。南側は混戦模様であり、ウ軍も反撃に出て、両軍がジグザグの前線になっている。ここが一番今、激戦の地域であるが、しかし、ウ軍もロ軍の前進を阻んでいる。

1日1,000人以上の兵員を失うワグナー軍

ロ軍は、オリホボ・バシリフカやボダニウカを攻撃したが、ウ軍に撃退されている。また、ワグナー軍は、ヤヒドネを占領したが、その先では攻撃して確保した陣地を、ウ軍機械化部隊により、押し戻されている。ウ軍の機械化部隊が、効果のある場所で反撃に出ている。

イワニフスク方向では、ロ軍精鋭部隊を一部撤退させたことで、ウ軍が押し戻す展開になり、T0504主要道の補給路が安全になったことで、バフムト市内への補給も確保できる状態になっている。また運河の西側でウ軍はロ軍を駆逐した。

ロ正規軍はワグナー軍を見捨てことで、ウ軍の攻撃でワグナー軍は身動きできない。1日で1,000人以上の兵員を失い、戦車も4両、その他戦闘車も20台程度も失っている。ワグナー軍は、前線を維持できなくなるはず。

このため、ワグナー軍を置き換える方向で対応するようであり、空挺部隊が引き継ぐことになるようだ。フォローはしないで、ワグナー軍を撤退させるようである。

プリゴジン氏が、「3月末から4月初旬に(ウ軍が)大規模攻勢を計画中という情報がある。ワグナー軍がロ軍から切り離されないよう必要な措置を講じてほしい」とショイグ国防相に要請したが、ショイグ国防相は無視して、支援も弾薬なども優先的にワグナー軍に補給しないようである。ロ軍はワグナー軍排除に動いている。

このため、プリゴジン氏もワグナー軍の活動場所をウクライナからアフリカにする方向で検討を開始した。また、「ウ軍を過小評価し、内部紛争に関与するのを止めろ」と求めた。その内、ワグナー軍はバフムトから撤退になり、この方面でロ軍は総崩れになる可能性が高い。

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