中国経済は完全復活
経済も完全に復活をしているといっていい状態です。
中国のGDP成長率は、感染拡大期にあたる2020年Q1(第1四半期)には−6.8%という大きな落ち込みになりましたが、Q2には+3.2%と復活し、Q3は+4.9%、Q4には+6.5%となりました。2019年のGPD成長率は6.0%前後を推移していたので、2020年Q4には再び成長軌道に乗ったといってもいいほどです。
社会消費品小売総額(日本の個人消費に相当)も2020年9月に前年を上回り、それ以降、わずかとは言え成長をしています。
特に目覚ましいのがネット売上で、2020年はコロナ禍があったにもかかわらず10.9%の成長となりました。ネット小売の中で、最も成長をしたのが食品で30.6%の成長です。
一方、最も低調だったのが衣類で5.8%の成長にとどまりました。
このように経済が以前の水準に戻っている中、戻り切れていないのが旅客関係と大型小売店です。旅客関係は、長距離移動が制限されているので致し方ありません。といっても、移動制限が解除されるにつれて遅れて戻っていくことは確実なので、業界関係者は大いに期待をしているでしょう。
問題はショッピングモールなどの大型小売店です。
なぜ復調しない?コロナ無関係に落ち目のショッピングモール
なぜ、モールだけが復調できないのでしょうか。
それはコロナ禍による影響だけではありません。不運なところもありますが、時代の流れを読み違えていたことも大きな原因です。モールの不調を調べることで、モールだけではなく、中国の小売業に大きな変化が起きていることがわかってきます。
中国の小売業はこの20年、大きな変化トレンドの中にあって、コロナ禍は突発事態というよりも、そのトレンドを加速したにすぎないと見ることもできるのです。モールは時代に合わせた業態変革に遅れていたところにコロナ禍が襲ってきたために、致命的な打撃を受けたと見ることができます。
・SARS流行で急成長した国内系の都市型スーパー
・ECが小売業の世界を大きく変えた
・ショッピングモールが林立した理由
・過当競争の追い撃ちをかけたコロナ
・アリババが「買い物」を変えた。
・「新小売」に対応できない業態は廃れていく
・ショッピングモールに立ちはだかる大きな障害
・「新小売」と短距離配送の波は日本にも来るか?
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『知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード』(2021年2月22日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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