Netflixの2021年1-3月決算を分析します。コロナ禍のピークだった前年同月比に比べ、やや物足りない数字となった今回の決算。今後はどのような戦略を打つのでしょうか?(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)
※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2021年5月9日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
AppGrooves / SearchMan共同創業者。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了(工学博士)。元・楽天株式会社執行役員(当時最年少)、元・東京大学工学系研究科助教、元・スタンフォード大学客員研究員。
Netflixがゲーム参入?Netflixの次の一手を予想できる考え方とは
私のYouTubeチャンネルでは、決算読み解き実況中継をしています。おかげさまでYouTubeの方も多くの方にご覧いただいているのですが、特に忙しいビジネスパーソンの方たちから「YouTube動画の内容を知りたいが、動画を見る時間が無い」というお声を多数いただいています。
この記事では、以下の動画の内容をスクリーンショット付きで文字起こししてあります。動画を見る時間はないけれど、内容を短時間でおさらいしたいという方に最適です。
決算の印象「値上げで売上は絶好調、しかしこの先の成長に鈍化の兆し」
――(Asako)皆さんこんにちは。今回は、Netflixの2021年Q1の決算をシバタさんに解説して頂こうと思います。
――早速、業績を見ていきましょう。2021年Q1の売上は、$7,163M(約7,163億円)、前年同期比+24.2%となっています。
――有料会員数についても、2億764万人と、前年同期比+13.6%の伸びを見せています。
――売上の伸びが堅調な一方、有料会員数については頭打ちになってきているように見えます。シバタさんの今回の印象はいかがでしたか。
(シバタナオキ)売上が$7.2B(約7,200億円)で、前年同期比+24%と、すごく良いペースで伸びています。一方で「Global Streaming Paid Memberships」は2億人を超えているのですが、四半期の追加分が398万人に留まっています。
十分大きい数字ではありますが、昨年コロナですごく伸びたのに比べると、やはり物足りません。売上に直接響く有料会員数が、前年同期比+13.6%とスローダウンしているのは少し厳しいところです。
今回Q1の結果は+13.6%でしたが、Q2の見込みも出ていて、+8.1%とかなり弱腰な数字になっているのが分かります。
Netflixの決算では、いつも上のようなグラフが出てきます。このグレーの部分が、事前に出していた見込みです。緑や赤が実績値になります。予想よりも良い時は緑、悪い時は赤と出てきます。
2020年は見ての通り、Q3を除いて全て緑です。しかし今回は赤になっている上、予想よりもかなり悪かったことが伺えます。そのため、厳しめな予想からさらに下振れしたという四半期だったのではないでしょうか。
今の時点では、値上げしたこともあり、売上も利益も絶好調に見えます。しかしこの先成長が鈍化すると懸念されるのが今回の決算の印象です。
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