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なぜビットコイン10%急落?法定通貨化エルサルバドルは「弱い買い主体」2つの根拠=高梨彰

エルサルバドルではビットコインの急落を支えきれない

さて、ビットコインを法定通貨としたエルサルバドルは、今後も購入を続ける可能性があります。てことで、参考となる数値を以下に。

エルサルバドルの外貨準備高:29.15億ドル(約3,200億円 ※外務省より)
エルサルバドルGDP(国内総生産):約270億ドル(約3兆円)
ビットコインの流通残高:100兆円弱(1,880万ビットコイン)
日本の外貨準備高:約1.4兆ドル(150兆円強 ※財務省より)

これらの数値を眺めると、ビットコインが急落した場合、エルサルバドルが買い支えられる外貨準備の水準は少ないことが分かります。

加えて、ビットコイン下落がそのままエルサルバドルの国家財政にも直接影響を与えそうです。

しかも「弱いロング」のレッテルを早くも市場は貼ってしまいました。中途半端にエルサルバドルがビットコインの押し目買い、ナンピン(難平:評価損を抱えた資産の平均保有単価を下げるため、相場下落時に更に買い増すこと)をすれば、余計にイジメやすくなってしまいます。

エルサルバドルでは米ドルが主な通貨として流通しています。そのため、不測の事態に伴うハイパーインフレ等も起きる可能性は低そうです。

しかし、ビットコインという値動きの荒い通貨に、好むと好まざるとに関係なく「投資家」としてエルサルバドルは首を突っ込み、「弱いロング」と化してしまいました。

エルサルバドルがムキになってナンピンしないことを願うばかりです。

今回のまとめ

・エルサルバドルがビットコインを法定通貨とした日、ビットコインは10%下落
・エルサルバドルは「弱いロング」と化したようです
・ムキになってナンピンしなければ良いのですけど

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image by:Mehaniq / Shutterstock.com
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徒然なる古今東西』(2021年9月8日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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