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coly、売上高は前年同期比+24.7%で増収増益、創業以来の黒字経営を維持 下期の周年イベントにも期待

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2021年9月21日に行われた、 株式会社coly2022年1月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

2022年1月期第2四半期決算説明会

中島瑞木氏:株式会社coly代表取締役社長の中島瑞木でございます。よろしくお願いいたします。これより、2022年1月期第2四半期決算説明会を開催いたします。

本資料については、事業計画および成長可能性資料も兼ねています。あらかじめご了承ください。では、さっそく始めさせていただきます。

株主・投資家の皆様

まず、本説明会にご参加いただいている株主と投資家のみなさまに御礼申し上げます。2月に上場して以来、足元での株価について、ご心配をおかけしています。

当社としては、現在の株価は割安であり、上昇の余地があると考えています。当社は上場まもない会社ですが、直近数年の実績ベースでの利益成長性は非常に高く、この後ご説明していくような取り組みにより、将来的な利益成長率も高いと考えています。

また、当社はゲームだけでなくIPを活用した周辺ビジネスを展開しており、今後も注力していく予定です。安定した収益の割合も拡大していく予定ですので、いわゆるリスクプレミアムについては、長期的には一般的なゲーム会社よりは低くなっていくものと考えています。

引き続き、積極的な事業拡大と、特に今期からの適切なタイミングでのIRにより、社会に開かれた総合エンターテイメント企業として、正しく評価していただけるよう尽力し、ステークホルダーのみなさまの貢献に報いたいと考えています。

さて、私たちは、女性向けIP市場の持つ大きな可能性をいち早く見出し、ビジョンである「もっと、面白い」作品作りに邁進してまいりました。みなさまのお力を借りた上場を経て、当社は人員をさらに増強し、組織力・開発力はますます強固になっています。ユーザー様の層に近い女性社員も多く在籍しており、女性総合エンターテイメント業界でヒットIPを作り続けられる、唯一の組織であると自負しています。

今後とも、より一層のご指導・ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

ビジョン&バリュー

今回初めてご参加する方のために、当社のビジョンについてご説明します。私たちは、「もっと、面白く」をビジョンに掲げ、女性向けエンターテイメント市場をリードするIPクリエイター&ディベロッパーです。

当社の「もっと、面白く」というビジョンは、世の中に「もっと、面白い」ものをお届けし続けるだけでなく、これまでの常識にとらわれずに「もっと、面白い」ものを貪欲に求める姿勢を表しています。

女性向けエンタメ市場をリードするIPクリエイター&ディベロッパーである当社にとって、このビジョンこそが、ハイクオリティなオリジナルIPの創出、あるいは他社様と協業したIPでの幅広い事業展開を生み出す土壌となっています。

さらに、「徹底的にクオリティにこだわる」文化や「協調性を大事にする」「課題を個人に帰結させず、仕組みで解決する」といった行動指針を社内に浸透させ、ビジョンの実現を力強く推進しています。

colyが取り組むこと

決算報告に入る前に、当社の取り組みの全体像をご説明します。IP開発運営を軸とした総合エンターテイメント企業として、事業面では「運営タイトルの更なる成長」「新規タイトルの開発」「colyの強みを活かす協業」に取り組み、また、それらを支える「組織の強化・多様化」を重点的に行っていきます。

これまでは、自社開発を軸足においた経営を行ってまいりましたが、今後は、それに加えて、外部需要と開発上の必要性に応じ、他社様との協力体制の構築にもあわせて取り組みます。

また、想定している長期的な未来図として、現在はエンタメ産業とは直接結びついていない産業分野が、今後はエンタメ産業と有機的に結びつくようになると考えています。

私としましては、「DX」と呼ばれるデジタルトランスフォーメーションの次に、「EX(エンターテイメント・トランスフォーメーション)」が来ると考えています。「EX」は、colyが独自に考えた言葉なのですが、そのような時代の変化や到来を見据えつつも、現在のcolyは着実に魅力的なIPを生み出し、育てているフェーズであると考えています。このような長期的なビジョンについては、また別の機会に共有したいと思います。

本日は、今期のトピックや中期的な戦略についてご説明します。それでは、本決算においてご報告できるニュースもいくつかありますので、次のスライドでご説明します。

トピック&ニュース

本決算において、特にみなさまにお伝えしたいトピックです。まず、1つ目の業績については、売上高は29億4,323万円、営業利益は7億1,395万円と、前年同期比で増収増益となり、順調に推移しています。また、当社の主要タイトルにおいては、イベントが盛り上がる周年記念タイミングが下期に偏重しているため、業績も下期偏重を見込んでいます。

2つ目は、先日発表したばかりのフジテレビ様との協業についてです。他社様との協業による作品作りは当社初の試みであり、今後は、フジテレビ様をはじめ、企業との協業を検討していきます。また、複数ラインを無理なく走らせる開発体制ができつつあり、多くのお客さまを抱えているグローバルなIPホルダー様との協業であっても、シナジーを生み出せる体制が整っています。

3つ目は、こちらも発表したばかりの『スタンドマイヒーローズ』のリニューアル展開についてです。今年で5周年を迎えた本作ですが、多くのユーザー様から引き続き応援いただいています。このリニューアルは、「10年愛される作品」となるための準備の1つとなります。『スタンドマイヒーローズ』に限らず、運営中のタイトルについても、さまざまな展開を予定しています。また、リニューアルのほかに、3作品の新規タイトルの開発も進行中です。

会社概要

あらためて、当社の事業内容や当社が属する市場について簡単にご説明し、決算報告に移ります。

会社概要です。設立は2014年で、現在8期目とまだ若い企業ですが、従業員はすでに276名以上を抱える規模まで増加しています。引き続き、厳選した採用を行うとともに、優秀な学生にいち早く声をかけるための仕組み作りや、これまでアプローチの薄かったエリアでの採用活動を推し進めるなど、さらに採用を強化し、加速させていく予定です。

役員紹介

当社の役員構成について簡単にご説明します。私と中島杏奈の双子で代表を務め、創業時から参画している事業本部長の佐々木大地も取締役を務めています。

IPクリエイター&ディベロッパーとしての事業拡張

こちらは、当社が掲げる、IPクリエイターおよびディベロッパーとしての事業戦略を図解したスライドです。宇宙のような背景にしていますが、魅力的なIPを軸とした事業が幅広く展開されていくことを表現しています。

当社は、ゲーム開発企業というよりは、IPホルダーとして、ゲーム開発運営やMD展開を包括的に担う企業であると認識しています。スライドの図では、足元でシナジーの高い業界の例を挙げましたが、すでに協業しているとおり、例えば、カフェやレストランや出版業界などといった、一見当社IPとは関連が低いように思える産業であっても、協業の可能性は充分にあると考えています。

今後は、新たに自社開発するオリジナルIPや、他社様との協業で生まれるIPの活用に加え、業務提携やM&Aなどを通じて、事業規模と事業の幅を拡大していきたいと考えています。

事業概要

足元で取り組んでいる事業について、具体的にご説明します。現状の主な事業としては、左側の緑色の部分にあるような「モバイルオンラインゲーム運営」、赤色の「新規IPの開発」、そして青色の、それらのキャラクターを活かしたグッズ販売やリアルイベント開催などの、いわゆるマーチャンダイジングの展開があります。

モバイルオンラインゲームに関しては、現在、国内では3タイトルを丁寧に運営しながら、同時に新規IPの開発も鋭意進めています。また、キャラクターを活かしたマーチャンダイジング事業も、徹底的にクオリティを追求することで年々成長しており、重要な事業の柱となっています。

スライドでは、ゲーム運営やMD展開を事業形態ごとに分けて記載していますが、いずれも魅力的なIP開発が起点にあります。魅力的なIPを自社で開発・運営できるからこそ、結果として、ゲームやMDそれぞれが成長していくものと考えています。

沿革

当社が創業してからの沿革を図示しました。2014年に創業後、ノベルゲームの『ドラッグ王子とマトリ姫』を1作目としてリリースし、現在までに、海外版を除くと4作品を1年から1年半程度の間隔でリリースしています。

当社は、まだ8期目と若い会社ですが、高い成長率を続け、本年2月に東証マザーズ市場に上場するに至りました。マンションの一室で創業して以来、「もっと、面白く」のビジョンのもと、お客さまに受け入れていただける開発運営と組織作りに、1作目から一人ひとりが徹底的に向き合って挑戦し続けてきたことが、高いヒット率につながっていると考えています。

業績推移

当社の哲学に基づく高品質な作品作りに努めた結果、業績は新規作品制作ごとに拡大しています。2021年1月期までの6年間における売上高のCAGRは115.4パーセント、営業利益のCAGRは231.9パーセントとなっています。2020年1月期には営業利益率が一旦へこんでいますが、こちらは4作目の『魔法使いの約束』リリース準備のための一時的なコスト増によるものです。

今期は、複数のタイトル開発が並行して進んでいるにもかかわらず、営業利益率としては、高い水準を保つ予想となっています。

このように、新規作品の開発を進めながらも、一度も赤字を出すことなく、順調に推移しているのは、このような業界では珍しい特徴となっていますが、これも当社のオリジナルIP開発力と運営力によるものです。

2022年1月期第2四半期業績サマリー

2022年1月期第2四半期決算報告に移ります。業績サマリーです。まず、スライドの緑色の枠で囲まれた売上高についてです。モバイルオンラインゲーム・MDともに堅調な推移となり、増収増益となりました。

モバイルオンラインゲームでは、女性向けコンテンツ業界で6月に盛り上がりを見せる「ジューンブライド」というテーマに合わせ、ゲーム内外でイベントを実施しました。『魔法使いの約束』の1.5周年が順調に推移したこともあわせて、結果として前年同期比でプラス21.1パーセントの23億6,900万円となりました。

また、MDについても、緊急事態宣言の再発令により、オフラインイベント開催の縮小や延期がありました。しかしながら、自社ECサイトを用いたオンライン開催に切り替えたことや、『魔法使いの約束』のリリースから1年半ほどたち、イラストのコンテンツ量が増え、需要に見合ったグッズ供給が可能となったことで、大幅な増収となり、前年同期比プラス41.7パーセントの増加となりました。

これらの結果、全体売上高としては前年同期比プラス24.7パーセント増の29億4,300万円となりました。

また、赤色の枠内にあるように、営業利益としてはプラス13.8パーセント増の7億1,300万円となり、増収増益で着地しました。

2022年1月期第2四半期累計業績 PL

続いて、P/Lサマリーです。増収増益となった旨は先ほどお伝えしましたが、現在複数の新規開発を進めているため、実際には、研究開発費は前年同期比で増額しています。しかし、モバイルゲームおよびMDの増収幅によりコストを吸収したことで、増益となっています。

当社の業績傾向について

ここまで、2022年1月期上半期の業績をご確認いただきましたが、前提情報として、当社の業績傾向をお伝えできればと思います。

モバイルゲーム業界においては、各作品がリリースされてから1周年目、2周年目など、作品の誕生月に大きなイベントを打つため、そのタイミングで売上高が増加する傾向があります。

当社の主力作品である『スタンドマイヒーローズ』『魔法使いの約束』は、それぞれ9月と11月が誕生月にあたり、第3四半期および第4四半期に周年が属しているため、業績が下期に偏重する傾向があります。こちらを前提として、現在の通期業績予想に対する進捗について、次のスライドでご説明します。

2022年1月期第2四半期累計 対通期業績予想進捗状況

本年3月に開示した通期業績予想に対する、第2四半期までの進捗です。一見、進捗率としては低く見えるかもしれませんが、当社の業績には下期偏重の傾向があるため、想定どおりの推移となっています。

販管費推移・内訳

前期の第2四半期から今期の第2四半期までの各四半期の販管費の推移です。複数の新規作品開発を同時に進行しているため、研究開発費が増加しています。採用も加速していますが、リファーラル採用などを活用していることもあり、人員の増加割合に対し、コスト抑制が行えていると考えています。

また、広告宣伝費については、周年イベントのあるタイミングで、特設サイト開設やテレビCM放映などの施策を行うため、昨年の第3四半期、第4四半期で大きく増加しており、今期も同様の推移を想定しています。

2022年1月期第2四半期末BSサマリー

B/Sサマリーです。大きく増減した項目について、ご説明します。流動資産が前期比で36億800万円増加していますが、要因は、上場にともなう増資による現預金の増加です。

また、負債が6億3,000万円ほど減少していますが、こちらは主に未払法人税および未払消費税などの減少によるものです。

アプリ内イベントの実施

第2四半期の足元の取り組みについてご説明します。はじめに、モバイルオンラインゲームについてです。当社では、現在のところ、ゲームアプリを「ユーザー様がキャラクターと最も親密にコミュニケーションをとれる場」だと考えています。ユーザー様に長くその場所を楽しんでもらえるように、常時さまざまなイベントを提供しています。

業績サマリーでもお話ししましたが、第2四半期で特に盛り上がりを見せたイベントが、6月の「ジューンブライド」です。結婚式をテーマに、各タイトルのキャラクターがタキシード姿や和装姿となり、特別なボイスや限定コンテンツを配信しました。

「ジューンブライド」は、毎年開催するイベントですが、今回も大変ご好評いただき、『スタンドマイヒーローズ』『魔法使いの約束』ともに、KPIが向上する結果となりました。

MDオンラインイベントの実施

第2四半期のMD展開として実施した、特別なオフラインイベントについて、ご説明します。スライドの左側にあるように、6月には、今年で6周年を迎えた当社1作目の『ドラッグ王子とマトリ姫』の記念ストアを開催しました。

また、スライド中央にあるように、同じく6月に、当社3作目の『オンエア!』と、4作目の『魔法使いの約束』がコラボしたポップアップストアを開催しています。このようなタイトル間でのコラボは、さらに多くのお客さまに、当社作品に触れていただく機会を創出することが目的です。

『オンエア!』は、ゲーム展開は終了していますが、現在も熱量の高い多くのユーザー様からご支持いただいているため、引き続きMD展開を積極的に行っています。魅力的なIPを軸に、幅広い事業を展開している当社だからこそ、ゲーム展開のみに依存しない施策が可能だと考えています。

次に、スライドの右側にあるように、『魔法使いの約束』が舞台化し、5月に第1章が開演されました。こちらも大変ご好評いただき、すでに第3章までの制作が決定しており、11月には第2章が上演予定です。

SNSを活用したオンラインイベントの実施

また、SNS上にて当社IPについての会話を楽しまれるユーザー様も多くいらっしゃいます。第2四半期では、さらなる認知度向上のため、SNSを活用したイベントも複数実施しました。

例えば、『スタンドマイヒーローズ』では、6月の「ジューンブライド」のイベント時に、特定の条件を満たしたツイートを行うと、タキシード衣装を着用したお気に入りの「カレ」の画像をお届けする企画を展開しました。これにより、『スタンドマイヒーローズ』公式Twitterのフォロワー数が約2000人増加し、1日あたりの平均新規インストール数が増加しました。

また、『魔法使いの約束』ではタイトルの1.5周年に合わせ、インフルエンサー様とのコラボ施策や、Twitter上でユーザー様がキャラクター要素を盛り込んだオリジナルプロフィールを作成できる施策を打ち出しました。これらの施策をSNS上で広くシェアしていただいた効果もあり、1.5周年イベントは順調に推移しました。

周年記念イベントの展開(第3四半期の取り組み)

第3四半期の8月から10月において、足元で重点的に取り組んでいる施策をご紹介します。先ほどお伝えしたとおり、当社は下期に周年イベントが偏重しており、現在の主力タイトルの1つである『スタンドマイヒーローズ』は9月に5周年を迎えました。

スライド左側に記載のとおり、すでに5周年記念ストアを開催しており、多くのお客さまにご来場いただいています。また、アプリ内でも記念イベントを実施し、5周年という節目にふさわしく大盛況のうちに終了しました。

10月には3作目である『オンエア!』の3周年記念ストアを開催予定です。本作品を愛してくださるみなさまのご期待に応えるべく、MD展開を通じて引き続き『オンエア!』の世界観をお届けしたいと考えています。

女性向けコンテンツ市場の特徴

市場規模および当社の優位性についてお話しします。まず、女性向けコンテンツ市場の特徴についてです。当社は開発したIPを、ゲームを含むさまざまな媒体で展開し、事業を拡大しています。

女性向けコンテンツ市場には、キャラクターを好きになってくださったユーザー様が、ゲーム内に留まらず、他の場所でも消費活動を楽しんでくださる傾向があります。そのため、「グッズ・カフェ」「アニメ・漫画」「2.5次元(舞台)・動画(YouTube)」「ホテルなどの異業種とのコラボ」も含め、さまざまな媒体でユーザー様とのコミュニケーションが可能となります。

IP自体の人気が高まれば高まるほど、このような施策の需要も増加するため、当社のMDの売上高も右肩上がりで成長しており、5年間のCAGRは121.7パーセントと、さらなる成長を見込んでいます。

成長する女性向けゲーム市場

女性向けコンテンツ市場の中でも、特に女性向けゲーム市場の拡大についてお話しします。女性向けゲーム市場は、2016年頃から拡大を続けている、比較的新しい市場です。モバイルオンラインゲーム全体が右肩上りで成長する中、女性向けゲーム市場についても、「App Store」のセールスランキングで1位を獲得するようなタイトルが続々と出てきました。

特に2020年は大型タイトルの増加もあり、市場規模は前年比22.2パーセント増の、855億円ほどになりました。まだまだ拡大余地のある、魅力的な市場であると考えています。

高品質な作品を制作する独自の企画・開発・運営力

組織の強みについてです。当社は全社員のうち、女性社員が7割以上と女性が非常に多く、また、平均年齢が28歳と若い社員で構成されています。社員がユーザー様と近い目線を持っているため、流行が移ろいやすいこの業界でもタイムリーにニーズを掴み、多くの女性にヒットする質の高い作品を企画できています。

また、開発部門の内製化による、開発のスピード力や運営の機動力も当社の特徴です。多くのゲーム会社様では、開発などを外注する傾向もありますが、当社はコンテンツ開発から技術開発まで主に自社内で開発・運営を行い、ノウハウの蓄積と社内共有を図り、開発体制を強化しています。

この体制のもと、ユーザー様の動向を見ながら即座に対応を行い、作品を「もっと、面白く」するための機動的な運営ができています。このような組織の強みを最大限に活かしながら作品作りを行うことで、当社の作品はいずれも「App Store」などのアプリプラットフォーム内で、ユーザー様より高い評価をいただいています。

メディアミックス戦略を含む長期運営力

さまざまな媒体において展開を行う当社のメディアミックス戦略により、永く愛されるIP作りを可能としていることも当社の強みです。その1例として、当社の2作目『スタンドマイヒーローズ』が2019年にアニメ化されました。地上波で放送された時のデータをスライド右の折れ線グラフで示しています。

アニメ化に伴い、ゲーム内での記念イベントの実施や、アニメ版キャラクターグッズの展開、カラオケやレジャー施設とのコラボも行い、アニメ化をゲーム内外の施策で盛り上げました。

その結果、新規ユーザー様の獲得や、今ゲームを楽しんでくださっているユーザー様の熱量向上につながり、アニメ放映前の前年同期間と比べ、いわゆるDAU、1日に1回以上ログインされるユーザー様の数が大きく増加する結果となりました。

組織としての高いエンゲージメント

厳選した採用による、組織としての高いエンゲージメントも当社の強みです。上場により当社の認知度はより向上し、作品のファンである方からの社員募集へのご応募も増加しました。当社では採用基準として、「もっと、面白く」というビジョンやバリューへの共感を大事にしています。

応募いただいた100名に対し、最終的に内定となる方は1名程度と、上場後も引き続き丁寧な採用活動を行っています。このような採用活動の結果、当社の作品へのエンゲージメントおよびビジョンへの共感度が高い社員が非常に多く、ヒットを生み出せる組織へとつながっています。

当社の競合環境・競争優位性

スライドに他社様と比較した当社の競争優位性をまとめています。「高い内製化率」「ユーザー目線を持つ社員比率の高さ」「ゲームおよびMD事業両輪での成長」という3つの強みにより、他社様と比較しても高い成長性、収益性を実現できていると自負しています。

実際に当社は、同業他社内では直近3事業年度での営業利益成長率が1位となっています。これは、高いヒット率を維持しながら、内製化によるコスト抑制と、社内におけるノウハウの蓄積を行っているためです。

また、自社IPを軸に、ゲームやMD事業を包括的に成長させることで、コスト増を抑えつつ、モバイルオンラインゲームの売上高のみに依存しない事業を行っていることも、当社の大きな優位性となっています。

広告宣伝費のみに依存しない成長性

さらに当社は、他のモバイルオンラインゲーム開発企業と比較すると、広告宣伝費と成長率の関係においても優位性があります。スライドのグラフは、直近2年間での売上高に対する広告宣伝費率を横軸に、成長率を縦軸においたものです。

当社では、投下した広告宣伝費の割合に対し、売上高成長率が高くなっています。この理由は、当社が広告の最適化を徹底し、さらに、ゲームのみに依存しない、多様なIP展開を行っているためです。

今後の新規ゲーム&リニューアル展開

あらためて、今後の成長戦略について、アップデートした内容をご説明します。はじめに、今後の新規ゲームの開発スケジュールについてです。来年春から夏頃を目処に、新規作品をリリース予定です。これは自社開発IPであり、ゲーム内容についてはタイミングが来ましたら速やかにお知らせします。

2022年内を目処に、『スタンドマイヒーローズ』のリニューアル展開を予定しています。以前より10年続くIPを目指して運営してまいりましたが、リニューアル展開により、新規ユーザー様や、作品を楽しんでくださっているユーザー様にも、引き続き『スタンドマイヒーローズ』をお楽しみいただけるように準備しています。先日、Twitterなどでユーザー様に告知を行いましたが、大変大きなご期待をいただいているという状況です。

次に、フジテレビ様との協業案件です。2022年秋以降の新規作品のリリースを目指しており、こちらもタイミングが来ましたら速やかに詳細をお知らせします。前半の「トピック&ニュース」のページでもお伝えしたとおり、当社は、今後他社様IPとの協業についても積極的に検討してまいります。

これら以外にも新規タイトルの開発・検討を行っている他、運営中のタイトルをコンシューマーゲームへと展開することも検討しており、引き続き、幅広い開発を行います。リリース時期や内容については、ユーザー様にとって最も適切なタイミングでの開示と、作品のクオリティ追求を最重要視しているため、資料上、やや幅をもたせた表現をしています。

成長戦略の進捗状況

上場日に開示した7つの成長戦略の進捗状況について、順にご説明します。

自社作品の新規開発・販売計画

「自社作品の創出」について、人員増加と組織力向上により変わった点をご説明します。これまでの当社においては、人員リソースの問題などで、新規作品開発を社内で複数本同時に走らせることが難しい状況でした。

しかし現在では、組織の増強と、社内に作品制作の知見が蓄積されてきたことで、クオリティを担保したまま、複数の作品開発を同時に進行することが可能となっています。今後も、スピードを上げつつ、丁寧な開発を行っていきます。

他社様との協業や業務提携等による収益の拡大

他社様との協業についてです。今後、当社は自社作品開発に丁寧に取り組むのはもちろんのこと、他社様が運営されている大切なIPを共同開発していくことにより、スケールの大きい作品づくりを行ってまいります。

また、IPを軸とした幅広い事業を展開していくにあたり、必要な業務提携やM&Aなども検討しています。いずれも、ビジョンである「もっと、面白く」を実現し、上場後の成長角度をさらに大きくしていくための施策と考えています。

10年以上続く作品作り

作品の続編展開についてです。当社の2作目である『スタンドマイヒーローズ』のリニューアル展開が発表されるなど、10年続くIPとしての取り組みも、順調に進んでいます。

もともと『スタンドマイヒーローズ』はノベルゲームであった1作目『ドラッグ王子とマトリ姫』の世界観を広げ、パズルゲームとして2016年にリリースしたものになりますが、お陰さまで、今年の9月に5周年を迎えることができました。新たな展開を行うことで、今楽しんでくださっているユーザー様や、新規ユーザー様にもお楽しみいただくことを意図しています。

社内連携を駆使した自社MD展開

自社MD展開についてです。当社の売上高において、MDは年々着実に成長しており、今後もさらなる成長と発展を目指します。

当社は他社様にMD展開の一部をおまかせしつつも、MDにおいてはクオリティを最重要視した企画を自社主導で行っています。MD企画の内製化は、実務上かなり難易度が高いのですが、自社ECによる販売コスト削減により、高い利益率の実現に繋がっています。

メディアミックスの展望

メディアミックス戦略についてです。IPを軸としたメディアミックス展開について、今後も重点的に取り組んでいきます。これまで当社は『スタンドマイヒーローズ』のアニメ化、『魔法使いの約束』のコミック化や、声優様を起用した「YouTube」での番組展開などに取り組んできました。

舞台『魔法使いの約束』については、11月に第2章の上演も決定しています。IPを軸に事業展開を行い、ユーザー様の多様なニーズに応えることにより、作品の経済規模を拡大することが強みとなっています。

シナジー効果を生み出す業務提携等を推進

そのようなメディアミックス戦略の1つとして、今後強化していきたいと考えているのが、成長を加速させるためのM&Aや資本業務提携です。例えば、提携先はアニメ制作会社やグッズ制作会社、コラボカフェをはじめとした飲食会社などをイメージしています。

当社のIP開発力や、長期的なIP運営力が一緒になることで、強いシナジーを生み出せる業界を見極めています。まだ検討段階ではありますが、このような施策により、当社のビジョンである「もっと、面白く」が実現した世界を目指したいと考えています。

アジア圏における女性ゲーム市場の大きな拡大余地

アジア圏における海外展開についてです。現在、繁体字圏である台湾、香港、そして韓国でゲーム展開を行っていますが、今後はその範囲を中華圏全土へ広げていきたいと考えています。

当社には外国籍の社員も一定数在籍し、ローカライズ専門チームも有しています。また、中華圏は女性向けゲーム市場の成長が著しく、中華圏ユーザー様のニーズをくみ取ることで、当社ヒット作品の再展開が可能と考えています。

現在、中国政府のゲームに関する規制が強まっているという報道が多くありますが、当社では現地パートナーとの協業の上、ローカライズでの開発を検討しています。今後も、現地のリスクに鑑みた上で、適切に対応していきます。

北米等への更なる海外展開

最後に、北米などでの海外展開についてです。今後は、北米なども含めた地域に当社の作品をお届けできるよう、領域拡大を図っていきます。

現時点では、具体的な展開スケジュールをお伝えできませんが、現地状況のリサーチを進めつつ、世界中のみなさまに当社の作品をお楽しみいただけるよう、すでにパートナー企業との議論を進めているため、今後の展開にご期待いただければ幸いです。以上が、当社に関する7つの成長戦略の進捗状況となります。

2022年1月期重点施策

2022年1月期の重点施策をご説明します。注力していきたい施策は2つあります。まず、運営中作品の新規ユーザー様獲得を目的とした、広告宣伝費の投下です。作品の周年タイミングで、Web広告を中心に投下し、新規ユーザー様の獲得を図る予定です。

次に研究開発費の投下です。現在、複数の新規作品を同時に開発しているため、研究開発費は大幅に増加する予定です。費用の主な内訳は、開発メンバーの人件費、外注費と家賃などの間接費となります。コストは増加しますが、あくまでも当社の事業成長のための投資であり、来期以降はさらに飛躍するための布石であるとご理解いただければ幸いです。

積極的な人材採用と、採用活動の強化

事業を加速させるための優秀な人材の確保も重点施策としています。第2四半期末時点では当社の人員は276名となっていますが、今期末では300名を目指しています。当社は東京都に本社がありますが、例えば、それ以外の都市として京都などでの採用活動も強化することで、人員のさらなる増強を図り、事業成長につなげていきます。

IPOによる調達資金の使途

上場時に開示した、IPOによる調達資金の使途については、当初から原則変更はありません。「作品の運営にかかるゲーム運営費用」「新規作品の開発にかかる費用」「広告費用」の3点に投資していく予定です。

来期の新規作品の開発については、この調達資金の他に、手元資金より大規模な追加投資を行うことで、パイプラインのさらなる拡充を図ることを検討しています。

colyが思い描く世界

本日はお忙しい中、ご清聴いただき誠にありがとうございました。引き続き、企業価値の向上に努め、IPクリエイターおよびディベロッパーとして、総合エンターテイメント企業を目指し成長していきたいと思います。今後とも、株式会社colyを何卒よろしくお願いします。ありがとうございました。

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