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日経平均1年10ヶ月振りの下げ幅で当面の底打ちか?それでも大底と言えぬ5つの指数動向=山崎和邦

業績上振れ銘柄に買い

業績が上昇している電機・半導体・海運株は最近下げが目立っていただけに押し目買いが入り、相場全体の押し上げにつながった。

ただし、「業績上振れ銘柄に買い」には賞味期限があることを承知しておきたい。

銀行株の代表である三菱UFJ<8306>は、この相場状況下でも高値を更新してきている。

電気機器の時価総額は大きく拡大し、2022年1月相場はその行き過ぎた反動・修正安で、時価総額を大きく減らした。相場が不安定な中で、消極的な物色ではあるが、一部資金は安定的な銀行株へシフトしたと考えられる。「株は利益を確定して完成品」となるだけに、今後はその流れがどこまで継続するかが焦点となってくる。

コロナ禍のピークアウトは読めない

2月中旬で感染一服となると想定してみよう。各国の感染者数は1ヵ月間程度急増したが、以前のピークの3倍程度をメドにピークアウトする傾向だという。この問題は人類が長年やってきた微生物との闘いで、人口の半分になった中世欧州のペストもあったが、最終的には人類が勝ってきた。日本の感染も、いつかは終わる。

株式市場では2月上旬でのピークアウトを織り込みたがっているように見えるが、こればかりは「相場に聞いても分からない」。

各国は集団免疫に近い状況に達したことがピークアウトの背景だとすれば、日本は全体としては累計の感染者数や3回目ワクチン接種数はかなり少なく、2月上旬でピークアウトしない可能性もある。その場合は、社会活動の抑制が急に強まることや政権批判が強まる可能性もある。

先週のNY市場は4日続伸した。2日の朝方発表の米雇用指標の悪化を嫌気して、景気敏感株は売り優勢だった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4日続伸した。

先週半ばからグロース株に売り

日経平均は4営業日で1,300円以上も上昇した後だったから、5営業日目の2月3日(木)にはグロース株を中心に幅広い銘柄に戻り待ちの売りが出た。

グロース株の売りは指数を押し下げる効果がある。米ハイテク株で構成するナスダック100指数の先物が日本時間で大幅に下げ、東京市場でもグロース株の重荷となった。

25日線との乖離率が大きいものから買われた

1月は1,900円以上下落をしたが、先週水曜日までは4日間続伸し、上昇幅は1,368円、1月1ヶ月分の値下がりの6割以上を回復した。中味を見ると、25日線との乖離率が大きいものから買われている。25日線との乖離率が7%以上のものが主力銘柄の中でも8銘柄ぐらいあったが、その銘柄はやはり買われていた。

25日線との乖離率が10%前後に達する銘柄の上昇が目立つ。1月の急落場面で売りが集中した銘柄を中心に上昇した。例えば、乖離率15%のサイバーエージェント<4751>、乖離率14%の富士通<6702>、楽天グループ<4755>などであった。もっともこれは空売り筋の買い戻し、あるいはつなぎ売りの買い戻しによるものかもしれないから、この回復の持久力には必ずしも確信はない。

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<山崎和邦の投機の流儀 vol.505 2/6号>

■ 第2部:中長期の見方
(1)「株式市場に不吉な前兆、これは下落相場の始まりか」
(2)消費者心理を表す消費者態度指数は2ヶ月連続で悪化
(3)中長期の見方:中間選挙はバイデンの苦戦が予想される。
(4)この1年の大型株の台風の目は海運株と銀行株だった。
(5)国際比較の上で、割安でも買われない日本株
(6)JPモルガン証券は、1月下旬からマクロ系ファンドは日本株売りに傾いた─彼らも失敗はすることあり
(7)東芝の迷走、病巣は日立に比べて技術者トップが少ない。
(8)脱炭素問題と東電

■ 第3部;国策に売りなし、国策には乗れ
(1)当面の小さな事例─日本郵政株(6178)の売り出し
(2)昭和の大きな事例─佐藤内閣の昭和40年不況脱出と史上最長の「いざなぎ景気」の作出→3年後にGDP世界2位
(3)平成の大きな事例─
<1>1992年の大失政・宮澤内閣の大蔵官僚
<2>1995年と98年の恐慌防衛策の小さな成功・村山・小渕内閣
<3>2003年の大英断─公的資金で解決・小泉竹中プラン   
<4>2012年の「日本を取り戻せ」・安倍内閣

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image by:Tanakorn Akkarakulchai/ Shutterstock.com
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山崎和邦 週報『投機の流儀』』(2022年2月6日号)より一部抜粋
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大学院教授(金融論、日本経済特殊講義)は世を忍ぶ仮の姿。その実態は投資歴54年の現役投資家。前半は野村證券で投資家の資金運用。後半は、自己資金で金融資産を構築。さらに、現在は現役投資家、かつ「研究者」として大学院で講義。2007年7月24日「日本株は大天井」、2009年3月14日「買い方にとっては絶好のバーゲンセールになる」と予言。日経平均株価を18000円でピークと予想し、7000円で買い戻せと、見通すことができた秘密は? その答えは、このメルマガ「投機の流儀」を読めば分かります。

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