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ドル高・人民元高が同時に起こる北京五輪前の異常相場。しわ寄せの「円安」はこの先どう動く?=角野實

オリンピックが開催される国の為替は通貨高になり、株価は1ヶ月前には頭をとるというアノマリーがあります。開催が2月に迫まる北京五輪を例に、オリンピックが世界マーケットに与える影響を解説します。(『角野實のファンダメンタルズのススメ』)

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※本記事は有料メルマガ『角野實のファンダメンタルズのススメ』2022年1月11日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:角野實(かどの みのる)
大学卒業後、金融機関に10年ほど勤務。独立して投資家の道へ。現在は企業経営者として活動、FX関連の執筆を多数行っている。

オリンピック開催国は本番1か月前から通貨高へ

東京オリンピックは7月から開催されましたが、7月の上旬からそこまで円安のトレンドだったものが、反転円高になっています。以下はドル円のチャートです。

オリンピック開催時のマーケットというのは、大きく2つの特徴があります。

1. 開催国の為替は1か月前程度から大きく通貨高になる傾向がある
2. 株価はその前まで上昇し、たいていの場合、1か月前に頭をとってしまう

オリンピックの開催というのは大きなお金が動き、そして人の移動も活発になるという特徴があります。

今まで夏開催のオリンピックでは、前述の傾向が顕著でした。そして、今回の北京オリンピックは、まるで夏開催のような動きになってしまっています。

参考までに、前回の北京オリンピック開催後にはリーマン・ショックが起きました。ロンドン、アテネなどの開催後に大きな経済的打撃が起こったのも無関係ではないと思います。

要はオリンピック前に急激なお金や人の流れ込みが行われるのですが、反面、開催後の流出によって、その効果が失われると考えることもできます。

アノマリー通りなら「人民元高」になるが…

今回の北京オリンピックを見てみましょう。

ドル人民元になります

北京五輪は2月開幕で、その1月から人民元高が開始されると自由国では思われますが、中国は為替が市場に任されているわけではなく共産党の意向で決定をされる側面があります。

通常、ドルが年間7パーセントも上昇すれば、人民元は安くなるはずですが、人民元は上記のグラフの通り、2021年3月以降に人民元高が進行しています。

共産党が操作をしている為替相場ですので何とも言えませんが、中国に人や物資が流れ込んでいる証左ともいえる可能性があります。

Next: 「ドル高なら人民元安」の常識が覆った?あおりを受けて“円安”へ

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