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AT1債が紙くずに…“こんな債券はヤバい”を長期投資のプロが解説。株式とのバランス、楽天社債・ソフトバンク劣後債の見極めも=栫井駿介

債券とは?

そもそも「債券」とはどのようなものなのでしょうか。

<どうやって金利が決まる?>

発行通貨における国債利回りを基準に金利が決定。リスクが高いほど国債利回りとの差(スプレッド)が大きい。「劣後債」は通常の債券(シニア債)よりデフォルトしやすい。

<米ドル建て債券の金利が高い理由は?>

米国債(ドル)の利回りが高いため。同じ10年なら、日本円0.49%、米ドル3.48% ※2023/04/25時点
金利差は長期的には理論上為替によって調整される(高金利通貨の価値は低下)

<どこで取引される?>

株式のような公開市場はなく、基本的に証券会社との相対取引。したがって、買いたいとき・売りたいときに取引することが難しい。証券会社でも、対面取引がほとんど。

私の債券に対する考え方

  • 基本的にマクロ(国債利回り)に連動。金利が低い時期に投資する意義はほとんどない
  • 金利上昇時には株式に対して相対的に妙味(株価は下がりやすい)
  • 金利が上がった時に債券を買うというのは合理的な判断といえます。
    例えば今アメリカの中だけで考えると、アメリカ株を買ってリスクを取るよりも金利4~5%の米国債を買った方が良いとも言えます。

  • 外貨建てで利回りの高いものはあるが、理論(金利平価説)的には為替によって調整されるため、個人的には興味なし。新興国の場合デフォルトも
  • 今、アメリカの債券を高い利回りで買ったとしても、円高ドル安になることによってあまりメリットが得られないということになります。
    ずっとドルで持ち続けるならアリだとは思いますが、日本円にする、あるいは日本円から投資するのであればそこに投資する必要はないのではないかと考えます。

  • 債券投資で高い利回りを求めるのは悪手。消極的な投資と考えるべき。
  • 株式投資は多くの人が嫌うリスクのところに投資してうまくいくパターンもありますが、債券でそういうことはほとんどありません。

  • 長期的に見れば株式のリターンが上回るため、10年以上の運用で株価変動を気にする必要がないなら株式一択

<株式と債券のバランス>

金利上昇時には債券が有利になるので債券を増やし、金利下落時には債券を売って株式を買うというように、株式と債券のバランスを調整しながら運用すればよいと思いますが、現在の日本の金利だと債券を買うメリットはほとんどありません。

さらに、金利が上がると株式が下がる、つまり株式の買い時となったりするので、そこで債券を保持して株式が買えないとなるとその後の株価の上昇のメリットを受けられないこととなってしまいます。

よって、やはり10年以上の長期で考えると、債券はあまり考慮せずに株式に投資するべきだと私は考えます。

『10年以上なら株式、それ以内なら債券も交えつつ』ということになります。

Next: 証券会社から「良い債券があるよ」と勧められたら?

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