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AT1債が紙くずに…“こんな債券はヤバい”を長期投資のプロが解説。株式とのバランス、楽天社債・ソフトバンク劣後債の見極めも=栫井駿介

うまい話がやって来たら…

皆さんの元にも、証券会社から「良い債券があるよ」といった話が来ているかもしれません。

しかし、それが大丈夫なものなのか、きちんと見極めなければなりません。

<大丈夫な債券>

  • 先進国債
  • 地方債
  • 普通社債…金利次第(高いほど危ない)
  • 国内メガバンクAT1債…個人で買えるものはほぼ無いものの、あれば悪くはない。

<ヤバい債券>

  • 利回りの高い劣後債…リスクが利回りに反映されていない場合も
  • 新興国債
  • 仕組債

<仕組債のヤバさ>

「仕組債」が特に危ないものです。

仕組債とは、通常の債券のリスクや株価リスク、為替リスクなどを、様々な金融テクニックを使って全てまとめて、例えば【利回り18%】といった金融商品を作り、それを一般の投資家に売る際に「諸々まとめて利回り10%」と謳って販売するものです。

利回り10%の債券というと良いものに見えてしまいますが、実際は18%のリスクを含んだ債券なのです。

元々「ハイリスク・ハイリターン」だったものを「ハイリスク・ミドルリターン」で買わされることになってしまいます。

証券会社はこれを売ると儲かるので、積極的に勧めてくることもあります。

リスクの中身を全て理解することは相当難しく、何かあった時には一気にゼロになってしまうというものなので、仕組債を勧められた時には今回の話を思い出してください。

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楽天社債・ソフトバンク劣後債

最近、市場で話題になっている債券に、楽天やソフトバンクの債券があります。

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これらの債券については、私はそこまでヤバいとは思っていません。

しかし、”分からない”部分もあります。

やはり、債券で高い利回りを求めることはおすすめできません。

機関投資家ですら分からないリスクが含まれています。

本当に利回りにリスクが反映されているかも分かりません。

債券に限ったことではありませんが、リスクとリターンのバランスを見極めることが投資のリテラシーということになります。

(※編注:今回の記事は動画でも解説されています。ご興味をお持ちの方は、ぜひチャンネル登録してほかの解説動画もご視聴ください。)


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image by:Nick Starichenko / Shutterstock.com
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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』(2023年4月30日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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