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サムスン依存で沈む韓国経済。GDPトップ10から脱落、日本から盗めない先端半導体で競争力低下=勝又壽良

「10年1日のごとく」

このように、韓国は過去の慣行を見直し改革するインセンティブが極めて弱い國である。「10年1日のごとく」生きることに、何ら疑問を持たない特性を持っている。これが、韓国社会である。その具体例を見ていきたい。

米国人の親が、子どもを叱るときに「韓国へ留学させる」と言うそうである。それは、朝から晩まで勉強漬けにするという韓国の例を引き合いに出したものだ。韓国では、英語の幼稚園、小学校の「医大受験組」に代表される早期教育熱が盛んである。さらに、暗記中心の大学修学能力試験のために、深夜まで机に向う受験生は「地獄」へ追い込まれている。ユン大統領は、大学修学能力試験の出題を「難問奇問」でなく常識問題にするように要請している。

だが、そうなると得点に差がつかなくなるから、さらに勉強時間を増やせという悪循環になっている。まさに、科挙試験の歴史を現代で繰り返しているのだ。これだけ、勉強に時間を食われているから、学校スポーツはいたって低調である。以下は、『ハンギョレ新聞』が報じた。

韓国は、スポーツの対日戦で「連戦連敗」である。選手層が、日本に比べて極端に手薄になっている結果だ。例えば、日本の女子バスケットボール基盤は、韓国と比べ物にならないほど豊富である。日本では、1つの地域だけで高校チームが500以上あり、各チームに30~50人の選手が所属している。韓国は、週末リーグに参加する高校女子チームが13チームに過ぎない。中学生の場合は、エントリーする選手が5人しかおらず、負傷や退場などで選手が抜けた後、コートに1人しか残っておらず、没収試合が宣言される一幕もあった。

若者にはスポーツが必要である。体力の錬磨以外に、仲間との協調の大切さなどが挙げられている。そういう精神面の協力をした経験がなく、受験勉強だけで終わる学校生活は、社会人になってから大きなゆがみをもたらす。「自己過信」と「非妥協」というどうにもならない韓国社会を形成するのだ。

特に、韓国左派の自分勝手な理屈を聞かされていると、こども時代にどういう教育を受けたのか、だいたいの想像はできるだろう。受験で1点でも多く取り、他人との競争に打ち勝つ。それが、成人後も習い性になって抜きがたい信念にまでなるのだ。左派の人たちは、こういう過程を経ているように思えるのだ。

公営企業は既得権益の巣

韓国は、科挙の歴史を持つので「官僚志向社会」である。その流れが、公営企業を増やしてきた。日本や英国では、すでに公営企業の民営化を実現した。韓国は「公営企業整理論」が御法度である。左派政権が、公営企業を利用して赤字をためる「プール機関」にしているからだ。もう1つ、公営企業に務めて「公務員」資格に浴する喜びである。左派の「戦闘部隊」である労組は、公営企業の民営化に絶対反対の姿勢である。

昨年5月現在、公営企業の負債は583兆ウォン(約58兆円)になった。文政権の5年間で90兆ウォン(約9兆円)も増えた計算である。22年の政府予算607兆ウォン(約61兆円)に匹敵する規模にまで膨らんでいる。

文政権は、一般会計の財政規律を緩めた以外に、公営企業の赤字も増やす政権であった。原発を一部廃止して生じた赤字は、公営企業の韓国電力にしわ寄せしていたのである。

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