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2月21日、日米株価にさらに追い風が吹く?市場関係者が注目する2つのイベント=脇田栄一

2月4週の注目点として、エヌビディア(NVDA)の通期決算(21日)がある。相場をひっぱる半導体大手ということで俄然、注目を集めている。さらに同日21日には1月FOMC議事録も公表される。この影響について解説したい。(脇田栄一)

プロフィール:脇田栄一(わきた えいいち)
FRBウォッチャー、レポートストラテジスト。1973年生、福岡県出身。個人投資家を経て東京都内の大手株式ファンドでトレードを指南。本来は企業業績を中心とした分析を行っていたが、08年のリーマンショックを経験し、マクロ経済、先進国中央銀行の金融政策の影響力を痛感。その後、FRBやECBの金融政策を先読み・分析し、マーケット情報をレポートで提供するといった業態を確立。2011年にeリサーチ&コンサルティング(現eリサーチ&インベストメント)を起業。顧客は機関、個人投資家、輸出入企業と幅広い。ブログ:ニューノーマルの理(ことわり)

エヌビディア株が急伸、時価総額は全米3位へ

2月4週の注目点として、エヌビディア(NVDA)の通期決算(21日)が相場をひっぱる半導体大手ということで俄然注目を集めている。

NVIDIA CORP<NVDA> 日足(SBI証券提供)

NVIDIA CORP<NVDA> 日足(SBI証券提供)

アルファベット(GOOGL)の時価総額を抜き、全米3位になったんだとか。チャートの急勾配は市場の注目を表しているのだが、予想EPSは4.5ドル(24年1月期)。昨年と一昨年は1.76(23年1月期)と3.91(22年1月期)。

当然、織り込まれての上昇なのだが、実際の結果によって出尽くしになるのか否か……はわからない。現在は726.13ドルで年初からの1か月半で上昇率は50%を超えている。

1月FOMC議事録に要注目

で、市場の最大注目は上記銘柄なのだが、同日21日には1月FOMC議事録も公表される。当ブログ『ニューノーマルの理(ことわり)』閲覧者の方はご存じのように、1月3日に公表された12月FOMC議事録では「QT終了」がほのめかされていた。

実際に会合直後からの資産推移では、1月31日に7.63兆ドル、2月7日も7.63兆ドル、14日も7.63兆ドルと、ここにきてFEDの保有資産が減っていない。

今回公表される1月下旬会合の議事録では、その形はどうであれ、QTテーパー(減速)が具体的に話し合われている可能性がある。

つまるところ、3月FOMCにてQT終了に向けた何らかのガイダンスが流れる可能性が示唆されている。

2月21日に潮目が変わる?

これはAI・半導体等のセクター業績とはまた別に、その相場を押し上げるマネタリーベース(流動性)の問題として注目される。もし、QT終了の具体案が本格化すれば?

21日、議事録の内容がそれをほのめかすものであれば、NASDAQ(エヌビディア含む)にとっても追い風になる。金利下がらずとも金利上昇圧力の低下ということになるからである(わかりますか?)。

そのような意味で、21日は非常に重要になる。

報道では、エヌビディアの連呼でしょう。相場はそれで一時的に動くかもしれないが、影(?)では、QT終了(量的引き締め終了)に向けた内容が議事録からわかり、急ピッチで騰がってきた相場全体をさらに支える可能性がある、ということだ。

image by:Michael Vi / Shutterstock.com

本記事は脇田栄一氏のブログ「ニューノーマルの理(ことわり)」からの提供記事です。
※タイトル・リード・見出しはMONEY VOICE編集部による

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