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VISAが金融業界で最強の企業になると言える理由。ビル・ゲイツは「いずれ銀行はなくなる」と言っている=鈴木傾城

日本の決済システムはどうなるのか?

日本ではQR決済みたいな手間もかかればセキュリティも低い決済システム(コード決済)が広がっていたのだが、こういうのは時間が経つにつれて駆逐されていき、もっとシンプルで分かりやすい決済システムに統一されていくことになるはずだ。

コード決済は、具体的に言えば「PayPay」「au PAY」「楽天ペイ」「d払い」などに代表されるものである。QRコードやバーコードを読み取って支払いをするものだが、「PayPay」などは莫大な宣伝費を使って広めたのでこれを使っている日本人も多い。

こうした「コード決済」とは別に、今、世界で最も使われている決済は「タッチ決済」と呼ばれるものである。「タッチ決済」はカードやスマートフォンなどを専用のICカードリーダーにタッチして使う。

いくらコード決済が宣伝されても使いにくいものは使いにくいので、時間が経てば間違いなくタッチ決済が主流になっていく。そして、決済市場は日本だけではなく全世界でタッチ決済に統一されていくはずだ。

タッチ決済と言えば日本では交通系電子マネーである「Suica」「PASMO」などがよく知られているのだが、この交通系電子マネーというのは金額をチャージして使う方式なので、これまた手間がかかる。

そのため、もっとも使い勝手がいいのは「VISA」「Mastercard」「JCB」などのクレジットカード系のタッチ決済である。今、日本で混乱状態にも見える電子決済の乱立の中で、結局は最後にはクレジットカード系のタッチ決済に統一されていくのだと私自身は考えている。

中でも強いのが「VISA」と「Mastercard」で、世界的なシェアを考えると、やはり「VISA」が日本の決済システムでも標準(デファクトスタンダード)になっていくのではないか。

日本のキャッシュレス化はまだ40%

私自身はiPhoneのiDでVISAの決済システムを利用している。つまり、スマートフォンでタッチ決済を行っている。タッチ決済に慣れていくと、もう現金での支払いが非合理に感じてやってられなくなる。

インターネットでの買い物とスマートフォンの普及でキャッシュレスに慣れた多くの若年層は、誰に言われるまでもなくスマホでタッチ決済を行っているはずだ。それでは、スマートフォンを使えない高齢者はタッチ決済ができずに紙幣・硬貨を使うしかないのかと言うと、そんなことはない。

銀行のカードやクレジットカードでもタッチ決済を使うことができるように整備されてきている。「クレジットカードを使いたくない」という人のために「デビットカード」でのタッチ決済もできる。

現在、日本でのキャッシュレス化は全決済の40%近くに迫っているのだが、まだまだ残りの60%は紙幣と硬貨で支払いをしている。その多くは高齢者であるのは間違いない。高齢者こそわかりやすいタッチ決済に移行すべきだろう。

そのタッチ決済を担うのがVISAであるということは、日本だけを見ても今後もVISAのビジネスが延び続けることを意味している。

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