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株価35%暴落「アステラス製薬」は買いの好機か?長期投資家が冷静に判断すべき製薬メーカーのリスクと成長性=佐々木悠

アステラス製薬に投資すべきか?

再度、株価の動きを見てみます。

アステラス製薬<4503> 週足(SBI証券提供)

アステラス製薬<4503> 週足(SBI証券提供)

過去10年の平均PERは約20倍ですが、24年4月4日終値現在のPERは約50倍です。

利益の減少に比べれば株価の下落は小さいことから、PERを基準に考えると割高な水準と言えます。

しかし、ここまで利益が落ち込む理由は、イクスタンジの次の収益源を確保するための研究開発費や広告宣伝費の上昇が関係していますから、必要な投資と言えます。

今の投資が2027年以降に回収できるように、まさしく耐え時と言えるでしょう。

本稿冒頭で説明した新薬を開発・普及させるための多大なコストが必要なタイミングです。

しかしポジティブな要素もあります。

べオーザのスタートダッシュが大幅につまずいていますが、23年9月に販売が始まり、早くも市場シェア20%を獲得しているアイザーベイという薬もあります。

(アイザーベイは老化などによって視力低下や失明を引き起こす難病に対し、治療に向けた新たな選択肢となる可能性を秘めている)

出典:アステラス製薬ホームページ 個人投資家の皆様

出典:アステラス製薬ホームページ 個人投資家の皆様

こういった次世代医薬品の売れ行きが、今後のアステラス製薬の業績・株価に影響を与えるでしょう。これらに期待するのであれば、2027年以降には「24年が底だった」となる可能性を秘めています。

一方で、これらが伸び悩めば主力のイクスタンジの特許切れとともに、目も当てられない状況になる可能性も秘めています。

まさしく、今投資することはハイリスクハイリターンな状況に見えます。あなたのリスク許容度と十分に相談し、買うか・売るかを考えてみてください。


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image by: yu_photo / Shutterstock.com
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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』(2024年4月5日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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