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FCホールディングス、生産効率化等により増益達成 期末配当金の増配も決定

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2024年5月14日に発表された、株式会社FCホールディングス2024年6月期第3四半期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。

目次

福島宏治氏:株式会社FCホールディングス代表取締役社長の福島です。本日は当社の第3四半期決算説明をご視聴いただきありがとうございます。

さっそくご説明を始めます。本日の説明内容は、スライドのとおりです。

当社グループの編制

当社グループの編制についてご説明します。株式会社FCホールディングスは、東証スタンダード市場に上場し、今年で30年目を迎えます。母体企業の設立から起算すると、創業75年を超えた建設コンサルタントの企業集団です。

グループ企業数10社、国内主要7拠点、海外2拠点で事業を展開しています。常用労働者数は500名程度の集団です。

1.①第3四半期決算報告 PL

本題となる、第3四半期決算についてご報告します。前期からの繰り越しを含む総受注高は、前期比で約1億5,000万円減の115億8,800万円となりました。

売上高は63億8,100万円、営業利益並びに経常利益は7億7,700万円、四半期純利益は6億3,500万円です。

概括的に言うと、発注遅延の影響を受けて若干の減収でしたが、DX施策の推進等による生産効率化も奏功し、営業利益並びに経常利益は増益となりました。

さらに、子会社が当社グループに参画する前に計画していた傷害保険等の見直しを行った結果、特別利益2億2,200万円を計上する運びとなりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は前期比で約8,800万円増で、こちらも増益となりました。

1.②第3四半期決算報告 受注・売上高

期中の受注について補足説明します。国内分野での期中受注量は、前期比で減少しています。前期からの繰越業務量が一定程度確保されていたこと、並びに主要顧客の発注時期が前期に比べて遅くなったことがありますが、これはコロナ禍前の水準に戻ったということであり、通常モードであると認識しています。

反対に海外分野では、前期までの大きな苦戦状態から脱し、受注は上向きに転じました。分野別売上高はスライド下部に記載のとおり、大きな変動はありません。

1.③第3四半期決算報告 BS

貸借対照表は期首の計画どおり推移しており、健全な財務水準を継続的に維持しています。なお、長期借入金残高1億5,900万円は、従業員持株会支援信託ESOP導入に伴って持株会が実行した、借入金に対する債務保証額です。

1.④第3四半期決算報告 CF

キャッシュ・フロー計算書です。営業キャッシュ・フローは約21億円の流出となりました。投資キャッシュ・フローは、損益計算書のスライドでご説明した保険契約解約返戻金収入もあり、若干の獲得となりました。

財務キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローの流出相当額を金融機関から借入した数字となっています。これらはすべて、例年の傾向から変わっていません。

2.①期末の業績予想(配当の修正)

2024年6月期の期末業績予想についてご報告します。現時点では、期首予想値に修正はありません。前年同期比で若干ながら増収増益という計画を据え置きます。

2.②期末の業績予想(配当の修正)

期末配当金については、期首公約配当25円に5円を加算し、年間30円とします。金銭配当に対する基本的な考え方に変更はありませんが、後ほどご説明する「株価を意識した経営」のために、まずはPBR1倍以上の達成に向けてPERを引き上げることが不可欠であると判断しました。

その一環として、市場動向や当社の業績推移も念頭に置き、5円の増配を開示しました。株式市場における当社の評価状態について、現状認識として補足します。

当社グループの現状① 収益性と資本コスト指標

収益性と資本コストの現状です。スライド右下の表のとおり、ROEは買収した子会社ののれんの評価損失を計上した2021年を除いて、10パーセント以上の水準にあります。総資産の大半は生産活動に使用しており、遊休資産はありません。回転率は公共事業が中心であるため、年度末1回の売上高回収となっています。

スライド左のグラフは株主総利回りを表したものです。当社の株主総利回りは、ベンチマークとしている日経平均トータルリターンインデックス指標を超えて推移中です。課題は、スライド右上のグラフで示したPBRです。

当社グループの現状② 資本収益性と市場評価

スライド左上の表に、経営目標として開示している指標を記載しました。実績としては、営業利益率、ROEともに10パーセント以上の目標指標を達成し、現在もその状態を継続しています。スライド左下のマトリックス評価のとおり、資本収益性は目標水準に達していますが、市場評価が低いと分類できます。

こんにちの日本の株式市場全体に求められている、資本コストや株価を意識した経営を目指して当社は、期待値としてのPERをどのようにして向上させるかという課題に取り組んでいくべきであると考えています。

個別には、人的資本・知財・生産財・規模拡張への投資、IRの強化、そして還元性向の引き上げをPER向上施策として強化していきます。

3.①成長戦略 経営計画のキーワードは「再定義」

ここからはPER、つまり将来の成長達成について、実業の部分を中心にご説明します。スライドに、当社の経営理念と目指す姿、行動指針の概要を記載しました。創業の精神である「基本は技術」を、組織のストロングカルチャーと位置付けています。

現在推進中の第5次中期経営計画のキーワードは「再定義」としています。ぶれない経営思想を持続しつつも、時代に合わせ、我々の目的達成に向けた戦略を再定義していきます。言い換えれば、常に進化させながら、100年企業へ向かう成長軌道を描いていきます。

3. ②成長戦略 経営計画:収益性の継続&規模拡大

当社は資本収益性では目標水準を超えている上、同業他社をも超えています。この収益性を持続しつつ、やはり規模ももう一回り拡大していく必要があると考えています。

成長の基本は「内にある」として、3つの投資戦略を前中期経営計画で掲げています。1つ目は、75年の強みに磨きをかける意味で、既存事業の深化です。2つ目は、組織内部に浸透している共創戦略の強化です。内容は研究開発、他社連携を核としています。

3つ目は、M&A推進を中心戦略とした規模・市場の拡張です。連続的な社会的価値の創造により、現在の中期経営計画期間中には100億円の売上高、次期経営計画期間中には130億円超の企業規模を目指しています。

高い技術成果と同業他社を超える収益性を継続していけば、株式市場は必ず理解してくれるはずです。このように考えていたことだけが理由ではありませんが、スライドに記載したような戦略的投資の内容を、これまで社外には積極的に開示してきませんでした。資本市場への開示姿勢、エンゲージメントについて消極的だったと反省しています。

3.③成長戦略 戦略的投資の対象と予算

成長投資先は、人的資本、知的資本、生産資本、コーポレートガバナンス資本、拡張資本、財務資本の6点です。

それぞれの投資は、投資の効果が利益として実現していくまでには、スライドに「効果遅行度」と記載のとおり時間がかかります。営業キャッシュフロー、調達、自己資本を源泉として、投下資本収益率を考慮しつつ投資を継続していきます。

3.④成長戦略の内容 【戦略1:人的資本投資Ⅰ】

当社の事業はすべてオーダーメイドの、言わば手仕事・知恵仕事です。戦略1として最重要戦略に位置づけているのが人的資本投資です。採用を強化し、育成を続け、長く活躍できる場を提供することが経営者の使命だと考えています。

この場では詳細なご説明はしませんが、今期の実績として過去最高レベルの新卒採用者数です。中途採用についても順調です。

3.⑤成長戦略の内容 【戦略1:人的資本投資Ⅱ】

人財育成と活躍についてです。詳細は割愛しますが、当社の事業における運転免許証ともいえる技術士取得率は99.5パーセントという水準に達しています。また、今期も新たに博士号取得者の誕生を予定しています。

3.⑥成長戦略の内容 【戦略2:共創戦略投資】

知的資本投資としての共創戦略の内容です。インフラメンテナンストータルサービス、次世代都市・交通ソリューション、公共・民間施設への環境創生ビジネスの3分野を共創戦略投資の主要ターゲットと位置づけ、強化を進めています。

3.⑦成長戦略の内容 【戦略3:M&A投資】

成長戦略の中の拡張投資としてのM&Aについてご説明します。業務提携や資本提携を含む、広い意味でのM&Aです。

共創可能性の高い河川・上下水道分野への投資、技術親和性の高い社会科学・IT分野への投資、市場ニーズが高いものの当社がまだ展開していない中京・日本海側地域の展開に向けた投資を行い、組織の拡張を志向しています。

総投資予算は20億円です。M&A対象先リスト作成チーム、アフターM&A伴走チーム、共創チームを総動員するかたちで拡張資本投資を続けていきます。

3.⑧成長戦略の内容 【PR・IRの強化】

投資家のみなさまをはじめ、今後業界に入職してくる学生やそのご家族を含めた人々に対し、業界全体でのPR活動や当社個別のIR活動など、世の中に知っていただく活動を強化しています。

スライド左側は「九州建設技術フォーラム」での「土木×落語」と題した講演における、当社の女性管理職と柳家小きん師匠との対談の様子です。

IR活動としては従来の定例ミーティングに加え、今回のような四半期決算説明会や合同IRイベントへの参加を促進していきます。

4.①事業トピックス インフラメンテナンス分野

トピックスとして、最近の業務からいくつかを抜粋して紹介します。まず、インフラメンテナンス分野です。

急増するインフラ施設の老朽化対策市場に、グループ企業4社の共同出資をもって、インフラ・テックソリューションズ、インフラ・テックソリューションズ西日本の2社を設立しました。グループ各社が技術や知見を持ち寄り、待ったなしのインフラメンテナンス市場に直接参入していきます。

4.②事業トピックス 次世代都市交通分野

次世代都市交通分野の取り組みです。日本電気(NEC)との業務提携により、防災DXサービスを広く市場展開すべく活動中です。

4.③事業トピックス 環境創生分野

環境創生分野では、グループ全体で積極的にSDGsへの取り組みを推進中です。多方面で受賞するなど高い評価を受けており、今後も取り組みを継続していきます。

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