<ポケポケの収益源:無料プレイと課金要素のバランス>
ポケポケの主な収益源は2つあります。
1つ目はプレミアムパスという月額980円のサブスクリプションサービスです。これに加入すると、1日に開封できるパック数が増えたり、限定カードがもらえたりします。
2つ目はアプリ内通貨の購入です。アプリ内通貨を使用することで、パックをすぐに開封できたり、ゲームを有利に進めたりすることができます。
興味深いのは、ダウンロード数のシェアと収益のシェアの地域別割合です。

ダウンロード数ではアメリカが1位であるのに対し、収益では日本が圧倒的に高いシェアを誇っています。これは、日本のユーザーの課金率が高いことを示唆しています。
一方で、ブラジルやフランスなど、ダウンロード数は多いものの課金に繋がっていない国もあるようです。しかし、台湾のように、ダウンロード数に対して課金シェアが高い国も存在します。
私自身は無課金でプレイしていますが、それでも十分に楽しめているため、無課金ユーザーでも長く遊べる設計になっていることが、幅広いユーザー層を獲得している要因かもしれません。
ポケポケが業績予想を大幅に押し上げ
ポケポケのリリース後、DeNAの業績は大きく上がりました。
2025年3月期第3四半期(2024年10月〜12月)のセグメント損益は大幅に増加しており、これはまさにポケポケのリリース(2024年10月30日)後、わずか1.5ヶ月ほどの期間での驚異的な成果と言えるでしょう。

アナリストのコンセンサス予想も、このポケポケの好調を受けて大きく上方修正されています。アプリストアの月間セールス予測でも、ポケポケはLINEマンガやYouTubeといった強豪を抑え、堂々の1位を獲得しており、その勢いは本物です。
一過性のブームで終わらないか?
今のポケポケの勢いは疑いようがありませんが、長期投資の視点で見るといくつかの懸念点も存在します。
スマホゲームの多くは、リリース直後がピークで、その後人気が下降していく傾向があります。例えば、かつて大ヒットしたサイバーエージェントの「ウマ娘 プリティーダービー」も、リリースから2年ほどで収益は横ばいとなり、その後はコンソールゲームの展開などで再び成長を見せています。
一方で、ガンホーの「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」のように、10年以上も売上を維持している長寿タイトルも存在します。ポケポケがどちらのケースになるのか、今後の動向に注目です。

現在のDeNAのPER(株価収益率)は、コンセンサス予想ベースで約20倍となっています。もしこの業績を維持できるのであれば、PERとしては特に割高というわけではありません。しかし、DeNAは前期が赤字決算であったことを考えると、ポケポケの勢いが衰えた場合のリスクも考慮しておく必要があります。
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