中国企業の台頭と価格競争の脅威
長期的に見ると、テクセンドが属するアウトソース市場は、新たな脅威に直面しています。中国では共産党が主導し、自国製の半導体を作ることに力を入れており、フォトマスク製造においても、日本やアメリカの企業に追いつこうと技術向上を目指しています。
具体的には、QIマスクやHGマスクといった新規参入企業が登場しており、ファウンドリであるSMICなども7nmレベルのマスクを内製化しているという情報もあります。すでに一部の市場では、中国企業による価格競争が発生しており、特にTSMCなどが外注する1世代前のプロセスにおいて、中国企業がテクセンドよりも安価な価格で供給する事例が既に出ています。中国勢は利益度外視で国が後押ししている面もあるため、価格競争はテクセンドにとって中長期的なリスクとなり続けます。
総合的な投資判断
テクセンドフォトマスクは、市場が拡大傾向にある中で、外販市場のシェアがナンバーワンであり、現時点での利益率も20%を超えていて優良であるというポジティブな側面を持っています。また、ラピダスとの連携による最先端EUVマスクへの挑戦という大きな成長の可能性も担っています。
しかし、半導体企業にとって避けられないシリコンサイクルのリスク、そして長期的に中国企業との技術・価格競争に直面するというリスクも同時に存在します。
公開価格(IPO価格)は、今期予想に対してPRがおよそ15倍程度の水準となっており、市場の拡大傾向を考慮すると、決して割高な水準ではありません。現在の相場の好調さによる短期的な動きと、必ず訪れるシリコンサイクル、そしてラピダス成功への期待値をどう両睨みするかが投資判断のポイントとなります。
栫井駿介氏によるZoomウェビナー 10月19日開催!
個人投資家が陥りやすい落とし穴を避け、「買っていい株」と「避けるべき株」をシンプルに見極める方法を解説するウェビナーを2025年10月19日(日)に開催します。
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『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』(2025年10月16日号)より※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。