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最終利益63%減「ヤマハ発動機」株は買いか?下方修正の真相と長期投資家が注視すべきリスク=元村浩之

同じように厳しい企業はある?

ここで考えるべきは「ヤマハ発動機が大変だったね」で終わらせてはいけないということです。
皆様自身のポートフォリオの中に、同様のリスクを抱えた企業がないかをチェックする必要があります。

特に警戒すべきは、北米向けの輸出比率が高く、なおかつ関税や物流、為替などのコスト上昇分を十分に価格転嫁できていない「耐久消費財メーカー」です。

例えば、他の二輪・四輪メーカーはどうでしょうか。

たとえ北米に工場を持っていたとしても、主要な部品を北米外から輸入しているのであれば、そこに関税コストが重くのしかかります。
そのコスト増を上回るだけの値上げができるか、あるいは需要がそれを許容するかが焦点となります。

昨今の北米市場を見ると、企業の業績自体はまだ良好に見えるかもしれませんが、一般消費者の家計はインフレと高金利で確実に圧迫されています。
そうなると「レジャー系の製品は今買わなくてもいいよね」「将来が不安だから少し我慢しようか」という心理が働きます。
こうした消費マインドの減退が、ヤマハ発動機のマリン事業で見られたような形で、他の企業にも波及する可能性は十分に考えられます,。

芝刈り機や建機も例外ではない

想像力を働かせてみれば、影響を受けるのはバイクやボートだけではありません。

例えば、北米では住宅の敷地が広いため、一家に一台持っているような「芝刈り機」や、個人が使うような「小型建設機械」なども対象になり得るでしょう。
これらも耐久消費財であり、生活に密着してはいますが、買い替えを先延ばしにしようと思えばできる製品です。

金利が高い局面が続けば、ローンを組んでまで購入しようとする意欲はさらに削がれます。
消費意欲が低下している中で、企業はなかなか強気の値上げに踏み切ることができません。
コストは上がっているのに、値上げができず、需要も細っていく。
このような「板挟み」の状況に苦しんでいる企業が他にないか、ぜひ皆様の手持ちの銘柄の決算資料や市場動向を、今一度チェックしてみてください。

長期投資家としてこの暴落から何を学ぶべきか

今回のヤマハ発動機の事例は、単なる一社の業績不振ではなく、グローバルに展開する日本の製造業が直面している「米国の景気後退リスク」と「コスト高」の象徴的な出来事と言えます。
最終利益の63%下方修正という数字はあまりに強烈ですが、その裏にある「将来の利益への自信の低下」という本質的なメッセージを読み取らなくてはなりません。

長期投資家としては、目の前の株価の乱高下に一喜一憂するのではなく、企業の稼ぐ力が構造的にどう変化しているのかを見極めることが大切です。
北米市場に依存しすぎていないか、コストを価格に転嫁できるだけのブランド力や製品力があるか、といった視点で投資先を再点検する良いきっかけにしてください。


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image by: rafaelnlins / Shutterstock.com
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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』(2026年2月7日号)より※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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