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サンフロ不動産 Research Memo(6):収益性の高い物件販売が進み、増収増益を記録

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■サンフロンティア不動産<8934>の業績動向

2. セグメント別の事業動向
(1) 不動産再生事業
不動産再生事業は、売上高46,763百万円(前年同期比22.1%増)、セグメント利益13,379百万円(同24.5%増)となった。営業利益率は28.6%と高水準を保持しつつ、大幅な増収増益を達成した。物件販売は契約済み・2026年3月期決済予定分を含めて22件と、着実な進捗となった。

リプランニング事業においては、販売件数は16件と前年同期比6件減となったが、規模の大きい物件や高収益の新築物件の販売があったことから、売上高・セグメント利益は大きく伸長した。販売先内訳については、小口案件が3件、新築案件が2件、ニューヨーク所在案件が1件である。新築案件2件の販売先は国内法人及び台湾個人富裕層であり、ニューヨーク所在案件1件は国内法人向けである。残る10件については、台湾向けが2件、国内の資産管理会社を含む国内投資家が約8割、海外アジア系投資家が約2割という構成である。セグメント利益率についても28.6%と高水準を維持し、売却物件のキャップレート(還元利回り)は足元では3.72%、累計ベースで3.75%となった。平均事業期間は818日で、前期末比35日の拡大となった。これは新築物件2件が含まれ、事業期間が長期化していることが要因である。新築物件2件を除いた平均事業期間は617日前後と、プロジェクトの回転率は引き続き良好である。事業期間にこだわった運営により、高い資本効率性を実現する方針だ。

賃貸ビル事業については、物件仕入れが順調に進んだことに加え、賃貸関連費用が前年同期比減となったことから、増収増益となった。賃貸関連費用の減少については、前期に発生した移転に伴うワンタイム費用の反動減が主因である。また、契約済み未決済を含む仕入れ額は64,305百万円に上り、通期目標である70,000百万円に対し9割を超える進捗である。仕入れ環境については、市況が軟化して投げ売りが出ているという状況ではないが、同社が想定する価格水準で取得可能な物件が増えてきている。仕入状況については例年1~3月に活況を呈するが、足元の物件情報は早くも旺盛であり、現在活発に案件検討を行っている。在庫状況については、第3四半期末の在庫数が83件と前年同期比13件増加しており、新築ビルや小口所有商品などの比率が高まることで、アセットの多様化が進んでいる点は中長期的な安定収益の観点からも評価できる。これらは中長期で取り組む物件であり、2027年3月期以降を見据えた仕入れである。従って、2027年3月期以降の利益創出に向けた仕込みが順調に進んでいると弊社では見ている。

(2) 不動産サービス事業
不動産サービス事業は、売上高12,658百万円(前年同期比36.4%増)、セグメント利益6,923百万円(同51.1%増)となった。全事業が好調に推移したことにより、大幅な増収増益を達成した。

プロパティマネジメント事業では、受託棟数が前期末比22件増となり、安定的な収益拡大が進んだ。ビルメンテナンス事業でも、グループ内連携の強化により管理受託棟数が増加し、増収増益を確保した。売買仲介では、グループ内からの紹介案件の成約に加え、取り扱い案件の大型化が進み、収益性が向上した。賃貸仲介ではハイブリッドな働き方や人財獲得に伴う需要を捉え、着実な成長を遂げた。滞納賃料保証事業では、新規契約及び再保証契約件数が順調に伸長した。

貸会議室事業については、稼働から1年未満の拠点が軌道に乗るとともに、長期利用や大型案件の増加が寄与し、増収増益となった。開業・増床による運営坪数増加も寄与しており、今後拠点増設に向けた取り組みも期待される。東京都内の貸会議室需要は、検定試験や研修需要のほか、近年増加傾向にある会議室を持たない企業や関連各社が集まる業界団体の研修向けの需要もあり、多角化する需要に支えられ、市場の底堅さは一段と増している。

(3) ホテル・観光事業
ホテル・観光事業は、売上高14,948百万円(前年同期比19.6%増)、セグメント利益3,528百万円(同16.0%増)となった。運営ホテル数が32棟3,649室に上り、事業規模の拡大と既存ホテルの堅調な運営が両立したことで増収増益となった。

ホテル開発事業では、2027年3月期以降に向け建設中及び計画中のホテルが合計16棟2,539室と開発パイプラインが厚みを増している。2025年9月開業の「たびのホテル加古川別府駅前」及び10月開業の「たびのホテル石狩」については、両エリアは従来ホテルの供給が少ない空白地帯であり、法人需要やビジネスニーズが十分に満たされていなかったことから、いずれも予約状況は堅調に推移している。今後も運営ホテルの客室数増加に向け、M&Aや開発用地の取得を積極的に推進する方針である。

ホテル運営事業では、新規開業及びM&Aによる取得が進むなか、インバウンド需要の好調を背景に稼働率及び客室単価が上昇し、増収増益となった。客室単価は、インバウンド需要に加え大阪・関西万博による効果により関西エリアやラグジュアリーホテルを中心に上昇し、業績を押し上げる要因となった。

(4) その他
その他の事業は、売上高3,799百万円(前年同期比179.9%増)、セグメント利益795百万円(同183.2%増)と工事受注件数の増加及びM&Aの寄与により、大幅増収増益となった。

建設事業においては、オフィス内装工事や通信ネットワーク工事などの受注件数が前年同期比増となり、2025年10月に取得した大竹建窓ホールディングスの業績が加わったことで、収益基盤が拡大した。海外開発事業では、ベトナムにおける新規分譲マンションプロジェクト第2号案件である「HIYORI Aqua Tower」が、2027年度上期の竣工に向けて工事が順調に進捗しており、今後の収益寄与が期待される。加えて、ベトナムダナン市における3号物件に向け、土地仕入の情報収集も進めている。

3. 財務状況
2026年3月期第3四半期末の資産合計は、前期末比32,028百万円増の250,219百万円となった。リプランニング物件の仕入れと商品化及びホテル開発が進捗し、棚卸資産が30,489百万円増加した。一方、配当金の支払い等により、現金及び預金が8,399百万円減少した。また、ホテル開発の進捗により有形固定資産が6,802百万円増加した。

負債合計は前期末比28,625百万円増の140,923百万円となった。有利子負債に関しては、物件仕入れに伴う借入金の増加があった結果、同28,087百万円増の120,545百万円となった。1年内返済予定の長期借入金が1,441百万円減少した一方で、短期借入金が2,300百万円、長期借入金が27,228百万円増加した。

純資産合計は前期末比3,403百万円増の109,295百万円となった。配当金の支払い3,456百万円があった一方で、親会社株主に帰属する四半期純利益10,434百万円の積み上げなどにより増加した。自己資本比率は同3.4ポイント減の43.4%であり、積極投資を進めながらも高水準を維持している。財務健全性は総じて良好であり、現時点で顕在化した大きな懸念は見当たらない。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)
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