多くの投資家が陥る「失敗の典型パターン」
暴落局面では、頭では分かっていても陥ってしまう失敗の罠があります。

<「押し目買い」が招く二番底への恐怖>
株価が少し下がった段階で「チャンスだ」と買い急ぐ人が多いですが、そこがまだ割高な水準であることは少なくありません。
中途半端な位置で買い、その後さらにずるずると下落が続くと、今度は本当の大底で買う資金がなくなってしまいます。
<機関投資家と個人投資家の行動原理の違い>
個人投資家が「押し目だ」と買っている裏で、プロである機関投資家は利益を確定させるために売りを出していることがよくあります。
彼らはファンドの年間成績を確定させる必要があるため、不透明感が増すと早めに逃げる準備をしています。
その結果、個人の買いが支えきれなくなった瞬間に底が抜けるような急落が起きます。
<大底で売り、上昇に置いていかれる悲劇>
大底で耐えきれずに売ってしまった投資家は、その後の急反発で買い直すことが困難になります。
自分が売ったものがすぐに上がることを認めたくないという心理が働き、結局高いところで買い直すか、上昇を指をくわえて見ているだけになります。
これが「大底で売り、高値で買う」という最悪の往復ビンタです。
私の失敗とそこからの教訓
かくいう私も、かつて“手痛い失敗”を冒してしまった経験があります。
<ロイヤル・ダッチ・シェル>
コロナショック時、原油の先物価格がマイナスになるという異常事態が起きました。
当時、私は「80年間減配なし」の信頼からシェルを保有していましたが、未曾有の危機により同社がついに減配を発表しました。
冷静さを失った私は、ほぼ底値圏で売却してしまいましたが、その後株価は3倍以上にまで戻りました。
<日本たばこ産業(JT)>
2022年のロシアによるウクライナ侵攻時、JTのロシア事業が接収されるリスクを恐れ、最悪のタイミングで売却してしまいました。
しかし結果として株価はその後3倍近くまで上昇し、大きな機会損失となりました。
<最悪の時に売ってはいけない、明けない夜はない>
これらの失敗から学んだ最大の教訓は、企業が潰れない限り、最悪のパニックの瞬間に売ってはいけないということです。
情報は不安を煽りますが、見れば見るほど不安になるのが人間です。
暴落時における「正しい行動」のロードマップ
では、どのように行動するのが正解なのでしょうか。

<暴落前夜>
VIX指数がじわじわと高まり、相場が不自然に「いい感じ」で不安定な兆候を見せている時が、唯一の売却検討のタイミングです。
この段階で、割高な銘柄やパッとしない銘柄を整理し、現金をある程度用意しておきます。
<暴落の最中>
いざ本格的な暴落が始まったら、もう売るのをやめましょう。
下がってから売る行為は損失を確定させるだけであり、どこで反発するかは誰にも分かりません。
<大底の判断>
フィア・アンド・グリード指標が「エクストリーム・フィア」に入り、世の中が絶望に包まれた時が買い時です。
この時はPERなどの指標を細かく見るよりも、自分の信じた業績の良い銘柄を、目をつむって買いに行く姿勢が求められます。