投資未経験の人が資産を形成するには、10年以上にわたりコツコツと投資を続ける長期投資がオススメです、とくに色んな種類を集めたインデックス投資では、リスクはかなり軽減されます。今回は日経平均に連動したインデックス投資をしていた場合に、どのような結果になったのかを3つのポイントで解説します。(『億の近道』山本潤)
セゾン投信株式会社 国内株式運用部長 ポートフォリオマネージャー
株式の特徴は、定期的な配当収益が期待できること
株式という投資対象についての特徴を少し述べてみます。
株式会社は株主から集めた資本を活用して、事業を営む事業主体といえるでしょう。事業からの収益が上がれば、株式会社から株主へ投資に対する見返りである配当が支払われます。
株式投資の際立った特徴は定期的な配当収益が期待できることです。
ゴールドや原油などの商品投資には、このような利益分配の手段である配当がありません。
配当による収益をインカムゲインと呼びます。
インカムゲインは基本的に毎年、あるいは半期ごとに支払われます。累計すれば配当額は積み上がっていきます。
ただし、インカムゲインは年間数%に過ぎず、一方で株価の値動きは年間数十%に達することがあります。
投資家の多くは株価にだけ感心がある
投資家の多くは配当よりも株価に関心があります。
株価の値上がり益はキャピタルゲインと呼ばれます。
もちろん、キャピタルゲインも大事なのですが、長期の保有になればなるほど、インカムゲインの重要性は増していきます。配当が累積していくからです。毎年のインカムゲインの積み上げが資産形成には着実に効いてくるのです。
短期の株式投資家は、配当よりも株価のことを気にしますが、残念なことに株価の値上がり益であるキャピタルゲイン、つまり株価値上がり益の予測はとても難しいものです。株価は法則性なく、日々動いてしまいます。
株式投資は、預金とは違い元本は保証されません。
キャピタルゲインがどうなるかは相場の環境にも左右されます。
インカムゲインについては、株価ではなく事業の環境に左右されます。景気動向や競合状況の変化に業績が影響を受けてしまいます。
当然、不景気には収益が上がりにくくなります。そのため、業績が悪化すれば配当を支払う余力が減少してしまうのです。
配当は約束されたものではありません。収益が運よく出れば、その範囲で配当を得られるという類のものです。企業の中には恒常的に事業が赤字の企業も存在します。そうした「万年赤字」の企業では、配当を期待することはできません。